Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ヒトラーコード39

2017-01-13 20:33:00 | エディ・レッドメイン


エディ・レッドメイン出演作の「GLORIOUS 39」(2009)邦題「ヒトラーコード39」を見ました。

あらすじを実は今書いたのですが、サスペンスでもあるのでやはり消してしまいました。

地元の名士の養女として育った女優が、イギリスで第二次世界大戦前に、ナチスドイツとの戦争をめぐる政治が絡んだ恐ろしい事件に巻き込まれていく話です。

スパイ物?政治もの?と重そうなテーマなのに、難しくありません!

実はこれ、日本では公開されなかったばかりでなく「ブラック・レコード~禁じられた記録~」という別の邦題まであり、おそらく「ヒトラー」はDVD用「ブラック」はWOWOWで放送した時のタイトルなんです。

旧作につきネタバレあり

タイトル通り1939年のお話なのでエディ演ずるラルフも刈り上げにゆったりめシルエットのズボン。「イミテーション・ゲーム」とほぼ同時代ですね。

ファッション的には「美しすぎる母」での70年代デカダンスの足元にも及ばないけど、役柄としては『いつものお坊っちゃま役か』と思わせて『悪魔エディの鋭い眼光』も拝めるという喜びがありました。

『お坊っちゃまで悪い』のは不細工な奴だったら単なるスネ夫かダドリー(ハリポタ)ですけど、議員の息子で外務省勤めイケメン家庭ではやんちゃな長男が悪いというのはもう怖いです~



イギリスの田舎とロンドンを舞台に、裕福な家族の話で豪華キャストなので華やかで、次々と目を奪われてキナ臭い話なのに飽きません。

主人公アン(養女):ロモーラ・ガライ
父:ビル・ナイ
弟:エディ・レッドメイン
妹:ジュノー・テンプル
恋人:チャーリー・コックス
恋人の友人:デヴィッド・テナント
同業者の俳優:ヒュー・ボネヴィル
アンの従兄弟:クリストファー・リー(現代)

ついでに現代のシーンのアンの妹の孫役Toby Regboも可愛かったです。

そして、やたらとお茶のシーンが出てきて、スクリーンに見入ってしまいました。

まずToby Regboと右端がクリストファー・リー。孫世代が歴史を調べてて質問に来たところ。いい年の兄弟がロンドンはセント・ポールのすぐ近くで同居していて、ティーセットは古くて由緒正しい感じだけど、ケーキはただのパウンドケーキ。でも礼儀正しいお返事できてます。



次は実はティーではなく、誕生日ディナーのテーブル。
田舎の家の庭にテントを設え、夏ならではのお楽しみ。



こちらは本当にティー。山盛りスコーンとジャムとクリーム。
エディのセリフはほとんどスキャマンダー先生・・・w



アンのおばさまの家。着いたら3段トレーが待っていた。



これは戦時下、各国大使が集まるパーティーの階下で、大使の子供たちもイギリス式パーティーにお呼ばれしてました。いいなあ、私もお酒よりも子供のお菓子のほうが好きかも。ビル・ナイとエディも来てくれる。



この山盛り特大トライフルを見よ!!!



それからこちらは子供部屋。
30年代だというのに現代の子供部屋とそう変わらないような。
(もちろん家庭によってはマーベルや今のアニメグッズでいっぱいの部屋もあるけど、子供用インテリア用品って結構こう言う趣味今でも変わってないのあります)ナイト(騎士)や馬のピンナップが可愛い。



幸せな名士の家庭が舞台なので、家族の会話もジェントルマンとレディらしく心地の良い言葉なのですが、数々の事件とともに家庭の謎が露わになるに従いアンの現実が違うものになっていく過程がスリリングで面白かったです。

最後に、原題の glorious は「輝ける、栄光の」などの意味ですが、映画ではラルフ(エディ)がアンにそう呼びかけるのです。それもあってのタイトルなんですが、字幕ではそのニックネームは一切使われてませんでした。

名士一家の養女ということで、しかも彼女がもらわれた後に実の子供が2人生まれているので、彼女だけが血のつながりがないのにニックネームがそれというのは皮肉だと思うんです。

だからタイトルの方も、1939年の夏は天気も良く素晴らしかったと言いながら、実はドイツとの関係をめぐり血の争いの始まったダークな年だし、この年に始まった戦争でイギリスは最終的に勝っているし皮肉な「栄光」だったという意味合いでつけられたのかなと思いました。


ENDEAVOUR 0401

2017-01-11 22:15:00 | モース&ショーン・エヴァンズ
シリーズ4!
シャーロック・ホームズを人気投票で凌いだこともあるモースも、お正月早々風邪をひいた私を寝かせてくれません。

元旦はシャーロックの0401、その1週間後には同じ時間帯でENDEAVOUR 0401。

イギリスは相変わらず探偵物が熱いですね。

そして私たち極東の探偵ファンも(笑)。

0303で体を張って娘を守ったサーズデー警部、モースがお嬢さんの家出を黙って泣いて見送ってしまったので、シリーズ4の始まりは抜け殻のようでした。

モースはそこまで落ち込んではいないと私は思っていたのですが、顔が痩せてしまってすっかり70年代風のデカダンでそこはかっこいいので思わずギャラリーを作ってしまいました。

この時のモースは新しいスーツを着込んで鏡の前で決めていたのでした。



対照的な、なんとか体裁を繕っているサーズデー。
でも同じ鏡の中のショットというのが面白いです。



モースがいつになくスーツを新調していたのは、
実は前のエピで受けた昇進試験の結果発表の日だったのです。

・・・結果は、不合格



採点部署に回答用紙が届かず紛失したものは自動的に不合格となったと。

私はこの時、イギリスでは郵便物がよくなくなるから本当に不運だったのかとも思ったのですが、モースの申し立てでブライト警視が調べたら、無くなったのはモースの用紙のみ。

警視曰く「この数年で君は敵を作っているようだ」とのこと。

え?ブライト警視、その謎の敵に同意するような言い方はちょっとひどくありませんでしょうか~。

そんなことばかり気になって、肝心の連続殺人犯の仕組んだ言葉遊び(?)はよくわからないままになってしまいました。

今回実は私には珍しく犯人は最初からちょっとわかっていました。・・・ただ犯人の何気ないショットが冒頭で長かったから「?」と気になっただけで、推理したわけではありません。(笑)

ずっと傍観者のような役で長いカメオ出演のようだった、中年モース俳優ジョン・ソーの娘アビゲイル・ショー演じる新聞記者が今回大活躍でした。

大変な目にあってあんな行為に出るとは、さすが警察官の娘!いやいやそれは公私混同・・・ではなく中の人と役を混同ですね。

その大ピンチに、サーズデーの警察官本能が呼び起こされました。

そして残る、ジョアン・サーズデーの行方とモースの回答用紙を盗んだ犯人の謎。
これらは、残りのエピソードで明らかになるのか楽しみです。

肝心のモースの解説部分は、復習後回しですスミマセン。
きのうまでは咳がゴホンゴホンとひどかっただけですが、
きょうから鼻水が止まらなくなり、脳みそまで出てしまったような気がします。


最後のモースは若い頃のヘルムート・バーガーみたい




SHERLOCK 0402

2017-01-09 22:57:00 | シャーロック


ネタバレちょびっとアリ

エピソード名は「The Lying Detective」。

コナン・ドイルの「The Dying Detective(瀕死の探偵)」をもじったこのタイトルの、lyingにはふた通り意味がありその「横たわる」と「嘘つきの」両方とも入ってました。

やられた~~~!!Written by モファット~~~!

と叫びたくなるカタルシスもラストの方に横たわっていました。

そこへ行くまでは、私の大嫌いなドラッグでグテグテのシャーロック(「忌まわしき花嫁」に私が良い印象を持たなかったのはそのせいだわ!)がずっと幅を利かせていたので、

「私が見たいのはこんなシャーロックじゃない!!」

と内心どんよりがっかりしていたのですが、

『MISS ME』円盤からあれよあれよとシャーロックのリズムに乗せられました。

あ~よかった。
これです、私がシャーロックに期待するのは気の利いたドラマだったのね。

とにかくホッ=3

ボーイズたちの「シャーロック」の番組らしい顔つきとセリフを、
久しぶりにこのエピでは拝めたなあ。

途中にも、ハドソンさんとジョンの車がらみの会話にクスッとしたり、

「シリアル・キラー」に、え?それを言うの?って苦笑いしたり、

今度はマイクロフトとあの人がそうなん?!って意外性にニンマリしたり、

所々に利かせた笑いも楽しませてもらいましたし、

それに放送日にちなんだ粋な計らいもやってくれました!


と大筋では安心するもつかの間、またまた最後の最後にひねり技をかけられてしまいました!!!

来週は怒涛の「最後の事件」! 





私立探偵ダーク・ジェントリー

2017-01-07 10:21:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


映画「ミス・シェパードをお手本に」を年末に見たせいで、その昔英語バージョンを途中で放置していた「ヒストリーボーイズ」を見て(キャスト&スタッフがかぶる)、

そして(hedgehogさん推薦により)途中まで見ていたネトフリのドラマ「私立探偵ダーク・ジェントリー」に必死で戻りました。だってヒストリーボーイズで一番好きな子が主役だったんです。

全てはつながっていました!これは「私立探偵ダーク・ジェントリー」の決め台詞でもあります)

・・・と偉そうに言っていますが、告白しますと、時系列ではダークを見始めたのはヒストリーボーイズより前だったのに、そのふたりが同じ俳優だってまったく気づいてませんでした。

ヒストリーボーイズではひ弱で健気な男の子(設定17歳)だったのが、ダークは、黄色いレザージャケットを着た、奇天烈なおちゃらけ男だったのですもの。

その間、10年の歳月が流れたとは言え、驚きました。


さて、ドラマの本題です。

それくらい、主役のダーク・ジェントリー(サミュエル・バーネット)は摩訶不思議なキャラでした。

不本意に彼のアシスタントにさせられるトッド(イライジャ・ウッド)が私生活でも仕事でも散々な目にあった日に自分のアパートに帰ったら、その黄色いジャケットを着て髪を7/3に分けたダークが窓から侵入しているところだったのです。

トッドが驚いて攻撃すると、ダークはブルース・リーの真似みたいな奇声とアクションで応じたのですよ・・・もうここで「奇人」ぶりを見せましたが、その後も人生真っ暗闇なトッドの横で、黄色いジャケットが喋ってるような現実離れさを発揮したので、この男、「ドクター・フー」みたいな異次元から来たのかしらと思ったほど。

のち、それは一部当たらずとも遠からず・・・だとわかるのですが。

シリーズ1は全8エピソード。

舞台はアメリカ、シアトル。

トッドは元バンドマンのホテルのベルボーイ。

(このトッドはお目目ぱっちりで小柄なイライジャが演じるので、事件に巻き込まれていく姿は同じ原作者の映画「銀河ヒッチハイクガイド」に出てたマーティン・フリーマンを思い起こさせました。)

トッドが職場で残忍でミステリアスな殺人事件を発見してしまったところから物語が始まります。

ダーク&トッドのコンビ以外に、

ネコ、サメ、犬

事件を追う警察たち

監禁されてたやり手の味方らしい女性

スキンヘッズの暴力団みたいなのを連れたオッさん

ロッカーと取り巻きの不良たち

殺人鬼のイカれ女と巻き込まれたIT技術者の青年

殺された男と失踪したその娘


などなど訳のわからない登場人物が多いのですが、タイトルの直訳「ダーク・ジェントリーの全体論的探偵事務所」が示す通りの、全体的なことがいつ起こるのかと楽しみに暴力沙汰に耐えていると最後にはだいたい満足するようにできていました。

なぜ「だいたい」かというと1回では全部は私には解明できなかったからです。

特に警察側のおっさんたち、暴力団たち、という苦手な、アメコミに出てきそうな
荒くれ男たちは、私には識別からして難しいので誰が誰だか覚えきらないうちに終わっちゃったのでした。

あとカッコイイ女性ファラは、結局誰だったのかも不明のまま。


しかし、BBCアメリカ公式サイトによればシリーズ2が決定しているので、それを見るまでに1を復習して謎の解明を進めよう。



ところで主演のサミュエルくんは、これを見ただけではシェイクスピア俳優とは想像もつかない妙ちきりんぶりでしたが、そんな中にも彼らしさ(本来はダークらしさ)が出ていたのがネクタイでした。



どうもアイスクリームぽいけどハッキリわからないなあと思ってたら、ちゃんと公式に衣装デザイナーさんのQ&Aがあり、ポール・スミスのネクタイで、これの他にアプリコット柄もあるそうです。

このタイは可愛いけど、そもそも黄色いレザージャケットはなぜ・・・と思ってたら、アメコミバージョンの「黄色のトレンチコート」がインスピレーションだそうで、なるほど、黄色のコートよりは面積は少ないから正解かと思いました。


エクス・マキナ

2017-01-04 00:00:00 | ドーナル・グリーソン


去年見たかった「エクス・マキナ」をようやく見られました。

1/2は家族が1日いなかったので、集中して見たかった「ヒストリーボーイズ」とこれと2本立てで行ってしまいました。しかも早朝にはシャーロックも(笑)。

本当はそれぞれの作品をじんわりと味わいたいのですが、普段は家族がいてできないのでチャンスとあらば強行突破の悲しい身の上。

しかしもうDVDも出てますので、ネタバレなど気にせず感想が書けるのは、遅れて来た身の特権かもしれませんね。

物語:

ネットサーチングエンジンの会社で働くケレイブ(ドーナル・グリーソン)は、陸の孤島にある社長(オスカー・アイザック)の研究施設で、AIエヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)にチューリング・テストをするため全てがコンピューター制御された建物に閉じ込められてしまう。社長に支配される美人のエヴァと恋愛感情を抱いたケレイブは彼女の望みを叶えるため二人で逃亡する計画を立てる。しかしそれはエヴァが施設から出るための作戦だったため、社長は殺されケレイブはロックされた研究室に閉じ込められたままエヴァだけが人間の街へと消えていった。

と、話はかなりシンプル。

人間の開発したAIは人間の支配を超えるか?

というテーマは特に目新しくはないけれど、エヴァのお腹や手足が透けて見える部分にはつい目が行ってしまいました。どう言う処理がなされてああいうビジュアルが出来上がるのかしら?さすがのアカデミー賞「視覚効果賞」受賞作ですね。

しかし美しいアリシアちゃんロボットも、ちょっと突っ込みどころがあります。

顔、手足以外が透明またはナイロン製生地に覆われた、いかにもロボットの時の体型がやけにたくましいと言うのか・・・はっきり言って胸が大きい。マジンガーZの時代からある女性の形のロボットはバストが大きいのと同じようでなんか古臭くありません?

ラストに逃亡する時は、仲間のAIキョウコの皮膚を剥がして、無機質っぽい土台の上に服を着るように皮膚を張り合わせて(この辺りはフランケンシュタインよ!)人間らしい姿になり、完成した姿ではアリシアちゃんの全裸が拝めるのです!ごっくん!

そしたら、土台に厚みは5mmくらいはありそうな皮膚を貼り付けたにもかかわらず、胸も小さくなって全身華奢なんです。俳優本人の裸だから当然といえば当然ですけど、その辺が不自然だと思わないのかしら?男性スタッフは。

細かいことを言うと、キョウコはその名前通り日本人らしく作ってあって、つまりアジア人なので(俳優さんはハーフです)皮膚の色もアリシアちゃんよりも若干黄色っぽいはずなんですが、その辺は無視されてるし。首は白人種なのに。まあアリシアちゃんは北欧の人にしては色素が濃いのですけれど・・・

そして、キョウコが出てきたので彼女についても言うことが結構あります。

アジア人と言っても、中東でも南アジアでもなく(監督はイギリス人。イギリスでアジア人といえばまずその辺なのです)極東の中国、韓国、日本というのが、AIテーマになると出てくるというのが興味深い。

おそらく、平面的な顔の造作上、西洋人から見ると無表情に見え、しかも国もITや工業生産が盛んということで、ロボットというイメージに結びつきやすいのでしょうね。

しかし、同じロボットでもエヴァがこの映画の中では最新型なので被実験用なのに比べ、少し旧型のキョウコはハウスメイドとして労働しているのです。

極秘研究所で働くので秘密保持のため言語能力はありません。

そのキョウコが仕事のミスをした時、社長は奴隷に対するようにひどい叱り方をするのです。

そしてキョウコは社長とダンスをし、セックスの相手にもなっているのです。

・・・なんかなぁ。
言葉ができなくて、黙々とよく働き、完璧な美人で性欲の相手って・・・西洋人がその昔黒人奴隷の女性に強いてたような、都合のいい用途のロボットのイメージが、私たち極東人である、つまり私たちのステレオタイプのイメージってそれですか?

社長役のオスカー・アイザック自身、グアテマラ出身のエキゾチックな容姿なだけに、西洋人だけではなく世界中の男の理想の奴隷はキョウコですか?とも思えてしまいました。


ところで、

同じAIがテーマのドラマに、私がちまちまと感想を書き続けている「HUMANS」があります。

こちらにも中国系イギリス人のジェンマ・チャンが演じる「家事万能型」ロボット、ミアが出てきます。ただ、彼女の場合はレオ(コリン・モーガン)を育てるために作られたので、母親がやると期待されている仕事ができるようプログラミングされているのです。

私はミアを先に見たので、エヴァとどうしても比べてしまいました。

ミアの動きはミニマルなので、エヴァが登場した時に、首をかしげながらおずおずと現れたので違和感を感じました。

ラストまで観ると、エヴァは最初からケレイブには自分に好意を抱かせて操るつもりだったので、ヘテロ男の感情を操作する動きをシュミレーションした結果そうなったのかもしれませんが。


レオとミア

ラストではケレイブは無機質な密室に閉じ込められたままなので、あの後どうなったのか気になるところです。

出られずミイラ化する率が高いですが、何らかの方法で脱出してエヴァを探す続編が作れそうです。

でも、あのままおとぎ話のように終わるのもいいかもね。


そうだ、ドーナル・グリーソンは、他の出演作では面長の美男子だったのに、これでは髪型のせいか?丸顔に見え、可愛いタイプ。ちょっとマーティン・フリーマンに似てるなと思いました。