なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

高齢者の急死

2012年08月08日 | Weblog

 92歳女性。今年になってから時々胸痛があったそうだが受診はしていなかった。家族が外出から帰ってきて、倒れているのに気づいた。呼びかけても反応がなく、救急要請した。救急隊が到着した時、心肺停止・瞳孔散大・対光反射なしだった(つまり実際はすでに死亡)。体温も低下していた。心肺蘇生術を施行して当院に搬入された。心電図では心静止だった。気管挿管を行って、エピネフリンを投与して心肺蘇生術を継続したが、まったく反応はなかった。家族にお話しして、蘇生術を中止して死亡を確認した。頭部CTで頭蓋内出血はなく、胸腹部CTでだ御動脈解離もなかった。急性心筋梗塞だったと推定された。高齢になるまで身の回りのことが自分でできて、長く苦しむことなく、すうっと亡くなるのは、理想なのかもしれない。昔だったら、救急車を呼ぶこともなく、蘇生術を受けることもなく、近くの医者が自宅に出向いて死亡確認したのだろう。今だと急に心肺停止すれば、心臓マッサージ(胸骨圧迫)をされるので、左右の肋骨が胸骨から外れて胸がベコベコにへこんでしまう。

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