満席でしたが、1列おきの販売だったのでソーシャルディスタンスまあまあで見れました。往復も通勤ラッシュの間11時ごろと4時ごろでリスク回避・・・できてるはず・・・
ディズニーアニメ「101匹わんちゃん」の前日譚ということで、話もキャラもわかりやすいです。しかしファッションデザイナーの話という点では、UKアバンギャルドデザイナーとしてヴィヴィアン・ウエストウッドやアレクサンダー・マックイーンを彷彿とさせる反骨とゴージャスさ、さらにキャンプなヴィンテージが楽しめ、舞台が1970年代ロンドンなのでサウンドトラックがロックで楽しさに満ちた作品でした。
もともとアニメは1961年制作なので、その前の話が70年代のわけはないので、ここにはパンクの登場で音楽とファッションに衝撃が走った時と場所を選んだ意図が見えます。
2つ前の記事では、予告編から少女時代のクルエラはアートスクール生だと思ったことを書きましたが、残念、クルエラは自分の過失で母を死なせて12歳で孤児になり、同じ境遇の少年窃盗コンビに拾われて大人になったのでした。彼女のファッションデザインは、独学で泥棒用のコスチューム作成で技が磨かれたという設定です。
クルエラは本名をエステラといい、生まれつき髪が半分ずつ白黒で目立ち、幼い頃からファッションセンスとルール無視の行動で小学校を退学になりますが、いつでもエステラの味方をしてくれた優しい母がいました。
前半は、この母の教え「目立たぬよう、いい子でいること」を守りきれず、こっそり車を抜け出したことが元で母を死なせてしまったエステラが罪悪感を持ち続けて本来の型破りな自分を解放できない=「母の呪いと自我の戦い」の話なのかと思って見てました。
ところがそういう話ではなくて、母を死に導いたのは本当は自分ではなく別の犯人がいると知ったエステラが、復讐心から自分の中のヴィランを解放する、というように後半は展開します。
世間ではクルエラは最初からヴィランなので(名前もクルエラ・デ・ヴィル)いよいよ彼女が本領発揮か、というところなのでしょうが、
単体の話として見ると、エステラがクルエラになったら急に仲間のジャスパーとホレイスを子分扱いし出して、彼らもだんだん愛想をつかすのですが、母を殺した犯人こそが、自分の生みの親だったとクルエラが告白したことでジャスパーたちがそれを許して子分に成り下がる、という展開には無理を感じます。
ゴールが決まってるから仕方ないにしても、特にジャスパーなんか出会いの時からエステラのことを気に入っていて恋愛心も抱いていたと思うので、もう少しこの3人の心のつながりに突っ込んで欲しかった。
本当のヴィランはトップデザイナーのエマ・トンプソンなので、ヴィランの物語とはいえクルエラは実はヴィランではないのもちょっと妙な感じ。
とはいえ、ファッションのシーンは過激さとゴージャスさがキャンプで圧巻です。
濃いキャラに隠れて、ヴィンテージ・ファッション・ブティックのアーティーがちょっと存在感を強調されてないのですが、演じたのはジョン・マクリーといい、登場のシーンが1番強烈ですが、70年代ディヴィッド・ボウイ張りのファッションとヘアメイクでアンドロジナスさがかっこよく、それもそのはず、ドラァグミュージカル「ジェイミー/Everybody's Talking About Jamei」にも出ているようです。
エマ・ストーンはゴシックな役がとても似合ってかわいいですが、この映画のために痩せた?12歳のエステラを演じた子役ちゃんもとてもかわいいです。将来が楽しみです。
音楽も70年代のヒット曲とエンディングテーマのフロレンス+マシーンの新曲どちらもキュンです。この映画にピッタリの「I Wanna Be Your Dog」というストゥージーズの曲も出てくるんですが、クレジット見たらジョン・マクリーと書いてあり、ああ、劇中のファッションショーで本当に彼が歌っていたのか!
家族のような関係なのか、大事にしてきた女の子なのか、距離感が分かりませんでした。
ファッションに疎い私でも楽しめるくらいコーディネートが素敵でした。
あとはワンコが半分は持って行きました。
>>ワンコが半分は持って行きました
ネズミ犬が最高でした!
ダルメシアンたちはいつの間にクルエラになついてしまったのか
よくわかりませんでした(涙)