政治・経済に関する雑記

なるべく独自の視点で、簡潔・公平に書きたいと思っています。

欲望の飽和

2016-12-17 00:22:50 | 経済制度
アベノミクスで金融緩和を続けてもインフレ率が上昇しない。他の先進国もおしなべて金融緩和なのに低インフレである。ただ金余りになる。なぜだろうか。発展途上国からの輸入の増加が一因としても、主因は先進国での供給がもう十分過ぎるからではないか。安くていいものが溢れていて欲しいものがない。需要が足りず仕事は不足する。

これは一過性の現象ではないだろう。たいして働かなくても皆が十分に食っていけるユートピアとも言える。資本主義社会は欲望を創出し続けてきたが、ついに息切れの兆候が一部に見えてきたのではないか。

日本政府の借金を考えたらインフレにしなければならないし、デフレは格差拡大の元凶でもある。だがインフレにするのが難しい。消費者物価は上がらず、不動産、株、金などの「資産」ばかりが高くなる。いわゆる資産インフレである。思えば平成バブルのときからそうだった。

皆が十分に食っていける世の中では、人の関心は分配や格差に向かう。インフレにならなければ格差は拡大する一方だが、それができない。もうそうなると抜本的な解決策は相続税や資産課税しかないだろう。しかしそれらは資産の海外逃避を招く。国際協調して課税すればよいが近い将来そんなことはまったく無理そうだ。

いつの世でも過去に例のない新しい局面に向かわなければならない。将来の展望は難しい。

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