【東方】ある日の天狗の会話

「おい。いるか？」

『おお、いるぞ』

「今、何してた？」

『いやいや、ついに来る春に向けて、これまで香霖堂に関して書いた記事を読み返してたのさ。春にゃ真っ先に号外を出してやるぜ』

「……そうか」

『で？　何か用か？　事件か？』

「ああ、そうだな……いいニュースと悪いニュースがあるんだが、どっちから聞きたい？」

『なんだそりゃ。わざわざ家までたずねてくるようなでかいニュースなのか？　――そうだな、いいニュースから頼む』

「東方香霖堂の書籍化について、新しい情報が発表された」

『おお、そりゃ確かにいい報せだな！』

「東方香霖堂の発売が、再度延期されることになったってのが、その内容だ――悪いニュースはこれだ」

『……なんだって？　発売延期？　……おいおい待ってくれよ。嘘だろ？』

「…………」

『なんだよそりゃ。今度こそ春が来るんじゃなかったのかよ。そのはずだっただろう？』

「春は、来ないだろう」

『畜生め……俺たち天狗は二年待ったんだぞ……いつまでたってもやってこない2008年春を、二年だ！』

「無念なことだが、これが現実だ」

『何でだよ。何でこんなことになった？　最初っから決まってたのか？　ただ期待を持たせるためだけの、狂言だったってのかよ？』

「別にそう決まったわけじゃない。本当に、何かしらのトラブルが発生して少し延期になっただけかもしれない」

『春は……春はいつ来るんだよぉ……』

「今は耐えるんだ。東方関連の書籍がなかなか出なくてやきもきするなんてのは、いつものことだろう……！」

『ならせめて、次の予定を発表するくらししてくれたっていいだろ……これじゃ、ほんとにただ生殺しにされただけじゃねえか……』

「大丈夫さ。俺たち天狗は二年待ったと、さっき言っていただろう。今度もまた待つだけだ……いつまでも、待つだけだ」

『春は、いつ来るんだろうなぁ』

「いつか来るさ。いつか……」










　無駄に期待を煽られただけでしたね。

（正式延期なのかどうかも、現時点じゃと曖昧じゃがな）

　なんにせよ、弄ばれたという気持ちが強くて。

　待つだけならいつまででも待ってやるってなもんですが、本当に出てくれると確約してもらいたいものです。

（改めて発表したわけじゃし、書籍化そのものは確実と思うがのー）

　そうであってほしいですねぇ。