なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心気症

2021年03月20日 | Weblog

 木曜日は外科医が当直だった。翌日の午前0時過ぎに82歳女性が救急搬入されていた。

 以前からある耳鳴が数日前からひどくなり、両手のしびれも気になってきた。頭部の違和感と嘔気も出て来て、救急要請していた。

 意識清明で、さまざまな症状を早口で訴えていた。当直医は頭部MRIを行って、特に所見はなかった。帰宅ともできず、外科で入院にしていた。

 木曜日の内科当番だったので、病院に来て病棟に行った時に相談された。少なくとも外科で診る疾患ではないので、内科で診ますと答えた。

 病室に行ってみると、朝食を半分くらい食べた後だった。印象としては多弁な心気症の雰囲気がある。

 耳鳴は数年前からあり、耳鼻咽喉科クリニックでは年のせいで仕方がないと言われているそうだ。数日前から強くなったというが、その時は普段と同程度だった。難聴は若干左耳であるが、特に支障はない。

 手のしびれは治まっていた。両膝も痛いというが、屈曲は問題なくできる。整形外科で評判の病院に通院して、リマプロスト(オパルモン)などが処方されていた。同病院の泌尿器科でαブロッカーも処方されている。

 内科クリニックに高血圧症・脂質異常症で通院していた。最近、ロフラゼプ酸エチル(メイラックス)2錠分2が2週間分処方されていた。

 ただ、処方した先生には、あまり飲まないようにと言われていた(どうすればいい?)ので、まったく飲んでいない。外来で様々な症状を訴えていたのだろう、と想像される。

 特定の症状に固執しているのはなく、次々に症状を訴えていた。現在の病名としては、身体症状症になるが、古典的には心気症になる。

 夫と二人暮らしで、夫は無口で話相手にならないそうだ。近所の友達の家に行ってお話してくると、気持ちがすっきりするという。しかし、今どきのコロナの問題で行きづらくなり、数か月間は行っていない。

 病室で15分くらい話を聞くと、すっきりしたようだ。週明けまで入院しますかと訊くと、午後には家に帰るという。メイラックスは長時間効いてしまうので、いつものクロチアゼパム(リーゼ)5mg錠を屯用として5回分持たせることにした。

 さまざまな症状が気になって、いらいらする時に屯用してもらう。

 

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