Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ベルサイユ 0101~07

2016-12-13 22:17:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


今年の前半頃、BBCでやっていたこの「Versailles/ベルサイユ」もネトフリで見られるようになっています。

ベルサイユと聞くと、すぐに思い浮かぶのはマリー・アントワネットとロココでしたが、ドラマを見るとどうもアントワネットぽくはない・・・それもそのはず、このドラマは彼女の義理の曾おじいさん、太陽王ルイ14世がベルサイユ宮殿を作らせ始めた時から始まるのでした。



ルイ14世といえば肖像画で見たことがあるのは結構お年を召してからのお姿なので、若い頃の姿など想像もしたことがない、というより若い時があったことさえ思いつかなかったほどの絶対王政の象徴として世界史を習いました。

ドラマでは王様は29歳。ベルサイユはパリ郊外の狩猟のための宿だったのでした。そして王位もまだ危ういもの。この辺の感覚はBBCのシェイクスピアドラマ「薔薇戦争」で鍛えたのでわかりやすいですね!へへん!

そんな時代に、各貴族に散らばった権力を王ひとりに集める理想を抱き、ベルサイユ宮殿こそがそれを象徴し、やがて世界中から人々が訪れるだろう、という信念の元に権力を築いた王様のお話です。

最初のエピのあたりは私はぜんぜん歴史を知らなかったので、ドラマを見てから記事や歴史を読んで「えっ?!あれも史実なの?」といった感じで驚きました。

後半を過ぎて、私の好きなナポレオンのお墓があるパリのアンヴァリッド(軍病院/廃兵院、現在は軍事博物館)を、王の国策に必要だった戦争での兵士と宮殿建築の労働者の不満に応えて作ったというエピソードが出てきました。ああ!フランスの歴史がつながった!


ドラマが私のツボに命中した瞬間

そしてルイ14世といえば、バレエ好きには「バレエを世界に広めた人」
これも、シーズン1の前半には無縁に見えたのですが、出てきますよ~~~!!!

それから、ルイは幼くして父王を亡くしてますので、近い血縁者は弟だけのようで、そのオルレアン公を演じるのが「マーリン」のモルドレッドの中の人なんです。あの時も可愛かったけど、今度も兄の影の存在としてエキセントリックながらも健気なピュアなところを見せてくれます。この兄弟の愛憎が実は男女関係よりも面白いです。

だってねえ・・・男女関係は政略結婚と政治上の贈り物と肉欲ばっかりなんですもの・・・なんかこう胸にキュンとくるものがないんですよねー。あ、男男関係も弟はあるんですが、そっちも男女と同じで。

イギリス人のフランス観が反映されているのか、単なる事実なのか。

シリーズ2も決定しているとのことなので、ぜひともベルサイユの街が出来上がるまでは続いてもらいたいです。

そこまで見届けたらまた観光に行きたいな。














HUMANS 0207

2016-12-12 22:26:00 | コリン・モーガン
レオとマックス。



この回と、後1回で終了予定の「HUMANS 2」。

これまでのお話を簡単にしますね。
レオは新しい仲間のヘスターとAI(Synth)研究施設サイロに捕らわれている仲間を解放するため侵入を企てます。恋した人間と別の人生を送ろうとしたミアも彼に売られそうになりレオの元に戻ってきました。

レオの母と同じ顔の、レオの父に作られたケイトは、愛する人間ピートと暮らすうちに、自分が死んだ人間の姿をしていることに悩み、自分の意識を人間の体に入れて欲しいとアメリカからサイロに来ている研究者に会いに来ました。

折しもヘスターがサイロの人間を人質にとって脅している時、ピートもサイロにケイトを追って来ました。そこでケイトはピートの愛を改めて知るのですがヘスターにピートは殺されてしまいました。ああ!このヘスター強暴性あり。Synthと心を通わせた人間がまた一人死んでしまって胸が苦しいですっ!

せっかくヘスターとミアが解放した数10人のSynthはサイロを出る前に大部分が殺されてしまいます。安全装置か何かSynthにだけ作用する周波数で。バタバタと倒れる仲間を見て泣き叫ぶレオを見るのも辛い。レオは半人間だから効かないようです。

ケイトが人間になりたがっている頃、ホーキンズ家のソフィーやトビーの友人レニーはSynthなら、人間より清潔で秩序があって苦しみを感じないと思ってSynthになろうとするのです。ああ、こういうことか?!シリーズ2では人間とSynthがお互いに無い物ねだりを始めた!

マッティが意識に目覚めさせたオディは、目的のない自由な人生を受け入れることができずに意識を閉ざしてしまうし・・・悲しむマッティ・・・

結局、人間もAIも意識があるということは苦しいことなんですかね?!
せっかく人間とSynthの愛もいろいろなパターンで見られるようになったシーズン2なのに、このままでは悲しいことばかり。

最終回には一体どうなるというのでしょう。

あとレオ=コリン・モーガンが今まで以上に顔が痩せていて心配なんですが。
苦しい立場の役柄とはいえ、他、頼む、どこかにもう少し救いを投入して欲しい・・・


マリー・アントワネット展とベルサイユ

2016-12-09 19:42:00 | いろいろ
六本木ヒルズで開催中の「マリー・アントワネット展」に行ってまいりました。噂に違わず平日昼でも混んでいました。断頭台の露と消えたフランス女王の人気のほどがうかがえます。

人の頭や肩越しに解説パネルを読みながら、当時の絵画やオリジナルの調度品を使った再現部屋を見て彼女の生涯の痕跡をたどるという企画展。

一部屋を除き撮影は禁止でしたが、無料チラシを改めて見たら印象に残る展示物をかなりご紹介していました。





ここに載ってなくて必見!と思ったのは「首飾り事件」の首飾りのレプリカでした。550個のダイヤモンドに目がくらむと同時にその愛らしいデザインはさすがフランスだなあと感動。こちらはネットにあった画像ですが多分六本木に今あるのと同じもの。水色の小さなおリボンが可憐!



子供たちの紹介展示の解説に「彼女の地位は、長女に次いで王太子(つまり王位継承者)を出産してついに確固たるものとなった」という文章がありまして、もしも後継を産めない場合、皇太子妃とはいえ王の弟に子供がいると宮廷での女性としての地位も危ういものだったんだな~と改めて実感しました。王妃は言っても、所詮、王家の後継者の母となって初めて存在の意味があるのか・・・今の日本の少子化問題思い出しちゃう・・・女は子を産んでなんぼ。ふぅ~

とは言いながら、彼女の場合は夫のルイ16世が彼女を愛して好き勝手させてくれたので、宮殿のインテリアは全てアントワネットが監修していたと展示に記述がありました。ドレスの贅沢は有名ですけれど、服よりインテリアの方がよっぽどお金がかかりますよね?!





私は過去にヴェルサイユには観光に行ったことがあるので、この展示は見に行くのを迷っていたのですが、決意がついたのは最近コレを読んだから。

アントワネットの母マリア・テレジアも出てくるし、本編のフランス革命よりちょっと前の時代が舞台のお話面白かったですよ。



この展示の監修はヴェルサイユ宮殿なのですが、その宮殿を作りフランス王家の力をヨーロッパに轟かせた太陽王ルイ14世の若いころ、つまりまだヴェルサイユが田舎だったころのBBCドラマもついに見る時が来た!と思いました。「ベルサイユ」ネトフリで配信中。「マーリン」のモードレッドの人も王の弟で出てますよ。



ミュージアムグッズが基本的に好きな私ですが、今回のロココ調グッズというのは微妙で、欲しいものがなかったので、このショップ限定のオリジナルパッケージ「マリー」ビスケットにしました!



・・・あ、欲しいものがなかったのじゃなくて、あったけどそれはお値段の関係で・・・(笑)宮殿ショップのグッズというクッションカバーが可愛かったなあ。


美しすぎる母

2016-12-06 21:58:00 | エディ・レッドメイン
「黄色いハンカチ」のアメリカ~ンなエディ・レッドメインも可愛かったけれど、このデカダンスな富豪の息子エディも想像を超えていました。



この映画「美しすぎる母/Savege Grace(2008)」でもエディが演じるのはアメリカ人なのですが、舞台がパリやスペイン、ロンドンで時代も60~70年代というヒッピー文化が欧米を席巻した時代、そして主役ファミリーは大金持ち、ということで「サンローラン」の映画群を思い出させる倦怠とゴージャス感、そして悲劇でした。



しかも実話というのですから、何10年にもわたる再現フィルムを見るようなスリリングさ。上の青文字タイトルのリンクから公式サイトに行くと、なかなか詳しい一家や個人の監督による解説も読めますよ。

大女優ジュリアン・ムーアがその美しすぎる母役で、私は彼女は苦手なのですが、この役には似合っているとは思うのです。労働者階級出身の美人女優として上流階級の男と結婚に成功した女性ですから。

その一人息子トニーがエディ。我の強い母親のそばで何不自由なく育ってますので、素直な坊やだけれどいつも伏し目がちな無気力な表情で、これが今までに見たことのないエディの魅力なのでした。

親が金持ちなので何の不自由もないため、恋人への執着はないのですが、両親が極端な人格の持ち主だったし、特に父親から満足な愛を感じずに育ち、その父に自分の恋人が寝返ってしまってその二人が母とトニーを置き去りにしたことが悲劇の始まりでした。

しかし恋人を取られたことはトニーには痛手ではなく、父に捨てられたこと、そして夫に捨てられた母を支えるにはトニー自身が弱すぎたことでこの母子はどんどん堕ちてしまうのでした。



1972年あたりトニー25歳の美しさよ!



このころのエディはとても細かった。役作り?これを見たら「リリーのすべて」に出したくもなるでしょう!



この辺りの茶色のスーツはサヴィル・ロウのテイラーであつらえたという会話も出てきます。母は「ギーブス?」(ジェイムズ・ボンドで有名な店)と聞くのですが、トニーは字幕に出てる店を答え「ギーブズは一見でも買えるけどアンダーソンは紹介がないといけない」と答えるのです。



ああ、70年代デカダン!ヘルムート・バーガーを思い出すなあ。

・・・と思うとこんな少年の顔になったりして。



話の方は、最後の最後まで辛いのですが映像が美しいので後味が悪くないのです。いや、映像のせいだけじゃないのかな。お坊ちゃんの人生には何も実態がなかったので後味がするものも残ってなかったのかも。


HUMANS 0206

2016-12-05 21:09:00 | コリン・モーガン
登場人物それぞれが活動している感のあるS2、それぞれストーリーが進展していくのですね。意識に目覚めて手探りで自分を追求するSynthたちと、関わる人間、それぞれの関係。

S1から見守っているレオ(コリン・モーガン)、ミア(ジェンマ・チャン)、オーディ(ウィル・チューダー)の行く末が心配。

ホーキンズ家の長女マッティは、私が一番感情移入しやすい人間。全面的にSynthを受け入れてるし若いから社会的しがらみもなく、しかもITの才能があるのでオーディを拾ってきて復活させるのに、Synthの意識を覚ますコードを発見したのです。



目覚めたオーディは、ずっと働いてきたご主人が亡くなっているので生きる意味を見失い、通りすがりの教会に入って、牧師に言われるまま懺悔室で質問をします。その時の会話が、牧師はSynthと話してると知らないのでとっても面白い。



牧師「君の心にひっかかるものはなんだね?」
オーディ「僕には心がないんです」
牧師「君は誰がにひどいことをしたんだね」
オーディ「そうなんですか?」
牧師「幸せを感じるのは何をしている時?」
オーディ「人を手伝ってる時です。それを思い出すと充実感があります」
牧師「どうしてもう手伝わないのかね?」
オーディ「死んでしまったからです」
牧師「死んだ人は良い所に行ったのですよ」
オーディ「それはどこですか?僕もすぐに行きます。場所を教えて。」


さてさて、
恋人エドに売られそうになり、アニタの中に隠れて逃げたミア。
「僕たちと人間は味方になんてなれない」と言ってたレオと「やってみなければわからない」と別れたミア。「あなたの言うとおりだった」とエドに裏切られた傷心を抱えて帰ってきました。



マッティの発見したコードで、研究施設のSynthの意識を覚まそうという期待とともに終わったエピソード。

それと、このエピで初登場の子供のSynthというのがいて、それは自分の子を死なせてその子の意識をSynthに移植しようという、楳図かずおのような科学者に主に関わるのだけど、そのマッドサイエンティストが働くのがレオたちの目指す研究組織。

S2は話を広げすぎじゃないのかなあ、と今のところ思うけど、残る2エピでうまく収束がつくといいなあ。