Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ロンドン・メンズ・コレクション 2013A/W

2013-01-09 08:53:00 | ファッション
早いもので・・・と新年のことじゃありません、ロンドン・コレクションズ・メンズのことです^^; 半年前のことはコチラに。前回で書いた通り、あの時はチャールズ皇太子がセント・ジェイムズ宮殿にてオープニングをホストした、ということが強烈に印象に残りました。だって、ファッショニスタって今でこそVIPですが、王室が最も権力を握っていた200年強前には単なる使用人だった人種ですから。それが、今は国力増強の武器と見なされ、王室をホストに国をあげて英国で活躍するデザイナーを世界に売り込んで英国製品をプロモーションでしてるんですから。宮殿を提供した王室の柔軟性も、時勢に添って生き延びる体質を伺える側面です。あの時はベネディクト・カンバーバッチがスペンサー・ハートのランウェイを歩いたこともあり、服の仕事から離れて以来久々にファッション・ウィークに熱中しました!


トミー・ヒルフィガー

で、そのイギリス・メンズファッション界の本気は、王室から政界へとホスト役を移して1013A/Wのオープニングはナンバー10で知られる首相邸でのプライベート・パーティーだったそうです。ところが今回は宮殿の時と違って写真も動画も出回ってません。安全上の問題でしょうか、つまらないな。


キャメロン首相とトム・フォード GQさんより

今回の話題のひとつが、トム・フォードのメンズラインのデビュー。007が着こなす衣装をスカイフォールを見て以来「そう言えばウィメンズをやっている時から彼が着ていたスーツはかっこよかった!」とその全貌を見るのを楽しみにしていました。秋にロンドンにショップをオープンするのに先駆けロンドン・コレクションで披露するそうで「僕の服はインターナショナル・マインドを持った人に着て欲しい。ロンドンはそういう人が最も多い街のひとつだから嬉しい」すみません、あちこちのニュースを読んでいたらソースが不明になってしまいました。

公式スケジュールによれば本日1/9の10:00-17:00です。幅があるのは、広いランウェイをモデルが歩くのを全員で見るショー形式ではないということですね。プライベート・アポイントメント・オンリーでしか見られない、というのは見せるバイヤー&プレスを作り手が選ぶということです。注目されているだけあって敷居が高いぞ。やり手のバックがついていて良かったねトムさん。

そのショウの後、ロンコレの大トリになってるのがこれまたトム・フォードのイベント(22:00)。いったい何が?!その前にもふたつ気になるイベントが続いてるんですよね。18:30~Wallpaperがホストするコラボ・カクテル・パーティーでコラボメンバーにハーディ・エイミス(女王のドレスメイカー)、スペンサー・ハート(ベネディクトのファッション界でのベスト・フレンドでしょうかw)、リチャード・ジェイムズ(マーティン・フリーマンが最前列に)等サヴィル・ロー軍団が!!19:30~はサー・ポール・スミス、ミュージシャンのTinie Tempah、GQエディターのディラン・ジョーンズなどがホストするプライベート・ディナーですよ!セレブには、カクテルでいい気分になって、ディナーでお腹を満たして、秘密クラブで盛り上がるフルコースが用意されているのでしょうか!

サヴィル・ロー面々もバラではなく1軍となってセント・ジェイムズ(ピカデリーからセントジェイムズ・宮殿に抜ける王室御用達の店が並ぶ通り/余談だがJの勤務先があったので私もよく歩いた)にある豪邸スペンサー・ハウスでプレゼンをした模様。↓


写真はBritish Vogueから。他にも制服図鑑のように素敵な写真がたくさん!!!リンクからどうぞ。

このイベントのホスト達を列記してて思ったけど、やはりロンドン・メンズの強みはサヴィル・ローに代表される伝統、と、モダンなデザイン&ライフスタイルを代表するWallpaper、そしておしゃれをインスパイアするミュージシャンの若手代表がTinie Tempah、と役者が揃っていることです。それらを全てミックスした存在のようなポール・スミスさんもメンバーだし、それを、王室と政界が後押しして経済を活性化しようとするんですからパワフルじゃないわけない。女性の服はパリ、ミラノも素敵ですが、メンズはやっぱりロンドンなんですね。

今シーズンのベネディクトで私のお気に入りはこれ。シャーロック「バスカヴィルの犬」のヘンリーことラッセル・トビーも一緒の@エスクァイア&トミー・ヒルフィガーのパーティー


↑パーティー会場のセットがミニシアターみたいでかわいい♡

これから怒濤のイベント・ラッシュ後に、また素敵な写真が増えるのでしょうか~
楽しみです。



マシュウとシャーロックとJ

2013-01-04 17:08:00 | ベネディクト・カンバーバッチ
1/6追記この日記をUPした日に、この映画がアイスランドのレイキャヴィクで撮影が始まったと知りました。ダンのことも決定したニュース出てないのに、ドリームワークさんだから?なのか進行が早くて感心します。追記ここまで

ベネディクト・カンバーバッチがジュリアン・アサンジを演じる映画「The Man Who Sold the World(仮題)」に、ダウントン・アビーのヒーロー、マシュウ役のダン・スティーヴンズ出演が交渉中というニュースが12月下旬にありました。


何回も言ったけど、ダンは、この険しい顔が好き

決定してからブログに書こうと思ってましたが、もし出演しないなら書かないで終わりそうだな。。と思ったので今のうちに書いちゃおう。
このふたりの共演、私の狭ーーーいドラマワールドの始まるもとになった2作品の共演なのです。ともにイギリスのヒット・ドラマだけど、そこに共通項はあまりないのに不思議なものです。

ことの始まりは、JがダウントンのDVDセットを誰かにもらってきて「これ見よう」と言ったことなのです。私はドラマ(テレビそのものも)をほとんど見ない人だったし、しかも日本語字幕もない英語のドラマなんて見てわかるの?と、渋々Jのおつき合い程度に見始めたんですね。そしたら、英語が全部わからなくても面白いってことに気づいたんです。ドラマ事情に真っ暗なので、それが世界的メガヒット・ドラマとは知らなかったんですけど。その経験があったからこそ、NHKで放映された「シャーロック1」が面白いとネット上で見かけた時に、英語のしかないけどDVD買ってみるかという発想に至ったのです!そしてその後は、この通り!!すっかりこんな人生^^;


スペンサー・ハートのデザイナー、ニックさんを真ん中にゴージャスなスリーショット。
ニックさんとの写真はいつも素敵だけど、こうも役者が揃うと!!
でもやっぱりダンは爽やかな笑顔より眼光鋭いマシュウの顔がいいなあ。

だからダウントン・アビーがなかったら、私はシャーロックに出会ってなかった。そしてダウントンの花形、マシュウがシャーロックと共演。。。。しみじみしみじみ、またメビウスの輪です。。。

で、このことを考えていたら気がついた、と言うことは、ダウントンをもらってきたJがいなかったら、シャーロックとの出会いはなかった?!・・・・ううう!感謝しなくてはいけなかったのか!! Jに!!

Jがいるとゆっくりまったりとベネディクト関係のネット記事もYoutubeも味わえないなあ~~と最近目の敵のように思っていた不憫な夫。すみません!すみません!これからもっと大切にします。


ちなみに、「The Man Who Sold the World」は今のところ仮題になってますが、このタイトル好き。デヴィッド・ボウイの歌とは何の関係もないとのことですが、やっぱり思い出してしまいます。ポップ・アイコンだったころの最後のボウイかな。

[[youtube:6x5OubSeb-U]]





ベルグレイヴィアでHappy New Year

2013-01-02 10:10:00 | シャーロック
謹賀新年kadomatsu
今年もよろしくお願いいたします。

去年のお正月に地元英国では放映されたシャーロック/シーズン2の最初のエピソード「A Scandal in Belgravia/ベルグレイヴィアの醜聞」。日本再放送は今年の元旦の夜でした。NHKさん粋ですね。エピソード中でクリスマスと新年を迎えますから一緒に気怠い気分が味わえますからね~。

実は、このエピソードの感想はまったくブログに書いておりません。私にとって触れたくない感情的なものがあるから。でもやっと心の整理をするいい機会だから書いておきます。



「シャーロックと愛」がテーマのこのお話では、The Womanことアイリーン・アドラーが登場ます。シリーズ1でシャーロックに関わる女性と言えば、大家サンのハドソン婦人とシャーロックにぞっこん片思いのモリー・フーパー。このふたりには安心して感情移入できます。ハドソンさんはいわば221Bのお母さん、男の子の母は地位安泰。シャーロックの性格悪いところもかわいいところもわかって、このエピソードでもジョンに「なんで僕達はシャーロックのこと(恋愛経験)知らないんだ?」という質問に「だってシャーロックですもの」とさらっと言ってのけ、安心して私のヒーローをお任せできる存在、シャーロックに大型犬のように慣れてハグハグされて「ああ!あの役やりたい」とさえ思います。モリーちゃんは、お仕事で実際にシャーロックに関わってるけど、好きなことも悟られてるのにいいように扱われて、まるで、ドラマを見てシャーロックを好きになった自分のよう。でもモリーちゃんは理系女子で真面目だし美人だけどそれを武器に生きるタイプじゃないからやはり安心できる。そう、ベルグレヴィア以前には、シャーロックのまわりには安全パイの女性しか登場しなかったから、見ている人(←自分のことですな)が仮想恋愛して幸せになれたのだ!またはシャーロックの性別は考えないで天才探偵に自己投影して楽しめた!

ところが、アイリーンは、ファム・ファタール、急に色っぽ~い展開にビクッ。ジョンの言葉を借りれば「You flirted with Sherlock Holmes?/シャーロック・ホームズをくどいてるのか? 」ですからねー。そうだ、シャーロックって男だったんだよね。しかもかなり上等の。ドラマが、少年少女文庫のように、大人の恋愛は蚊帳の外のような世界だと思ってたのに何てこった!しかし、美人で強くて頭も良いアイリーンに対抗意識を持つなんてありえない。もし私が頑張っておしゃれしてくどきに行っても良くてモリーちゃんのような扱いですね。それはわかってるんですけどぉ!でも他の美男美女が出て来るおしゃれでスリリングな映画のように素直にただウキウキできないんですよー。

それは、もちろん10代の時みたいに、お話の主人公に仮想恋愛してたのが理由のひとつ。残りの理由は、シャーロックが生身になりすぎたショック。シャーロックが完全無欠だったら、絶対おもしろくない。人間を超えようと感情を捨てようとしていても、ところどころほころびる隙間が魅力だと思う。それなのに、同時に、嫌なんです。恋愛なしで完結していたシャーロックの世界が壊れたのが。人間と人間じゃないものの間をウロウロしていて欲しいヒーローなのに、地面に堕ちて来たのを見てしまったって思うのです。なんて勝手な言い分なんでしょうか。

dokuroいや、好きなんですよ!もちろんこのエピソードがあって幸せには違いない。

クリスマス・スペシャルみたいなシーンなんて特に!仕事上のおつき合いのレストラードやモリーちゃんまで集まっちゃって!でも誰が招待したんでしょうね。そんな気がまわるのはハドソンさんですか?
もちろん寝起きのシャーロックもバッキンガム宮殿もね。(ところで私はシャーロックはシャワーのあとかとも思ってたんですがそしたら髪が濡れてないのは変ですよね~。それにティーらしきものも飲んでますしねえ。普通、お風呂上がりにティーやコーヒーは飲まないよね。やっぱり寝起きのアッパーシーツなのかな。。。)
それからアイリーンの部下に車で連れて行かれたジョンがマイクロフトのことを「まったくpower complex(権力の誇示って訳だったかな)」って言った台詞の直後に、バタシーの発電所が現れる!あれはロンドン住人なら誰でも知ってるだけでなくピンクフロイドのアルバムカバーにもなっているので世界的に有名ですよね。英語で発電所は普通power stationですけど、大きなビルやその集合体をcomplexというので、あの発電所のことになるわけです。「ほほお!」とにんまりする瞬間。
1/5追記
そうそう、英語と言えば、MOMOさんのブログで色々語りあって気がついたことがありました。字幕や吹替えにもなってない意味。
宮殿でマイクロフトがお茶を入れるシーン:マイクロフト「I'll be mother.お母さん役だ」シャーロック「And there is a whole childhood in a nutshell.紆余曲折の子供時代だった」このI'll be motherは実は慣用句で「お茶を入れますね」という意味なのだとMOMOさんブログのコメント欄に。それでやっとマイクロフトやハリーさんのギョッとした表情に納得できますよね。シャーロックはマイクロフトが「お茶を入れよう」と言ったのにわざと文字通りの意味にとって返事してわざわざ兄弟の軋轢をふさわしくない場面で披露したんですね!な~んてヤナ奴!
そのあと、シャーロックが宮殿を去る時に言った台詞「I'm not the Commonwealth.」これは英国連邦じゃない=愛国者じゃない=女王様に義理はないという意味でしょうが、commonwealthの語源を調べたらcommon good(共通善)だったんです。深読みすると「僕は愛国者じゃないし善人でもない」となって増々シャーロックらしい。追記ここまで


あと、白状しますと、ラストシーン、アラビアのシャーロックですが、私はしばらくあれはシャーロックの妄想だと思っていたのです。すみません、よく考えたら、オチが妄想なんてドラマや映画はあり得ないので自分で却下しました。アイリーンは死んだから、彼女のカメラ・フォンが遺品に欲しかった、と理解したのになあ。手渡したジョンのように。逃して生きていると知ってるのにそれでも欲しいなんてシャーロック~~そこまで好きだったのね。。。。とここでまた勝手な嫉妬心。


素晴らしい作品にケチをつけるつもりはまったくありません。とってもとっても心の奥深くにしみ込んだエピソードでした。でも、そうさせた自分のつまらないこだわりも、書いておきたかっただけです。すごく好きだけど、辛くもあるので。

smile
さ!2日「バスカヴィルの犬」3日「ライヘンバッハ・ヒーロー」と正月から3夜連続なんてNHK素敵!