なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

総胆管結石のはず

2022年10月21日 | Weblog

 先々週に、96歳女性がまた食欲不振とだるさで入院していた。またというのは、6月末にも同じ症状で入院していて、当方が担当していた。点滴を3日して、あとは特に何をするというでもない入院で、7月半ば過ぎに退院した。

 ふだんは、当院勤務から開業した循環器科医のクリニックに通院している。この年齢でも心気的な訴えが多く、入院すると軽快するようだ。

 いずれもクリニックから入院依頼が来ての入院だった。本人と家族に希望されての入院依頼だが、診ている先生は心気的な訴えを嫌う方で、面倒?なのですぐに紹介してくるのだった。(別のクリニックには元心療内科医がいて、心気的訴えを診るのをさほど苦にしない)

 

 今回は受診した午後の内科外来を担当していた腎臓内科医が入院にしていた。前回の入院サマリーを診て、経過をみて退院にできると思ったのだろう。

 ところが今週の月曜日(連休の3日目)から腹痛を訴えた。血液検査で炎症反応の上昇・肝機能障害・血清アミラーゼの上昇を認めた。腹部CT(単純)で膵頭部の腫脹と周囲の炎症像を認めた(放射線科の読影で指摘されないが、ある)。

 経過からは総胆管結石・急性胆管炎となる。点滴・抗菌薬・フサン投与が開始された。3日後の検査で軽快して、今週の月曜に検査では肝機能はほぼ正常域になっていた。

 病棟で腎臓内科医に会った時に、たぶん総胆管結石が一瞬詰まって、うまく落ちた可能性がありますと伝えた。MRCPがとれれば診ておいた方がと勧めた。結果は総胆管に結石は指摘できなかった。小結石が残っている可能性もあるが、あとは経過観察しかない。

 

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S状結腸癌術後再発

2022年10月20日 | Weblog

 10月11日(火)に記載した、地域の基幹病院の消化器内科から問い合わせがあった患者さんのその後。

 その日たまたま外来に来ていた元主治医の外科医(現在は他病院勤務で、当院は週1回バイト)に、診療情報提供書を書いてもらってFAXで送った。すると翌日(水)に転院の依頼が来た。木曜日は当方が夏休み分で不在だったので、金曜日に転院とした。

 

 診断は、S状結腸癌術後・多発性肝転移・多発性肺転移・腎盂腎炎となっていた。発熱の原因、は左尿管が大動脈周囲の腫瘍(一塊となったリンパ節転移?)で閉塞して水腎症・尿管拡張を呈していることから、腎盂腎炎としたようだ。

 スルペラゾン(CPZ/SBT)で解熱しないので、抗菌薬はメロペネムに変更したとあった。転院時も発熱は続いていた。

 「癌としては予後1~3か月で、感染症が悪化すれば数日単位で急変の可能性もあると、説明している。急変時はDN(A)Rの方針となっている。」と記載されていた。

 先方の病院では末梢静脈からの点滴をしていたようだ。外科医はポートを留置していたが、今年の1月に受診してから中断していたので、病棟の看護師さんとポートを使えるかどうかという話になった。

 ポート感染も否定できないので、血液培養2セットを提出した。ポートから点滴するとスムーズにできたので、そのまま使用することにした。

  

 転院後もメロペネムを継続したが、発熱が続いていた。腫瘍熱の可能性もあり、NSAIDs(ナイキサン)を開始すると、解熱してきた(併用なので抗菌薬の効果か判断しがたいが)。

 癌終末期などに出している特別食(食べやすそうな食事を少量ずつ組み合わせたもの)を出していたが、食べられるようになってきた。

 

 昨年度の夏休みは忙しくて1日しかとれなかった。今年度は4日間とることにしたが、連続では取れず、1日だけを4回となった。一応消化した。

 

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急性細菌性前立腺炎

2022年10月19日 | Weblog

 月曜日に発熱患者の救急搬入を受けた内科の別の先生から、まだ検査結果が出ていないが、その後を診てほしいといわれた。その日の午後はコロナワクチンの問診があり、午後1時までに会場に行かなければならなかった。(戻ってくるのは午後5時前)

 73歳男性で、日曜日にも発熱と嘔吐で救急外来を受診していた。日直医(外部の先生)がコロナの抗原定性試験陰性として、げ解熱薬を処方していた。

 発熱は40℃で悪寒があり、歯がガチガチとはならなかったそうだが、毛布をかぶっても治まらないので悪寒戦慄といっていい。年齢的にも細菌感染による敗血症が疑われる。

 

 発熱以外の症状はなかった。嘔吐は高熱と悪寒戦慄に伴ったもので消化器症状とはとれない。めまいも訴えたが、それも発熱に伴うふらつきだった。

 検査結果を確認すると、胸部X線・CTで肺炎像はなかった。尿所見も正常だった。肝機能障害はなく、CTで胆嚢内に小結石があったが、胆嚢腫大はない。

 今年の1月まで当院の泌尿器科外来に通院していた(担当医は大学病院からの出張)。健診で血清PSA が正常域を越えていた。フォローでもPSA値が5~6で推移していた。

 生検目的で地域の基幹病院の泌尿器科に紹介された。ただPSA横ばいで、生検には至っていなかった。9月の検査でも同様の値だったそうだ。

 CTで前立腺肥大と石灰化はある。血清PSA を追加すると11ng/mlとふだんより高かった。他疾患が除外されればだが、急性細菌性前立腺炎が疑われた。直聴診をしたが、前立腺に圧痛はないといわれた。

 尿検査の時に尿培養も提出されていた。血液培養2セットを追加して、入院とした。胆嚢が気になったので、腹部エコーを追加した。胆嚢内にdebrisが目立つ。しかしエコープローベで胆嚢を押しても全く痛みはない(呼吸も普通にできる)。

 前立腺炎だと通常はセフトリアキソンだが、胆嚢内のdebrisが気になるので、ニューキノロンのクラビット点滴静注にした。

 入院日の朝方まで高熱があったが、翌火曜日に病室に行った時には解熱していた。「今は楽です」、といわれた。細菌検査室から血液培養2セット4本からグラム陰性桿菌が検出されたと報告がきた。

 

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非代償性アルコール性肝硬変

2022年10月18日 | Weblog

 先週の金曜日の午後に内科外来の看護師さんから、消化器科の外来に通院している肝硬変の女性を診てもらえないか、と連絡がきた。食べられない、動けないという症状で受診を希望しているそうだ。

 消化器科は?、と訊くと、今日は診られないといっています、という。次週は消化器科医は夏休みの予定だった。(6月から10月までの間に4日間とれる)入院になると、1週間は診られないということだろうと思った。

 「今年は四国に旅行に行く」と言って喜んでいたので、当方が入院で診ることにした。実際は夏休みの分の診療を前の週に入れていたので、金曜日の午後も外来をずっとやっていて追加で診るのも難しい状況だった。

 

 患者さんは73歳女性で、非代償性アルコール性肝硬変だった。食べられない、動けないとして夫が連れてきたのだった。今はアルコールは?、と訊くと、患者さんは答えない。夫は隠れて飲んでいるかもしれないという。

 初診は2005年で出血傾向で他院から紹介されて受診している(56歳時)。腹水・下腿浮腫もあった。消化器科で入院して、軽快退院していた。その後通院していたが、2019年から来なくなった。

 精神的な症状を訴えて、数か所の精神科を受診していたらしいが、まずは内科の問題(肝硬変)といわれたようだ。今年の6月からまた消化器科の外来に通院していた。

 肝機能から診ると、最近も飲んでいるようだ。血清アンモニアも上昇していて、小声で会話は可能だが、話し方はぼんやりした印象がある。CTで胸水・腹水の貯留はなかった。

 

 6月に受診した時の検査で腫瘍マーカー(CEA/CA19-9)が高かった。再検すると漸増(微増?)していた。糖尿病もあるが、DPP4阻害薬とメトホルミンでHbA1c6.5%と良好だった。低カリウム血症が続いていて、その日も2.2と低かった。

 単純CTだけなのでわからないが、膵頭部・鉤部があやしいか。点滴・電解質補正などをしてから、造影CTやMRで精査することにした。

 入院後は、3日目の日曜日から食事摂取できるようになってきた。肝機能も月曜日の検査では入院時より少し軽減している。(カリウムも3.3になった)

 

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陰性症状

2022年10月17日 | Weblog

 9月20日にあまり食べられない、動こうとしないという訴えで、26歳男性が救急搬入された。

 急激な変化ではなく、少なくともここ数年は同じような状態だった。やせて、筋力は(廃用で)低下しているようだ。

 家族が市内の精神科病院に相談すると、10月11日に外来受診予約となった。その日も診てもらえないかと連絡したが、内科的な異常がないか検査してからでないと診察できない、といわれたそうだ。

 

 工業高校を卒業してからは、ずっと家に閉じこもっていた。アルバイトを数日した以外(続けられなかったか、雇い主から断られたか)、家でというより自室で過ごしていた。

 開眼していて、問いかけると小声でひとことくらい答えてくれる。幻覚・妄想があるか訊いたが、はっきりした返事はなかった。診察した限りでは身体的な異常がなさそうだが、指示が入らないのでよくわからない。

 精神科病院に診療情報提供書を提出するので、一通りの検査を行った。頭部CT・胸腹部CTは異常がなかった。血液検査は甲状腺機能なども含めてまったく異常はなかった。統合失調症の陰性症状を見ているのかと思われた。

  

 家族(両親)に幻覚・妄想の有無があるか訊いてみたが、わからないらしい(言いたくなかったのかもしれない)。身体的には異常がないこと、年齢的には統合失調症かどうかになることを両親に伝えた。

 緊急性はなく、内科で検査した結果を診療情報提供書に記載したので、精神科受診時に提出してもらうことにした。あとは精神科の診察の結果を待つしかない。 

 

 結局予約日に受診したようだ。受診拒否があるかもしれないと思ったが、本人にはそこまでの考えもなかったのだろう。精神科医から、「統合失調症と思われます。内科的な検査をしてもらってありがとうございます。」という簡単な返事(はがき)が届いた。

 

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せいるかこくさいびょういん

2022年10月16日 | Weblog

 聖路加国際病院は「せいるかこくさいびょういん」で「せいろかこくさいびょういん」ではない。

 新約聖書の「聖ルカによる福音書」のルカで、英語だとルークLukeになる。ルカはパウロの弟子で、医師だったそうだ。(聖路加国際病院 St. Luke's International Hospital)

 「せいるか」は言いにくいのと、「路」の字に引っ張られて「せいろか」と言ってしまう。パソコンの入力でも「せいろか」と打つとちゃんと「聖路加」が出てくる。

 

 歌手の本田路津子(ほんだるつこ)さんは、聖書に出てくる女性名ルツ(聖書では正式には路律)から名づけられたそうだ。路は「ろ」としか読まないはずだが、聖書では「留」など他の字ではなく、路をあてたのはなぜなのだろうか。(本田路津子さんは、もう古い人しかわからないだろう)

 GOLDEN☆BEST 本田路津子

 聖路加国際病院は昔から病院として一流だったとして、初期研修病院として有名になったのはいつごろからなのだろうか。

 当方が初期研修をした昔々は、東京の東京都済生会中央病院が人気の研修病院だった。当院に以前いた腫瘍内科の先生は、済生会中央病院で初期研修を行っていて、やっぱり優秀な先生は初期研修から違うと思ったものだ。(当時はアメリカ帰りの北原光夫先生が人気だった)

 

聖書がわかれば世界が見える (SB新書 596)

 福音書でルカが出た時に、聖路加の話を入れるところなどは、さすがに池上彰さんはうまい。

 

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溢水

2022年10月15日 | Weblog

 金曜日の午前中は救急当番だった。さっそく午前8時半すぎに救急隊から連絡がきた。当院で血液透析を受けている患者さんが呼吸困難を訴えているという。

 その日は透析日(月・水・金のコース)で、自宅から病院に出かけようとして、10分くらい歩いて急に症状が出たそうだ。ふだんの病状がわからないが、単純に考えれば水分が多すぎる?になる。酸素飽和度が70%台で、酸素吸入を開始して、95%はとれるそうだ。

 37.5℃の発熱があったので、発熱外来扱いでコロナの検査をしてから(陰性)、救急室に来てもらった。喘鳴があり、両下肢に浮腫を認めた。血圧は200mmHg以上ということだったが、180程度になっていた。

 血液検査を提出して、画像検査・心電図を行った。胸部X線・CTでは両側肺野に肺水腫と胸水貯留を認めた。心電図は特に問題なかった。炎症反応もCRP0.2で肺炎は否定的だった。BNPは1028と著明に上昇している。

 

 搬入前に透析担当の腎臓内科の若い先生に、透析患者さんが搬入されると報告していた。画像検査をするころには、透析室の看護師長さんも様子を見に来ていた。

 「やはり水分が多すぎるようです」と伝えると、「すみません、お世話様です」とストレッチャーに乗った患者さんを透析室に連れて行った。

 午後に、病室で腎臓内科の先生に会った。その日と翌日に連続して透析するそうだ。通常ならば、急性心不全となるところだが、この場合は「溢水(いっすい)」なのだった。

 

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面会制限

2022年10月14日 | Weblog

 現時点でも、原則的には(ほぼ?)すべての病院が面会制限を行っている。

 大学病院の緩和医療の教授が、面会制限について記載していた。大学病院も原則面会禁止になっているが、重篤な病状の患者さんの場合は各診療科の判断で「特例として」家族との面会を許可しているそうだ。

 緩和ケア病棟に入院している患者さんは、終末期のがん患者さんなので、ほぼ全員が「特例」に該当するが、家族3名に限って面会を許可してきたそうだ。

 緩和ケア病棟ならではの、長時間の面会、というか付き添いも、PCR検査陰性(1回だけ)を条件に許可していたというのはちょっと驚いた。

 感染者の多い(多かった?)首都圏からの面会や若年者の面会は禁止していたが、その地域の縛りは撤廃されたという。

 

 当院はどうかというと、重篤な病状の患者さんの場合は、「個室入院」で「少数の家族」の「短時間(10分くらい)」の面会を許可てきた。

 がんの終末期の患者さんが多いが、重度の誤嚥性肺炎や超高齢の老衰の患者さんも許可していた。回数は特に決めていないが、一度面会して1週間持ちこたえた時には、また面会に来たりしている。

 自称「県内で一番緩い面会基準」で行ってきた。当院では職員がコロナに感染したり(一度に2~3名まであった)、家族に罹罹患者がいて濃厚接触者として自宅待機になったりはしてきた。

 それでも、いわゆるクラスターの発生はなく、診療制限(外来診療の休止)や入院の受け入れ制限をしたことはない。感染対策がよくできているということではなく、単なるラッキーだと認識している。(感染管理ナースが2名いるというのはある)

 

 家族の短時間の面会で感染するのはあまりなさそうだ。大抵はコロナに罹患した職員の院内持ち込みか、コロナと思わないで入院した患者さんからクラスターが発生していると思われる。

 病院としての対応を、病院独自の判断で決めることはない。大抵のことは周辺の病院、県内の病院の状況を確認して、追随する形で決めている。何か病院として決めることが出てくると、事務の担当職員が他の病院に電話で対応を訊きまくるのが通例だ。

 

 以前は首都圏からの面会は禁止としていた。首都圏というのは、東京・埼玉・神奈川でいいのだろうか。関東圏とするのは違うと思う。茨城県水戸市から面会に来たいという話があり、茨城県の方が当県よりコロナ発生は少ないのでいいんじゃないかということになった。いったい何を議論しているのだろうか、と思ってしまう。

 

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血液培養からGPCが検出

2022年10月13日 | Weblog

 9月16日にがんセンターから85歳男性が転院してきた。COVID-19に罹患して、数日後に悪化して入院となっていた。コロナ自体は治癒したが、食事摂取ができなかった。

 がんセンターは当初は、他の高次医療機関がCOVID-19対応で癌患者を診る余裕がなくなった時に、癌患者を引き受けることにして、コロナには対応しないことになっていた。その後、感染病棟逼迫で、がんセンターも緩和ケア病棟をそのまま感染病棟に替えて診療するように変わった。

 内科の若い先生に転院後の治療をお願していた。点滴を継続して、嚥下訓練を行っていたが、経口摂取は無理と判断された。消化器科医に内視鏡的胃瘻造設術(PEG)が依頼された。いつものコンビ(消化器科医と当方)で胃瘻造設を行った。

 

 転院後の9月22日に発熱があった。その日から数日内科の若い先生が不在だったので、血液培養2セットと尿培養を提出して抗菌薬を開始していた。胸部X線で明らかな肺炎像はなく、尿路感染症疑いだった。

 意外にも血液培養2セットからStaphylococcus epidermidisが検出された。抗菌薬の感受性は良好で、MSCNS(MSSE)だった。セフトリアキソンで開始していたが、主治医はセファゾリンに変更して継続していた。

 その後解熱して経過は良かったが、10月3日にまた発熱があり、血液培養2セットが提出された。胸部CTで左肺下肺野背側に軽度に陰影があり、肺炎として治療(ゾシンPIPC/TAZ)を開始していた。

 血液培養2セットから、今度はStaphylococcus haemolyticusが検出された。こちらはMRCNSだった。末梢静脈から点滴を継続しているが(数日で入れ替え)、末梢静脈カテーテル関連血流感染症なのだろうか。心エコーでは明らかな疣贅はなかった。

 

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心不全

2022年10月12日 | Weblog

 連休最終日の10日に、神経内科外来に通院している82歳男性が救急搬入された。日直の内科の若い先生が対応した。

 2003年に急性心筋梗塞で循環器科(当時)に入院して、PCIを受けていた。2006年に脳梗塞で神経内科に入院して、そのまま神経内科の外来に通院を継続していた。

 10月4日に脱力で神経内科の外来を予約外で受診していた。検査でそれほど変わりないとされたが、両側胸水貯留があり、心不全が悪化し始めていたようだ。

 

 10日の救急搬入時には両側胸水が増加して、肺うっ血・水腫も認めていた。両側肺炎として入院して、抗菌薬が開始された。利尿薬などの投与がなかったが、入院時の酸素投与10L/分が、入院後は4L/分まで減量できていた。

 点滴して循環が良くなったということなのかもしれない。肺炎と心不全はしばしば合併して、鑑別し難いこともあるが、(比率はいろいろだが、両方ある)、通常は肺炎と心不全両者の治療を併用する。

 今回は通常のBNP400~500が、最初に予約外で受診した時は700、入院した時は1000に上昇していたので、基本的には心不全メインなのだろう。うっ血肝による肝機能障害もあった。

 心原性酵素も上昇しているが、もともと完全右脚ブロックがあって、ふだんとの違いは指摘できなかった。心エコーは追加して、心不全の治療もしてもらおう。

 

 COPDの肺炎による増悪として治療を開始して(喘鳴著明で抗菌薬とデキサメサゾン投与)、デキサメサゾンが効いたのか、利尿がついて一気に改善したことがあった。(肺性心があった)

 

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