なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

アナフィラキシーショック

2016年01月07日 | Weblog

 内科医院から抗菌薬内服後のショックで60歳代男性が救急搬送されてきた。関節リウマチで生物学的製剤が投与されている。間質性肺炎もあるそうだ。プレドニン10mg/日を内服している。今日は風邪症状で受診して、クラビット500mgと鎮咳薬と去痰薬が処方された。内服して5分くらいで全身に膨疹が出現して、顔面は相当に腫れたという(本人の話)。のどの違和感(イガイガした感じ)があったが、閉塞感まではなかったという。Stridorはなかった。

 内科医院を再受診して、点滴(ソルラクト500mlを通常の点滴速度)とプレドニン20mgと強ミノCの静注が施行された。一時的にショックになってと紹介状に記載してあったが、具体的な血圧値はなかった。酸素飽和度が88~90%(室内気)になり、酸素吸入2L/分が施行されていた。

 搬入時、意識は清明で、酸素飽和度は96%だった(その後99~100%へ)。血圧は118/68mmHgで正常域にはなっていた。膨疹はほとんどなくなっていて細かな紅斑が頸部と前額部にあった。のどの違和感はなくなったそうだ。

 その時はショックではない。回復しつつあった。アドレナリン筋注をどうするか迷ったが、結局しなかった。プレドニン40mg点滴静注射、ポララミン1A静注射、ファモチジン1A静注を行った。ソルラクトを持続点滴として明日まで入院で経過をみることにした。

 この患者さんは昨年11月にも、同医院でクラビットを処方されて、今回と同様の症状が出現した。その時は外来で点滴を受けて(プレドニンも入れたのだろう)、症状が軽快していた。今日は症状の回復が前回より遅いので、当院に搬送したようだ。クラビットによるアナフィラキシーショックで間違いないと思うが、うっかりしたのだろうか。

 受診時にアナフィラキシーショックの時は、アドレナリン0.3mg筋注とソルメドロール1g点滴静注してきたが、今日もすべきだったか。

(追記1月8日) 一晩経過を見て、特にアレルギー症状の再燃はなく、翌日には無症状になっていた。午後までいてもらって、24時間経過したところで退院とした。

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