なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

悪性リンパ腫

2018年12月04日 | Weblog

 今年の7月に地域の基幹病院腫瘍内科から73歳女性が紹介されてきた。昨年から悪性リンパ腫(濾胞性リンパ腫)で経過をみていたが、今後は当院に外来フォローから終末期の入院までお願いしたいという内容だった。

 昨年の7月に下肢の浮腫で内科医院を受診した。病院に依頼したCTで両側腋窩・傍腹部大動脈・鼠径部のリンパ節腫脹を認めて、リンパ腫が疑われた。腫瘍内科に紹介されて、リンパ節生検で濾胞性リンパ腫と診断された。

 患者さんは化学療法は希望せず、ステロイド(プレドニン10mg/日)を処方したところ、下肢の浮腫は軽減したそうだ。ただこの患者さんは認知症があり、病状を理解できない。面倒なことはしたくない、ということだったようだ。

 7月から当院内科外来に通院していた。左下顎のリンパ節腫脹を気にしていたが、食事摂取には支障なかった。患者さんは独居(独身)で近くに住んでいる兄弟が連れてきてくれた。

 先月から両側下肢浮腫が悪化して、CTでみると傍大動脈・鼠径部のリンパ節の腫大が進行していた。その時点ではまだ食欲があったが(入院はしたくないと言われた)、今月になって食欲が低下してきた。下肢の浮腫も変わらない。

 入院しますかというと、今日はいやだという。今日も付き添ってきた兄弟があきれるくらいに、この日はだめでこの日ならいいがやっぱりだめでと言い続けて、結局明後日入院するということになった。

 こういう場合はできるだけ長く自宅で過ごすことを優先的に考えるが、あまり長く自宅にいると急変して心肺停止で救急搬入になることがある。

 治るまでどのくらいかかりますか、と何度も訊いていたので、自分の病状はわかっていない。かえっていいのかもしれない。看護師さんが入院の準備について説明している時に、兄弟の方をよんでお話しすると、「もうわかってますから。明後日は間違いなく連れてきます。」と言われた。

 

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