なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

前頭洞に膿瘍?

2014年09月27日 | Weblog

 微熱・炎症反応高値の81歳男性は筋力低下ではなかった。脳神経の問題だったのかと、頭部MRIを撮ると、年齢を考慮しても目立つ全体的な萎縮があった。陳旧性のラクナ梗塞が散在していて、新鮮なラクナ梗塞(数mm)も数個あった。入院した日のふらつきというのはこれが原因だったようだ。MRAで見ると、それほど極端な狭窄はにあが、ラクナ梗塞の分布からみると、分水嶺梗塞だった。

 それにも増しておどろいたのは、前頭洞に境界明瞭な被覆された腫瘤があった。内部の陰影からは膿瘍のようだ。1ケ月続く、発熱と炎症反応上昇の原因はこれだったのか。放射線科医の指示で、頭部CT、さらに造影MRIが追加になった。患者さんに前頭部痛がありますかと聞いたが、はっきりしない。他の副鼻腔に炎症像はない。耳鼻咽喉科は大学病院からの応援で週3回午後からとなっている。コンサルトは来週だ。内科クリニックでのクラビット・フロモックス・クリンダマイシンは効いていたのか。クリニック通院時のCRPは3回の検査で8~9だった。当院受診時も9だったが、その後抗菌薬なしでもCRPは5になって、さらに2.6になった。わかったからには、1週間抗菌薬(ユナシン)を投与することにした。頭蓋骨を破ってはいないが圧排していて、前頭葉もわずかにへこんでいる。腫瘍の可能性はあるのだろうか。

 金曜日と土曜日の日中までの内科当番だったが、特に新規入院の連絡はなかった(ラッキー)。「極論で語る神経内科」を読んでいる。「極論で語る」シリーズ化決定と帯にあった。具体的な治療を記載する本ではないので、副読本的なものだが、診療のコツを指摘してくれる良書だと思う。たぶん、全部そろえることになる。「プライマリ・ケア医に贈るパール563」を購入した。ティアニー先生の本というだけでアマゾンで注文した。届いてみると、「Current essentials of medicine」の訳本だった。原書と訳本がそろってしまったが、原書は飛び飛びにしか読んでないので、この機会に通読することにした。

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