よく消費税は「逆進的」と言われるが、本当だろうか。
「逆進的」とはどういうことか。以前は、累進率のある所得税に比べて低所得者に負担感が重いというくらいの意味で漠然と使われたこともあったが、最近は、稼ぎに対する税金の比率が低所得者ほど高くなるという意味で使われることが多いようだ。
消費税は使った金額に比例するから、比率は一定と考えてよさそうなものだが、実際には低所得者のほうが高額所得者より消費性向(稼ぎのうちどれだけを使うか)が高いから、低所得者のほうが稼ぎに対して高率の消費税を払うことになる。谷垣財務大臣も消費税が「逆進的だという指摘は事実」と認めたらしい。
だがこの考え方は的を得ていないのではないか。消費しなかった稼ぎは貯蓄になるが、貯蓄もいつかは消費税を払って使わねばならない。あまり気付かれていないようだが、消費税は現在の貯蓄の価値を低下させるのである。
海外で使えば日本の消費税はかからないから、海外でよく消費する人ほど得すると言えるかもしれない(もっとも海外では日本以上に消費税が高いことが多いが)。また自宅の家賃や土地購入費など、消費税がかからない支出が多い人は得である。ただ、こうした影響は限定的だ。
やはり消費税は稼ぎにほぼ比例した税金であり、累進的でも逆進的でもないということになる。累進率のある所得税よりは低所得者に厳しいが、かといって国民年金の掛け金のように逆進的というわけでもない。
消費税が誰に厳しいかというと、むしろポイントは貯蓄の多さである。ここ20年ほど、所得税は下がり、消費税は上がる傾向にある。そうすると高額貯蓄者は、過去に高い所得税を払って貯蓄したお金を、今度は高い消費税を払って使わねばならない。税金を二重取りされるようなものだ。だから消費税は高額貯蓄者に厳しく、文字どおり「金持ち」冷遇の側面がある。
結局、消費税増税は低収入の高額貯蓄者(たとえば貯金の多い高齢者)に厳しく、高収入の低貯蓄者(たとえばローンを抱えた中堅世代)に優しいといえるだろう。
「逆進的」とはどういうことか。以前は、累進率のある所得税に比べて低所得者に負担感が重いというくらいの意味で漠然と使われたこともあったが、最近は、稼ぎに対する税金の比率が低所得者ほど高くなるという意味で使われることが多いようだ。
消費税は使った金額に比例するから、比率は一定と考えてよさそうなものだが、実際には低所得者のほうが高額所得者より消費性向(稼ぎのうちどれだけを使うか)が高いから、低所得者のほうが稼ぎに対して高率の消費税を払うことになる。谷垣財務大臣も消費税が「逆進的だという指摘は事実」と認めたらしい。
だがこの考え方は的を得ていないのではないか。消費しなかった稼ぎは貯蓄になるが、貯蓄もいつかは消費税を払って使わねばならない。あまり気付かれていないようだが、消費税は現在の貯蓄の価値を低下させるのである。
海外で使えば日本の消費税はかからないから、海外でよく消費する人ほど得すると言えるかもしれない(もっとも海外では日本以上に消費税が高いことが多いが)。また自宅の家賃や土地購入費など、消費税がかからない支出が多い人は得である。ただ、こうした影響は限定的だ。
やはり消費税は稼ぎにほぼ比例した税金であり、累進的でも逆進的でもないということになる。累進率のある所得税よりは低所得者に厳しいが、かといって国民年金の掛け金のように逆進的というわけでもない。
消費税が誰に厳しいかというと、むしろポイントは貯蓄の多さである。ここ20年ほど、所得税は下がり、消費税は上がる傾向にある。そうすると高額貯蓄者は、過去に高い所得税を払って貯蓄したお金を、今度は高い消費税を払って使わねばならない。税金を二重取りされるようなものだ。だから消費税は高額貯蓄者に厳しく、文字どおり「金持ち」冷遇の側面がある。
結局、消費税増税は低収入の高額貯蓄者(たとえば貯金の多い高齢者)に厳しく、高収入の低貯蓄者(たとえばローンを抱えた中堅世代)に優しいといえるだろう。