Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

BFGビッグ・フレンドリー・ジャイアント

2016-09-17 18:04:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


思ってた以上にロンドン、英国、なお話でした。
(原作本を読んでから見るつもりだったのに、児童書なのに、ふがいなくまだ途中で映画が始まったので、これから残りを読みます。)

まず冒頭からしてビッグ・ベンとパーラメントに赤いダブルデッカーがばーーーんとスクリーンに出てきて、パディントンか?ハリー・ポッターか?007か?!とびっくりしました。だって、宣材写真はほとんどが「巨人の国」の森が背景だったし、主人公ソフィーは孤児院に住む女の子、孤児院がロンドン中心部にあるなんて想像しなかったからです。院のすぐ前にはパブがあり、夜中の3時に酔っぱらいが叫んでうろうろするんですから街中ですよねえ。いいな、私もその孤児院に住みたいものだ。(笑)

それは冗談としても、ソフィーは友達がいない不眠症の子なんですが、とてもそうとは思えぬハキハキしたもの言いで、さらわれたジャイアントと友達になり、悪い大きいジャイアントにも負けずに勇敢に問題を解決します。男の子は、100年以上前の子と眠っている子しか出てこないので、冒険は女の子のものです。特にボーイッシュというわけではないのですが、ショートヘアなので中性的な感じもして、よく見ると手足ががっしり大きく胸板厚くて骨太の、白人の子供特有の体型で、衣装はお嬢さんらしいドレスを着ているけど、この役でたまたま女の子だった、というのがいいです。男の子にしても話は何も変えずに進行できそうです。

・・・と、思ったのですが、でもやっぱり、ジャイアントをバッキンガム宮殿に連れて行って、窓から女王と交渉して、女王に軍隊を出動させる話をまとめることができたのは、やはり女の子ならではの手腕だったような気がします。男の子よりもいっそう無力で無害と思わせて、女王と側近の警戒心をとけるのじゃないかな。その辺は、女の子への偏見を逆手に取れて有利。

さて、その女王さまのところへ会いに来る発想がどこから来たかというと、BFGのソフィーの前の友達、ヴィクトリア時代の男の子が持っていた女王の肖像画でした。いやあ、今ドラマで若き女王を見てますから、「おおお!」となりました。そしてその男の子もソフィーが服のサイズが合っているので10歳くらい。そんな子供でもアルバートみたいな金モールのついた軍服を着ていたことに感心して映画館で一人ニヤニヤしました。

女王に朝食に招かれたソフィーとジャイアントのシーンが、絶好調に英国してまして、『イギリスで美味しい食事を食べたかったら朝食を・・・』というフレーズが頭に浮かび、トースト、卵料理、イチゴとクリーム、シリアルらしきもの、ポリッジらしきもの、そしてスコーンにコーヒーにティー!!ハーハーゼーゼー。。。。

この時、脳内ではマザー・グースの「プシー・キャット、プシー・キャット、どこへ行ってたの。ロンドンまで女王様に会いにいったの。」の歌がかかっていましたね。そう、イギリスのおとぎ話では、女王様に市井のものが会いに行っちゃう。

そして、人食い巨人を征伐に、女王様が兵隊さんを出してくれるんです。ね、英国でしょう?戦争に負けたことがない国にとっては、君主と軍隊は正義の味方ということに疑いがなく、おとぎ話が生きているんだな~と羨ましくなってしまいました。

しかし勝つ者がいるということは、負ける者もまた・・・「BFG」では、悪く大きいジャイアンツなんですけれども、私は負けた方の身になってちょっと何よ、とも思ったのですが、ジャイアントとは日本人にとっては鬼ヶ島の鬼のように感情移入する対象ではない絶対悪なんだろうな、と理屈を合わせました。

マーク・ライアンスがモーション・キャプチャをしたというBFGの動きは、特に街中で闇に紛れる身のこなしが華麗でした。さすが、歌舞伎や能も研究していただけある(笑)。そんな彼も大きな宮殿とはいえ室内に入った時には身の置き場がなく四苦八苦、ルイ14世のシャンデリアを落として壊してしまいましたけど(笑)。

ダウントン・アビーのマシューの母役ペネロープ・ウィルトンが女王役だったので、なぜか庶民派の女王なような気がしました。そして女王付きの使用人(?)メアリー、絶対知っている顔だ、と思いながら、エンドクレジットでレベッカ・ホールと名前が出るまでわからなかったです。

途中までしか読んでないけど、BFGは学校にも行ってないし話す人もほとんどいないので、変なしゃべり方なんです。例えばbe動詞が全部isになるとか。それを日本語に置き換えるの、翻訳者さん一苦労だったろうなあと察します。悪いジャイアントの名前もカタカナ置き換えじゃなくて日本語の語感に合うように変えてあるんですよ。松浦美奈さんでした。










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2 コメント

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Unknown (hedgehog)
2016-09-19 20:55:09
しましまさん

ファンタジー色の強い巨人たちの世界の辺りは正直ちょっと退屈したりもしたのですが、女王陛下登場から一気にテンションが上がりました。あの朝食、たまらんですね。しかも、ソフィーがちょっと人目を気にしながら真っ先にクリーム付きのイチゴに手を伸ばす辺り、最高。原作はまったく手つかずなので、この行動が原作通りなのか、はたまたスピルバーグの演出なのか分からないのが歯がゆいです。

>例えばbe動詞が全部isになるとか。

ええっ、そうだったんですか。映画を見ていても全然聴き取れてなかった……(汗)。
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Unknown (しましま)
2016-09-20 08:54:21
hedgehogさん

そうそう、巨人の国は嫌ですよね~
ソフィーが孤児院が最低と思ってもあそこよりはいいと思うのも納得です。
私は巨人の国で居眠りしてしまいました。

まだ読書が進んでなくて、女王陛下のシーンまで行き着いてません。
頑張って読みすすまねば。
最初の方は、巨人の現れ方など映画用の脚色がいい効果でした。
夜の街の巨人の姿は原作には描写されてないんです。

BFGの喋りはあとダールの造語がとても多いです。
・・・と思います。
ただ読んでるだけでは時々造語なのか単に私の知らない単語なのか
確信はないけど、多分!
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