なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

リウマチ性多発筋痛症だった?

2017年08月19日 | Weblog

 不明熱として紹介入院した72歳女性は、強皮症の診断は確定した。MPO-ANCAとPR3-ANCAも検査上は陽性だったが、MPAやGPAと診断する症状はなかった(気持ち悪いが)。発熱の始まった時期から左膝関節炎もあって偽痛風と思われたが、NSAID投与に反応せず、発熱と関節炎の程度は一致していなかった。

 よくよく話を聞くと、同時期から肩・上腕の痛みもあった。下肢については膝関節炎があるので判断しにくいが、朝起きた時に上下肢の動きが悪く、横臥したままでしばらく上下肢を動かしてから起き上がっていたそうだ。肩・上腕の把握痛と判断していいかどうか、前腕と比較したりして、時間をかけて何度も繰り返した。これは把握痛ありでいいのではないか。

 リウマチ性多発筋痛症として一昨日からプレドニン15mg/日を開始した。血液培養の結果がまだ出ないのでセフトリアキソンを併用している。どっちが効いているかわからないくなるが、一種の保険。すぐに解熱して肩と上腕の疼痛が改善したが、何にでも効くような処方なので、まだ安心はできない。

 腰痛もあるので、念のため胸腰椎MRIを検査していた。読影したのは大学病院の放射線科医(バイト)で、化膿性脊椎炎などはなかった。入院時の胸腹部CT(読影依頼にはしてなかった)も興味をもって診てくれていて、両側下葉の間質性肺炎と食道の軽度拡張があり、膠原病の可能性がありますとコメントしていた(MRIのレポートに付記)。すごいぞ放射線科医。

 肝硬変末期の79歳女性は、造影CTでわかるような動脈閉塞・深部静脈血栓はなかったが、四肢はチアノーゼを呈して浮腫も悪化していた。D-ダイマーが著明な高値で、再検するたびに上がってきた。一度家族に厳しい病状を伝えていて、お盆の期間中にもう一度家族にいよいよ悪化した時のことを相談するつもりが、忙しくてできないでいた。今日は意識がさらに低下して、家族を呼んでお話した。(他の病院で両側大腿骨頭置換術を受けたが、左側は骨盤骨を突き抜けて再手術は不可能とされた。心筋梗塞の既往もある。)

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