なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

整形外科から膝関節炎で紹介

2018年08月14日 | Weblog

 左膝関節痛で動けなくなった87歳女性が救急搬入された。膝痛と発熱は3日前から続いていた。救急当番の外科医から整形外科外来に回された。

 左膝関節の熱感・腫脹があった。膝関節内に石灰化があるようだ。血液検査で炎症反応上昇(CRP15.5)があり、軽度に貧血もあったことから、内科に回された。家族の話では、「熱があれば内科だ」と言われたそうだ。

 膝関節偽痛風でいいようだが、偽痛風は感染症に併発する。紹介でもあるので発熱時の検査を行った。症状からは感染症を示唆するものはない。肺炎はないが、尿混濁がある(腎盂腎炎と断定はし難いが)。尿培養と血液培養2セットを提出した。もともと腎障害があり、血清クレアチニン1.76mg/dlだった。正球性貧血で腎性貧血なのかもしれない。

 腎障害がなければ、「NSAID+(念のため)抗菌薬」で経過をみるところだが、「ステロイド+抗菌薬」にした。結局、膝関節炎で内科入院となった。

 

 土曜日の日直の時に、内科クリニックから患者さん紹介の連絡が来た。そこはもともと心臓血管外科医のクリニックで、初代の先生が癌で亡くなって、今は2代目の先生(縁故者ではない)になっている。その日は休日当番医(海の日)で、バイトの先生が代診をしていた。心筋梗塞の患者さんが受診したが、発症から少し経過している「遅れMI」ですと言っていた。たぶん大学病院の心臓血管外科の先生なのだろう。

 当院は循環器科が再開となったが、心カテは平日日中の対応のみで、まだ夜間休日の緊急心カテはできない(オンコールもない)。その旨をお話して、地域の基幹病院か心臓血管センターのある専門病院に連絡してもらうよう伝えた。すぐに事情をのみこんでくれたようだ。「遅れMI」だと、緊急心カテをしない可能性もあるが、さすがに循環器科以外で診るわけにはいかない。「遅れMI」という言葉を聞いて、「おお専門医の物言いだ」と感心したというだけの話。

 

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