なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

亡くなってコロナと判明

2024年02月09日 | COVID-19

 先月末の1月31日に、その日外来予約のあった90歳女性が発熱外来に来ていると連絡があった。夫と一緒に通院しているので、夫も外来予約になっていた。

 症状は前夜からの咽頭痛で発熱はなかった。すぐに発熱外来扱いになってのは、下記の事情による。(発熱がなくても風邪症状だと、大抵は発熱外来を通すようにはなっているが)

 

 前日(1月30日)に、89歳の夫が自宅で急死した。救急搬入にならず、警察医が呼ばれて死亡確認されたそうだ。コロナの検査(抗原定性検査)が行われて、陽性だったという。(診断書はCOVID-19になっていないので、警察の検死で施行したのだろうか)

 

 夫婦二人暮らしで、子供は息子3人がいる。三男は数年前に膵癌で亡くなった。他県在住だったが、実家に戻ってきた。地域の基幹病院に紹介されていたので、当院では関わっていなかった。

 夫の運転する車で通院していたが、運転免許を更新できなくなった(審査を通らなかった)。最近は息子(たぶん長男)が運転する車で受診していた。

 その日の夜から妻も咽頭痛があった。発熱はなく、食欲低下もない。連れて来てくれている息子も風邪症状があり、他院を受診していた。そのため、孫(といっても20~30歳代くらい)が車で連れてきた。

 

 検査の結果はコロナ陽性だった。症状は軽度で元気そうだが、高齢なので抗ウイルス薬を処方した。体調不良時は連絡してもらうことにしたが、その後来ていないので順調に治ったのだろう。

 この夫婦は、妻はデイサービスやカラオケのグループに行っているが、夫は他の人がいるところに行きたがらず、まったく行っていない。

 家に行くのは、通院と買い物の世話をしている息子くらいだった。家族持ち込みの感染しかないが、症状は妻と息子の方が遅く出ている。

 コロナで亡くなったとすると、急激なウイルス性肺炎のはずだが、訴えはなかったらしい。(頑固なのと認知症もあるので、自覚症状の表現は難しい可能性はある)コロナの検査は特異度が高いので、まず診断に間違いはないはずだ。

 年齢的には、脳血管障害や心疾患で急死しても不思議ではないが、コロナとの関連はどうなるのか。(ワクチンは夫婦ともにずっと受けていた)

 

 外来でみているのは、70~80歳代の高齢者で90歳代も珍しくないので、年に1人くらいは、自宅での急死したと後でわかることがある。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 問題は肺 | トップ | 膝関節偽痛風 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

COVID-19」カテゴリの最新記事