なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

冠攣縮性狭心症?

2022年01月13日 | Weblog

 昨年の12月27日に、糖尿病で通院している78歳女性が、断続的に胸痛が続くと訴えて受診した。心電図では虚血性変化を認めず、心原性酵素の上昇もなかった。

 

 糖尿病の血糖コントロールはHbA1cが8%台とあまりよくない。痩せた方で、血中Cペプチドが0.85ng/mlと低かった。可能ならば、持効型インスリンを追加してBOT(basal supported oral therapy)にしたかったが、注射はイヤと同意しなかった。

 娘さんが2人いて、一人は当院の看護師だが、同居はしていない。持効型インスリンのトレシーバは効果が2日くらい続くので、1日おきに皮下注(娘さんの都合がいい時に注射してもらう)というのもある、と伝えたこともある。

 

 地域の基幹病院循環器内科に問い合わせると、外来予約がとれるのは年明けになるといわれた。心臓血管センターのある専門病院に連絡してみると、その日の午後に外来診察してもらえることになった。

 その後は、硝酸薬の貼付剤(フランドルテープ)が処方されて、心臓カテーテル検査を予定するという返事が来ていた。1月4日に心カテが行われて、結果は正常冠動脈とされた。

 病歴と薬物治療への反応から、冠攣縮性狭心症も否定できず、フランドルテープとCa拮抗薬のベニジピンを継続して下さいという、検査後の返事が来た。

 胸痛は上記処方が出てから、ぴたっと治まっている。心気症の傾向がある方ではあるが、これまでも訴えがある時は実際に疾患ががあったので、今回も決して気持ちだけのせいではない。

 冠攣縮性狭心症として治療を継続することにした。それにしても年が押し詰まった時に、すぐに専門医に診てもらえて助かった。

 

 地域の基幹病院循環器内科から、専用の電話を設定して直接循環器内科医に連絡できるようになったというお知らせが来ていた。ありがたい話だが、ベットの空きがないと実際の受け入れは難しいのだろう。

 ちなみに心臓血管センターのある専門病院は登録医を設定していて、おそらく相当数の医師が登録している。当院では登録医になっているのは、多分当方だけだと思う。前の病院に勤務している時に登録していたが、病院を移ってからも(勤務先変更の連絡はしてないが)登録医向けのお知らせを郵送してくれた。

 

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