曽我部絵日記

曽我部昌史の写真絵日記

2017年10月23日~10月29日

2017-10-28 | 日記
10月29日(日)
「四面仏顔@王宮の即位殿(プノンペン)」

王宮に行ってみる。観光客と地元の人と思われる人たちで混み合う。


「ダック島へのフェリー乗り場@プノンペンの北の方(プノンペン)」

伝統的な家屋群があるらしい、ということでシルク・アイランドのある島へ行くことに。トゥクトゥクのまま乗船して、島の中もトゥクトゥクで移動。到着してみると、民家群は観光客向けに造られた簡易なもの。どうやら、地元のひとが河の前で食事とお酒を楽しみながらのんびり過ごす、っていう場所らしい。


「いつもアウトドア@プノンペンの街中」

トゥクトゥクのドライバーにお勧めのレストランに案内してもらって夕食。観光客向けのキレイな店で、メニューの最初の方にはタランチュラとかカエルとかアリとかが並ぶ。。。帰りは歩いてホテルまで。考えてみると、歩いている人があまりいない。


10月28日(土)
「内部の様子@オリンピックスタジアム(プノンペン)」

ボレイケラに向かう前に、近くにあるヴァン・モリヴァン設計のスタジアムへ。写真では見ていたのだけれど、この建築の素晴らしさはまったく理解できていなかった。斜路や大きなコンコースが都市的な存在感を生み、ベンチの下に設けられた通風や採光のための開口は大空間に華麗さを加える。この空間感の中で、いかにも日常のようにバスケットボールの練習をしている子供たちの様子が不思議な光景だった。


「共同住宅@ボレイケラ(プノンペン)」

スタジアムから北上。脇田先生の著作で詳細に紹介されているボレイケア地区。スラムエリアは概ね一掃されていて、移転先として設けられた公営住宅が建ち並ぶ。一階部分は商業ゾーンとなっているようで、種々の店舗が並ぶ。金属のフェンスで覆われる上階の住宅の窓まわりは、洗濯物や植物で埋められている。


「敷き布の客席@ナイトマーケット(トンレサップ河岸近く・プノンペン)」

その後、ヴァン・モリヴァン設計のプノンペン大学校舎群をみたのちに、ポルポトによる虐殺場であったキリング・フィールドでまたしても打ちのめされる。夜はナイトマーケットで屋台ごはん。


10月27日(金)
「吹きさらしのフィットネス@カンダルマーケット近く(プノンペン)」

先入りしていた共同研究者たちと合流し、さっそく出発。ちょうど雨期を終えたばかりの過ごしやすい気候とはいえ、30度は超えている。多くの建物は吹きさらしになっていて、各種マシンが並ぶフィットネスもオープン。正面にあったビリヤード場も同様のつくり。この後にいった国立博物館もとてもオープンなつくりだった。実際、屋根の下に入ると、風が抜けて過ごしやすい。


広島ハウス@カンダルマーケットと王宮の間(プノンペン)」

途中、石山修武氏設計の広島ハウス。竣工当初は違う活用だったようだけれど、現在は、家計の厳しい地域の子供たちに教育と給食を提供する場となっている。数年前までの資金の流れがストップしてしまったものの、子供たちのためにも活動を止めるわけにはいかないということで、頑張っているらしい。


ホワイト・ビルディング跡地。。。@独立記念碑の南東側(プノンペン)」

60年代に、ヴァン・モリヴァン監修の元で地元建築家の手で設計された公営住宅。ポルポト政権時代に空っぽになり、政権敗北後にスクウォッターで埋められていたらしい。Sa Sa Art Projectsという美術系活動団体も入っていたらしい。
前に来てみると、既に空き地。数ヶ月前に解体が始まったらしい。ヴァン・モリヴァン氏が亡くなったのも一月前。そういうタイミングか。


「トゥール・スレン博物館@プノンペン」

ポルポト政権時代のカンボジアのことについての予習がまったく足りていないまま、トゥール・スレンへ。その時期に収容所として使われていた、元高校校舎。あまりにも赤裸々で、いつもならどこに行ってもいろいろと意見を交わしながら歩く視察のメンバーも言葉は少なく、そこまでで宿に戻ることに。
夜は、近くの屋台などで。



10月26日(木)
「バンコクエアウェイズの機体@スワンナプーム空港(バンコク)」

いつもの木曜日どおり、朝から夕方まで授業、その後ゼミとかプロジェクトの打ち合わせとかを終わらせてから羽田空港へ。カンボジア視察へ向かう。空港で横浜市役所K氏と合流。写真は翌日朝、飛行機を乗り換えた空港の様子。


10月25日(水)
「BankART Life Vアーティストトーク@BankART Cafe(馬車道・横浜)」

夕方、突然決まったアーティストトークのためにBankARTへ。BankART Life Vでの3階エリアを担当した、丸山純子さん高橋啓祐さんと。デザインしているときには全く考えていなかったけれど、これまで何度となく繰り返してきたこの場所の活かし方を考える作業は、これで最後だったということか。とはいえ、どんな活動にとっても移動と変化はポジティブなことのはず。建物の設計者としては、何らかの活用に繋がって欲しいと思うけれど。


10月24日(火)
「マイナンバー@港北区役所(大倉山・横浜)」

朝一からいろいろな場所での打ち合わせ。夕方は、マイナンバーカードの受け取りで港北区役所へ。区役所にこんなに頻繁に行くのははじめてか。結構、人手のかかる作業をしているみたい。全国民がカード化しようとしたら、役所での作業は破綻するだろうなあ。。。


10月23日(月)
「すくも商銀@宿毛(高知)」

台風一過の晴天。昨日見られなかった、業務系プロジェクト二題の現地審査。いずれもCLTを活用したもの。はじめにみたすくも商銀は、CLTを用いながらも、こだわりすぎない活用におさえつつ、空調システムなど広範に及ぶ眼差しが印象的。設計期間が全部で3.5ヶ月というのが信じられないくらい、いろいろな部分でディテールへのこだわりが現れる。生前の高橋てい一さんが、こういう部分は担当者次第、って言っていたのを思い出す。


「森連会館エントランスホール@南国(高知)」

その後、高知におけるCLT活用の最初期の実験的プロジェクトである森連会館へ。高速を用いながらも2時間半の道のり。こちらはCLTに関連する基準が確定する前に計画されたもので、大臣認定をとりながらの設計だったらしい。制作最大長さ6mで1/2のキャンチレバーが可能、という特性から、ひさしが3m。その他、CLT一枚のブリッジとか、エントランスでの内装制限を回避するための避難動線とか、CLTへの愛が垣間見られる。


「龍馬記念館@桂浜(高知)」

その後、審査会議を経て、帰りの飛行機の時間まで、藁工倉庫(竹原義二リノベ設計のアールブリュット美術館)とか龍馬記念館とか。龍馬記念館は展示工事が進められている増築棟と、増築工事にともなって改修をしている元々の建物とを、ワークステーション高橋さんに案内してもらう。元々の建物では展示物が片付けられていて、純粋な建築空間が現れている。木村俊彦氏らしい構造が水平線と重なり合う。
台風の影響で飛行機は1時間以上おくれ、空港ではマルアーキテクチャの面々と遭遇したり。