なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

そこはやっぱり自社製品を宣伝

2015年07月24日 | Weblog

 昨日は院内勉強会があり、テーマはPEG(内視鏡的胃瘻造設術)だった。院内のNSTが主催で、講師はオリンパスの方と大塚製薬の方だった。

 PEGカテーテルには胃壁の固定でバルーン型とバンパー型、体外の固定・接続でチューブ型とボタン型がある。バルーン型に比べて、入れ替えの時の疼痛がややバンパー型の方が強いが、事故抜去のリスクは低い。チューブ型に比べて、ボタン型は接続の点で面倒だが、事故抜去(自己抜去も含めて)のリスクは低い。オリンパスのバンパー・ボタン型のイディアルボタンは優れているので使って下さいということになる。当院でも半分はこれを使っている。

 接続チューブの接続は直角に嵌るのでしっかり押し込むこと、接続チューブの洗浄は少量の水で3回繰り返した方がきれいになること、バンパー埋没症候群予防のために締めつけ過ぎないことと日頃から稼働性を確認すること、など実際に役立つ話だった。

 続いて、大塚製薬から経腸栄養用半固形剤ラコ-ルの話。これは処方薬として出せるので、原価で購入する他の製剤と違って、患者さんは1割負担(高齢者)になるので相当助かる。メリットは、胃食道逆流や瘻孔からの逆流が防止できること、注入時間の短縮が可能になること(液体のタイプと比べて)、生理的な消化管運動が得られることなどがある。

 ただし、ラコールNF配合経腸用半固形剤は水分228mLなので、水200~300mLを追加注入することになる。水も頑張ればトロミ水にすることはできるが、せっかくのラコールの理想の粘度も替わってしまう。その点を訊くと、実際のところ、家族や施設がどうしているかは良く知らないんですという。また、ラコールはわざと塩分をほとんど入れていなくて、患者さんの病状に応じて塩分を調整するように作られている。このことをあまり宣伝してないので、ラコールだけ入れていると患者さんが低ナトリウム血症になってしまう。

 昨日は整形外科医が当直で、内科当番だったので病院にいた。午後9時に80歳代男性が誤嚥性肺炎で救急搬入されたので、最初から内科で診て入院にした。退院数日での再発で、経口摂取は厳しいようだ(脳梗塞後遺症+認知症)。

 その前に受診した高齢者の橈骨遠位端骨折は、当直医が透視下で整復して、ギプス固定していた。さずが整形。患者さんもラッキーだった(救急受診でちょうど専門医)。

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