なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血液培養で腸球菌

2015年07月22日 | Weblog

 83歳女性が先週発熱で入院した。先々月から歯科で7本抜歯したという経緯があり、感染心内膜炎を疑って血液培養を提出していた。結果は3セット全部から腸球菌Enterococcus faecalisが検出された。心エコー(経胸壁)で明らかな疣贅は指摘できなかったが、他に感染巣はなさそうで心内膜炎と判断された。

 当直医は肺炎?で入院させたので、入院した夜に1回ユナシンSを点滴静注してもらった。翌日から誤嚥性肺炎をきたす方ではないだろうと判断して、市中肺炎としてセフトリアキソンを開始していた。心膜炎疑いとなっても、翌日から解熱していたので、Streptococcusかなと思っていた。その後の血液検査で白血球数は正常化してCRPの数値も改善していた。患者さん自身も体調が良くなり、自分では退院も考えていた。腸球菌にセフトリアキソンは無効のはずだが、これはどう解釈したらいいのか。菌名が判明してからは、ABPC(ビクシリン)とGM(ゲンタマイシン)に変更している。経食道エコーができる病院に紹介した方がいいのか。

 一昨日の三連休最終日の当直で、79歳女性が突発した頭痛で救急外来を受診した。頭部CTで相当にひどいくも膜下出血だった。当直の消化器科医が診て、脳外科の搬送先を当たった。一番近い当地域の基幹病院に電話したところ、40分くらいたってから受け入れできませんと断られた(ダメならダメと早く言ってほしいと怒っていた)。その後に連絡した脳外科メインの病院が受け入れてくれたそうだ。搬送先の病院に着いた頃は自発呼吸があやしくなったというが、気管挿管・人工呼吸になったのだろうか。画像を見ると本当にひどいSAHだ。

 

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