なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

息子は2階で

2023年08月19日 | Weblog

 8月17日木曜日の午後に90歳女性が救急搬入された。息子(66歳)と二人暮らしをしていた。その日、東京在住の娘が実家を訪れて、1階でぐったりしている母親を発見して救急要請した。

 1週間前に電話をした時は変わりがなかったそうだ。その翌日は電話に出なかったので(息子は以前から、電話が来ても出ない)近所の人に電話して訪問してもらった。室内に悪臭があった(失禁のためだろう)。

 その後、電話には出るが、元気がないというか、様子がおかしかった。それでその日に実家を訪問したという経緯だった。

 

 救急隊到着時、体温が38.0℃あり、心拍数が頻脈気味だったが、それ以外のバイタルは問題なかった。

 救急隊が本人に、息子のことを訊くと、「2階で寝ている」と答えたそうだ。救急隊員が2階に上がって、腐乱の始まった息子の遺体を発見した。救急隊から警察に連絡がいき、後は警察の問題になる。(娘は兄弟の名前を呼んだが、返事がないので、不在だと思って救急隊到着まで1階で母親に付き添っていたのだろう。)

 病院到着時、コロナ・インフルエンザの迅速試験は陰性だった。特に麻痺はなかった。発熱あるいは熱中症(その日はまた気温が上がっていた)による脱水症のように思われる。

 

 脱水症で腎前性腎不全(血清クレアチニン3.05mg/dl)を呈していて、CKが著明に増加(2024)していたので、ずっと横臥していたことによる横紋筋融解が起きている。入院して点滴が継続された。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カテーテル関連血流感染症 | トップ | 熱中症 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事