
2/19(日)、東京、全日空ホテルで、僕は、ワンガリ・マータイさんに会いました。
このBLOGでは、このところ立て続けに、繰り返し彼女の紹介記事を載せています。
美しいヒト ワンガリ・マータイさんに会った!(速報)
美しいヒト ワンガリ・マータイ 語録
美しいヒト ワンガリ・マータイ(記者の目より)
美しいヒト ワンガリ・マータイさんがくれたもの…responsibility
でもね。
そうするくらい、僕にとって彼女との出会いは嬉しいことだったんです…
---
彼女のことは知っていた。
おそらく、多くのヒトがそうであるように、ノーベル平和賞受賞のニュースで。
そして、やっぱり、“環境保護活動に「平和賞」が贈られるのは初めて”というところが気になってた。
---
時間は経って、彼女の来日を知った。
雑誌『SOTOKOTO』主催のイヴェントで彼女に会えるらしい。
行ってみなきゃ、と。
本来なら、彼女に会うには飛行機を乗り継ぎ、アフリカ大陸・ケニアまで行かなきゃ。
それが、彼女の方から来てくれる。
日本には、いろんなヒトが来る。
いろんなものが集まってくる。
とてもありがたいこと。
とにかく。
彼女の活動の内容にも興味があるけれど、そのヒト本人と直接会ってみたくて。
数百円の運賃で電車に乗って出かけていった。
---
「ソトコトNPOサミット」なるイヴェント。
第1部は、ワンガリ・マータイさんと野口健の対談。
第2部は、日本のNPOリーダーたち(等)とのシンポ形式。
野口健氏は、先だって、ケニア、マータイさんの活動している場所を訪ねている。
スライド・ショーで現地の様子を、少し見ることも出来た。
---
スピーチ・対談・シンポ・インタヴューなどを通して、僕が感じたことは…?
僕、kuuが、彼女と出会い、彼女からもらったのは…?
そのことについて、書いてみます。
---
まずは、彼女の魅力について:
ワンガリ・マータイさん。
なんたって、チャーミングなのだ。
それに、やられちゃうのだ。
挨拶からスピーチから、他のヒトとのやり取りから、物腰柔らかで、思慮深くて、そして、なんともあったかみがある。
で、抜群のスマイルの持ち主。
若々しくて、なんだか可愛らしい。
1940年生まれというけれど、きっと頭も柔らかい(若い)のかな?
---
一方で、強固な意志の持ち主でもある。
曰く:
「“ヴィジョン”を持つことが大切。
ヴィジョンを思い描けば、どんな困難も乗り越えて行動できるはず。」
独裁政権からの弾圧に負けず、活動を続けてきた彼女の言葉には確かな重みが。
---
「私はアメリカ留学から戻ったものの、なんの力もなかった。」
「一人で、地位もない、お金もない、。」
「それでも、私には、地面に穴を掘って苗木を植えることはできる。育てることはできる…そこから始めたの。」
まさに草の根。
一人から始まった。
そう、ひとりでもできるんだ。
正しいと思ったら、人知れず一人でも始めよう。
---
植樹・植林という活動・運動。
・木を植える。
・木が育ったら、薪にして、日々の調理の燃料にできる。
・残った灰は肥料に。
・木が生えることで、土壌はより豊かに。
・木は、木材として、家を建てる材料に。
・林・森ができれば、水資源も豊かに。
・砂漠化を防ぎ、環境保護になる。
・植林活動自体が、環境保護という問題提起・教育になる。
他方、
・仕事のない女性が、植林によって、職場を得、収入を得ることができる。
・社会的弱者も、団結して社会に参画することができる。
・組織による運動が政治の民主化を促す。
・環境破壊の防止・政治の民主化が、不要な争い・戦争を防ぎ、平和な社会を実現する。
彼女の運動は、身近な所から始まって、まず自分自身のためになるところが楽しい。
そこが最大のミソだと思った。
“地球のために”とか言って大上段に構えればいい、ってもんじゃないなあ。
で、それが、だんだん大きな力になり、地域・国・世界を動かした。
Think Grobal, act rocalを地で行った、すごくハッピーな例だ。
こんなこと、本当に叶うんだな。
---
“弾圧にもめげずに活動を続けた、そのモチヴェーションは?”
と訊かれた彼女は、
上記の通り「ヴィジョンを持てば」と答えたが、
僕は、その直前にサラッと口にした言葉が忘れられない。
「私たちの国では、高等教育を受けられるものは殆どいない。」
「そんな中、私は外国留学をした。」
「だから、私には、responsibilityがあった。」
「母国に帰った時、国のために力になりたいと思った」
「だから、自分ができることをはじめたのです。」
…みなさんは、どうお感じに?
---
僕は、responsibility、という言葉に、グッときた。
責任というか自負というか志というか。
僕らはどうだ?
そいういうの、持ってる?
この僕はどうなんだ?!
あの日から、ズーッと考えてるのは、そのこと。
彼女は、エリート家庭で育ったわけではないそうだ。
国費留学生に選ばれて外国に学んだ経験は、彼女の見聞・視野を広め、また、自国の現状・窮状・問題について考えさせただろう。
僕は?
普通の家庭に育って、のんびりと、そして不良な学生生活を過ごした。
大学は出たけれど、一体何を学んだんだろうか?
で、社会で、何をしてる?
仲間達は、今、フジテレビのTOBに協力したり。
IT株の値動きを注視して生きてたり。
また、「優秀」と言われるヤツに限って“外資”の手伝いをして、日本を売り飛ばしたりしてる。
…まあ、ひとさまのことはいいや。
で、僕は一体、なににどんなresponsibilityを持ってる?
僕は、決して右寄りではないから、国ってものに忠義を尽くすつもりはない。
この星には責任を持っていたいな。
そして、僕の住む国の文化に。
暮らす街・地域に。
近くを流れる竪川と、荒川流域に。
大好きな山や海や、忘れられない景色に。
大切な人たちに。
子供たちに。
未来に。
…そのresponsibilityに、どう応える?
---
国と言えば。
「日本の環境保護運動について感想・意見は?」と訊かれたマータイさん。
礼儀正しく(?)、いいところを話すに留めた彼女。
曰く、
「日本・日本のひとたちは、国土の70%が森林だという恵まれた環境を持ち、守ってきた。」
「国として、資源の再利用(リユーズ)・ゴミの削減(リデュース)・リサイクルという知識・技術を持ち、実践している」
「私からすると、日本の環境意識・環境保護活動は100点です」
「日本には“mottainaiモタイナイ…もったいない”という素晴らしい言葉、考え方がある。」
---
僕は、その言葉の裏側を考えていた。
日本が森の国だ、ということは、ケニアからすれば信じられないほどに恵まれていることなんだろう。
マータイさんが30年木を育ててきた森より、日本の荒れ果てた森のほうがずっと大きい。
また、ケニアには環境保護について、知識、技術、実践・教育のための資金がないようだ。
日本人なら誰でも一応知っている「資源有効利用の3R」なんてのも、ケニアの人々に普及させるのは大きな苦労なんだろう。
彼女に言わせれば“日本は百点”。でも、日本人の暮らしから出るゴミは、「3R」を知らないケニア人の暮らしの何十倍なんだろう?
「もったいない」ということを暮らしの中で実践している日本人は、一体どのくらいいる?
---
ここで、僕は、彼女の言った"responsibility"のことを思った。
彼女が恵まれた教育を受けたごく少数のひとであるのと同じように、
僕ら日本人は、全体として、世界の中でも特に恵まれた国民なはず。
教育水準についても。
環境についての知識についても。
自然と共生してきた伝統・文化においても。
技術力についても。
経済力についても。
ぼくらには、そうした恵みと力があるんだ。
そんな僕らには、それ相応の"responsibility"があるはずでは?!
地球環境について、僕ら日本人には、一人ひとりに、それ相応の役割を果たす責任があるはず。
読者のみなさんは、どう考えますか?
---
対談をした野口健さんも言っていた:
「日本人は、“わかっちゃいるけど、やらない”。」
それだ。
それを、突きつけられた日でもあった。
みなさん、いかが?
---
僕は、このBLOGでも以前書いているとおり、地域の森と水を守り育てることに関心が。
いつか東京の水を飲めるようにしたい、と思っている。
その上でも、植林は必須。
今僕の住んでいる地域の水の源、荒川源流域:甲武信ガ岳での植林活動をしようとしていたところ。
マータイさんに会ってみて、改めてその思いを強めた。
でも、実際、まだ何もしてないのだ…。
---
僕が何気ない暮らしの中で使ってるエネルギーはどのくらいだろう?
石油をどれだけ燃やしているんだろう?
ゴミは?
Co2は?
それは、マータイさんのケニアでの暮らしと比べてどう?
ケニアやアフリカ、いわゆる発展途上国の人たちの暮らしと比べて、どうよ?!
---
…いろいろ考えさせられる。
たとえば、僕が甲武信ガ岳に登って苗木を植えるのにかかる費用はいくらだろう?
人件費は要らないとして、交通費と苗木代と…?
その費用をマータイさんの活動「グリーンベルト運動」に寄付すれば、その方が沢山の木を植えられるんでは?
その方が、地球全体にとって有意義なのでは?
…とか。
---
日本の中だけ、自分の利害にだけ目を向けて、やれ、
「生活防衛」だ、
「老後までサヴァイヴする」だ、
「デフレ克服」だ、
「国際競争力の維持」だ、
「経済成長」だ、
そんなこと言ってる場合じゃないぞ。
世界に目を向ければ、僕らは大きな力とresponsibilityを持っているんだから。
---
まあ、とにかく。
マータイさんのように、できることから始めよう。
実際、体を動かしてみよう。
植林も実践しよう。
日々の暮らしの中で、ちいさな実践を積み重ねよう。
---
僕は、目標を立てた。
ここに、宣言しよう。
●僕は、僕の暮らしの中で、Co2排出量を15%削減します●
---
京都議定書発効に会わせて日本に招かれてきたマータイさん。
彼女のニュースは、新聞・TVなどでたくさん見かけた。
でも、同時に、そうした報道の多くは、
「京都議定書発効もなお道遠く」
「削減目標 実質14%の壁あつく」
みたいなものばかり。
なぜだ?
発効の当日に、どうしてそんな悲観的な記事を載せる?
マスコミの影響力の大きさを自覚していないのかな?
マスコミもその背後にある力も、京都議定書なんて、じつは邪魔なのかな?
マータイさんを招聘した毎日新聞社あたりに訊いてみたいところだ。
一方、フランスのシラク大統領は、ブッシュ米大統領との会談では、「京都議定書への参加を積極的に呼びかける」とのこと。
日本だってそのくらいでなきゃ、と思うのだが、日本の首相がそんな発言をするとは思えないのは、とっても淋しいこと。
---
僕は、ひとりでも、Co2排出量を15%減らしますよ。
記念すべき第一歩として、家族を説得して車を手放した。
今年は家を緑化したい。
なるべくゴミを出さない暮らしに、自然な暮らしにシフトしていきたい。
---
会場で、僕は、一番前列の向かって中央、演台のまん前に座っていた。
ワンガリ・マータイさんが"responsibility"の話をしている時に、彼女と目が合った。
吸い込まれるように彼女の眼を見ていた僕に、彼女は、その柔らかな眼差しをまっすぐにこちらに向けて、その話をした。
鼻の奥が、ツーン、とした。
その感じ。
それが、彼女が僕にくれたもの。
それは、ほんのしばらくのこと。
勿論、その話も、僕だけに向けて話したことではないけれど。
でも、だから、僕は、彼女と約束したんだ。
僕は、僕の場所で、自分のできることをします、と。
---
さて、長くなりました。
BLOG『空をみるひと』では、計4回に渡って、ワンガリ・マータイさんのことを紹介してきました。
彼女のこと、グリーンベルト運動のこと、今回のイヴェントのことなどは、WWW上に、もっと良く書けた文章が沢山あると思います。
でも、最後にはどうしても、自分とマータイさんのことを自分の言葉で残しておきたかった。
読者のみなさんには退屈だったかもしれないし、
だいぶエラそうなことも書きました。
でも、自分自身のために、書いてみました。
で、どうする、俺?
…と問いながら、一歩一歩、歩いてまいります。
******
BLOG『空をみるひと』ワンガリ・マータイさん関連記事:
美しいヒト ワンガリ・マータイさんに会った!(速報)
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Say "Mottainai"「もったいない」 ~続:ワンガリ・マータイさんがくれたもの
5Rs of Mottainai ~もったいない五箇条と五戒文など
ワンガリ・マータイ×野口健 対談 『ソトコト』5月号にCDで収録!
『モッタイナイで地球は緑になる』 ワンガリ・マータイさん最新刊
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美しいヒト ワンガリ・マータイさんがくれたもの…responsibility
でもね。
そうするくらい、僕にとって彼女との出会いは嬉しいことだったんです…
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彼女のことは知っていた。
おそらく、多くのヒトがそうであるように、ノーベル平和賞受賞のニュースで。
そして、やっぱり、“環境保護活動に「平和賞」が贈られるのは初めて”というところが気になってた。
---
時間は経って、彼女の来日を知った。
雑誌『SOTOKOTO』主催のイヴェントで彼女に会えるらしい。
行ってみなきゃ、と。
本来なら、彼女に会うには飛行機を乗り継ぎ、アフリカ大陸・ケニアまで行かなきゃ。
それが、彼女の方から来てくれる。
日本には、いろんなヒトが来る。
いろんなものが集まってくる。
とてもありがたいこと。
とにかく。
彼女の活動の内容にも興味があるけれど、そのヒト本人と直接会ってみたくて。
数百円の運賃で電車に乗って出かけていった。
---
「ソトコトNPOサミット」なるイヴェント。
第1部は、ワンガリ・マータイさんと野口健の対談。
第2部は、日本のNPOリーダーたち(等)とのシンポ形式。
野口健氏は、先だって、ケニア、マータイさんの活動している場所を訪ねている。
スライド・ショーで現地の様子を、少し見ることも出来た。
---
スピーチ・対談・シンポ・インタヴューなどを通して、僕が感じたことは…?
僕、kuuが、彼女と出会い、彼女からもらったのは…?
そのことについて、書いてみます。
---
まずは、彼女の魅力について:
ワンガリ・マータイさん。
なんたって、チャーミングなのだ。
それに、やられちゃうのだ。
挨拶からスピーチから、他のヒトとのやり取りから、物腰柔らかで、思慮深くて、そして、なんともあったかみがある。
で、抜群のスマイルの持ち主。
若々しくて、なんだか可愛らしい。
1940年生まれというけれど、きっと頭も柔らかい(若い)のかな?
---
一方で、強固な意志の持ち主でもある。
曰く:
「“ヴィジョン”を持つことが大切。
ヴィジョンを思い描けば、どんな困難も乗り越えて行動できるはず。」
独裁政権からの弾圧に負けず、活動を続けてきた彼女の言葉には確かな重みが。
---
「私はアメリカ留学から戻ったものの、なんの力もなかった。」
「一人で、地位もない、お金もない、。」
「それでも、私には、地面に穴を掘って苗木を植えることはできる。育てることはできる…そこから始めたの。」
まさに草の根。
一人から始まった。
そう、ひとりでもできるんだ。
正しいと思ったら、人知れず一人でも始めよう。
---
植樹・植林という活動・運動。
・木を植える。
・木が育ったら、薪にして、日々の調理の燃料にできる。
・残った灰は肥料に。
・木が生えることで、土壌はより豊かに。
・木は、木材として、家を建てる材料に。
・林・森ができれば、水資源も豊かに。
・砂漠化を防ぎ、環境保護になる。
・植林活動自体が、環境保護という問題提起・教育になる。
他方、
・仕事のない女性が、植林によって、職場を得、収入を得ることができる。
・社会的弱者も、団結して社会に参画することができる。
・組織による運動が政治の民主化を促す。
・環境破壊の防止・政治の民主化が、不要な争い・戦争を防ぎ、平和な社会を実現する。
彼女の運動は、身近な所から始まって、まず自分自身のためになるところが楽しい。
そこが最大のミソだと思った。
“地球のために”とか言って大上段に構えればいい、ってもんじゃないなあ。
で、それが、だんだん大きな力になり、地域・国・世界を動かした。
Think Grobal, act rocalを地で行った、すごくハッピーな例だ。
こんなこと、本当に叶うんだな。
---
“弾圧にもめげずに活動を続けた、そのモチヴェーションは?”
と訊かれた彼女は、
上記の通り「ヴィジョンを持てば」と答えたが、
僕は、その直前にサラッと口にした言葉が忘れられない。
「私たちの国では、高等教育を受けられるものは殆どいない。」
「そんな中、私は外国留学をした。」
「だから、私には、responsibilityがあった。」
「母国に帰った時、国のために力になりたいと思った」
「だから、自分ができることをはじめたのです。」
…みなさんは、どうお感じに?
---
僕は、responsibility、という言葉に、グッときた。
責任というか自負というか志というか。
僕らはどうだ?
そいういうの、持ってる?
この僕はどうなんだ?!
あの日から、ズーッと考えてるのは、そのこと。
彼女は、エリート家庭で育ったわけではないそうだ。
国費留学生に選ばれて外国に学んだ経験は、彼女の見聞・視野を広め、また、自国の現状・窮状・問題について考えさせただろう。
僕は?
普通の家庭に育って、のんびりと、そして不良な学生生活を過ごした。
大学は出たけれど、一体何を学んだんだろうか?
で、社会で、何をしてる?
仲間達は、今、フジテレビのTOBに協力したり。
IT株の値動きを注視して生きてたり。
また、「優秀」と言われるヤツに限って“外資”の手伝いをして、日本を売り飛ばしたりしてる。
…まあ、ひとさまのことはいいや。
で、僕は一体、なににどんなresponsibilityを持ってる?
僕は、決して右寄りではないから、国ってものに忠義を尽くすつもりはない。
この星には責任を持っていたいな。
そして、僕の住む国の文化に。
暮らす街・地域に。
近くを流れる竪川と、荒川流域に。
大好きな山や海や、忘れられない景色に。
大切な人たちに。
子供たちに。
未来に。
…そのresponsibilityに、どう応える?
---
国と言えば。
「日本の環境保護運動について感想・意見は?」と訊かれたマータイさん。
礼儀正しく(?)、いいところを話すに留めた彼女。
曰く、
「日本・日本のひとたちは、国土の70%が森林だという恵まれた環境を持ち、守ってきた。」
「国として、資源の再利用(リユーズ)・ゴミの削減(リデュース)・リサイクルという知識・技術を持ち、実践している」
「私からすると、日本の環境意識・環境保護活動は100点です」
「日本には“mottainaiモタイナイ…もったいない”という素晴らしい言葉、考え方がある。」
---
僕は、その言葉の裏側を考えていた。
日本が森の国だ、ということは、ケニアからすれば信じられないほどに恵まれていることなんだろう。
マータイさんが30年木を育ててきた森より、日本の荒れ果てた森のほうがずっと大きい。
また、ケニアには環境保護について、知識、技術、実践・教育のための資金がないようだ。
日本人なら誰でも一応知っている「資源有効利用の3R」なんてのも、ケニアの人々に普及させるのは大きな苦労なんだろう。
彼女に言わせれば“日本は百点”。でも、日本人の暮らしから出るゴミは、「3R」を知らないケニア人の暮らしの何十倍なんだろう?
「もったいない」ということを暮らしの中で実践している日本人は、一体どのくらいいる?
---
ここで、僕は、彼女の言った"responsibility"のことを思った。
彼女が恵まれた教育を受けたごく少数のひとであるのと同じように、
僕ら日本人は、全体として、世界の中でも特に恵まれた国民なはず。
教育水準についても。
環境についての知識についても。
自然と共生してきた伝統・文化においても。
技術力についても。
経済力についても。
ぼくらには、そうした恵みと力があるんだ。
そんな僕らには、それ相応の"responsibility"があるはずでは?!
地球環境について、僕ら日本人には、一人ひとりに、それ相応の役割を果たす責任があるはず。
読者のみなさんは、どう考えますか?
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対談をした野口健さんも言っていた:
「日本人は、“わかっちゃいるけど、やらない”。」
それだ。
それを、突きつけられた日でもあった。
みなさん、いかが?
---
僕は、このBLOGでも以前書いているとおり、地域の森と水を守り育てることに関心が。
いつか東京の水を飲めるようにしたい、と思っている。
その上でも、植林は必須。
今僕の住んでいる地域の水の源、荒川源流域:甲武信ガ岳での植林活動をしようとしていたところ。
マータイさんに会ってみて、改めてその思いを強めた。
でも、実際、まだ何もしてないのだ…。
---
僕が何気ない暮らしの中で使ってるエネルギーはどのくらいだろう?
石油をどれだけ燃やしているんだろう?
ゴミは?
Co2は?
それは、マータイさんのケニアでの暮らしと比べてどう?
ケニアやアフリカ、いわゆる発展途上国の人たちの暮らしと比べて、どうよ?!
---
…いろいろ考えさせられる。
たとえば、僕が甲武信ガ岳に登って苗木を植えるのにかかる費用はいくらだろう?
人件費は要らないとして、交通費と苗木代と…?
その費用をマータイさんの活動「グリーンベルト運動」に寄付すれば、その方が沢山の木を植えられるんでは?
その方が、地球全体にとって有意義なのでは?
…とか。
---
日本の中だけ、自分の利害にだけ目を向けて、やれ、
「生活防衛」だ、
「老後までサヴァイヴする」だ、
「デフレ克服」だ、
「国際競争力の維持」だ、
「経済成長」だ、
そんなこと言ってる場合じゃないぞ。
世界に目を向ければ、僕らは大きな力とresponsibilityを持っているんだから。
---
まあ、とにかく。
マータイさんのように、できることから始めよう。
実際、体を動かしてみよう。
植林も実践しよう。
日々の暮らしの中で、ちいさな実践を積み重ねよう。
---
僕は、目標を立てた。
ここに、宣言しよう。
●僕は、僕の暮らしの中で、Co2排出量を15%削減します●
---
京都議定書発効に会わせて日本に招かれてきたマータイさん。
彼女のニュースは、新聞・TVなどでたくさん見かけた。
でも、同時に、そうした報道の多くは、
「京都議定書発効もなお道遠く」
「削減目標 実質14%の壁あつく」
みたいなものばかり。
なぜだ?
発効の当日に、どうしてそんな悲観的な記事を載せる?
マスコミの影響力の大きさを自覚していないのかな?
マスコミもその背後にある力も、京都議定書なんて、じつは邪魔なのかな?
マータイさんを招聘した毎日新聞社あたりに訊いてみたいところだ。
一方、フランスのシラク大統領は、ブッシュ米大統領との会談では、「京都議定書への参加を積極的に呼びかける」とのこと。
日本だってそのくらいでなきゃ、と思うのだが、日本の首相がそんな発言をするとは思えないのは、とっても淋しいこと。
---
僕は、ひとりでも、Co2排出量を15%減らしますよ。
記念すべき第一歩として、家族を説得して車を手放した。
今年は家を緑化したい。
なるべくゴミを出さない暮らしに、自然な暮らしにシフトしていきたい。
---
会場で、僕は、一番前列の向かって中央、演台のまん前に座っていた。
ワンガリ・マータイさんが"responsibility"の話をしている時に、彼女と目が合った。
吸い込まれるように彼女の眼を見ていた僕に、彼女は、その柔らかな眼差しをまっすぐにこちらに向けて、その話をした。
鼻の奥が、ツーン、とした。
その感じ。
それが、彼女が僕にくれたもの。
それは、ほんのしばらくのこと。
勿論、その話も、僕だけに向けて話したことではないけれど。
でも、だから、僕は、彼女と約束したんだ。
僕は、僕の場所で、自分のできることをします、と。
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さて、長くなりました。
BLOG『空をみるひと』では、計4回に渡って、ワンガリ・マータイさんのことを紹介してきました。
彼女のこと、グリーンベルト運動のこと、今回のイヴェントのことなどは、WWW上に、もっと良く書けた文章が沢山あると思います。
でも、最後にはどうしても、自分とマータイさんのことを自分の言葉で残しておきたかった。
読者のみなさんには退屈だったかもしれないし、
だいぶエラそうなことも書きました。
でも、自分自身のために、書いてみました。
で、どうする、俺?
…と問いながら、一歩一歩、歩いてまいります。
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BLOG『空をみるひと』ワンガリ・マータイさん関連記事:
美しいヒト ワンガリ・マータイさんに会った!(速報)
美しいヒト ワンガリ・マータイ 語録
美しいヒト ワンガリ・マータイ(記者の目より)
美しいヒト ワンガリ・マータイさんがくれたもの…responsibility
Say "Mottainai"「もったいない」 ~続:ワンガリ・マータイさんがくれたもの
5Rs of Mottainai ~もったいない五箇条と五戒文など
ワンガリ・マータイ×野口健 対談 『ソトコト』5月号にCDで収録!
『モッタイナイで地球は緑になる』 ワンガリ・マータイさん最新刊
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「ひとりでもできるんだ」というのは本当にそのとおりだと思います。私もできることからやらねばな!と思います。
私はワンガリさんの講演、ひとつも行けなかったので、こちらの記事がとてもためになりました。ありがとうございます!
はじめまして、(あ)みめさん。
ようこそ、このBLOGへ。
あみめのめにも、お邪魔しました。
僕の師、Gary Snyderの言葉を思い出しました。
「この世界は光かが湧く網。そのあみのめの、ひとつになりなさい。」
こんどとも、どうぞよろしく。
素敵ですね。。
私には「うれしい」と「びっくり」がいっぺんに来たようなことばです。いいこと教えていただきました、ありがとうございます^^
またお邪魔します。
言葉そのままではありません。
載っている本を調べたのですが、書棚に見当たりません。
もしかしたら行方不明の1冊:『惑星の未来を想像する者たちへ』かも…。
原典は仏教。金剛経(ダイアモンド・スートラ)ではなかったかと重います
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4635420140/250-9679054-0700269
詳細わかったらまたここに書きます。
ご丁寧にありがとうございます!
「環境問題やってる」そうですね。
野口さんは今富士山のゴミ拾いをやっていますが、リアルな問題意識を出発点に体を動かしていますね。
responsibility責任を果たしていらっしゃる。
ガイアシンフォニーは見てます。
>ドイツ・スイス~日本遅れてる
確かに。
日本は環境先進国になる力がある。
責任もあると思う。
あとは、やるかどうか。
それは、「国」ということではなく、
あなたの問題。
私の問題。
僕らは、次世代に対して責任をもっている。
水に関する僕の記事:
http://blog.goo.ne.jp/so-kuu/e/2f28ec6613e8ee6d44e3c46ae9edff54
http://blog.goo.ne.jp/so-kuu/e/def4396744a6bd88494ecb83d81b43b1
突然にスミマセン。
マータイさんの記事を探していてこのBlogをみつけまして、
自分のBlogにも少し記事を書いたのですが、
ここにコメントも残すことにしました。
分かち合えるものは分け合って
皆で笑顔になりたい、というのが私の信条?で
だからマータイさんの活動のように一つの事(例えば植樹)
が巡り巡って結局皆を幸せにしていく、その素晴らしさに
とても感動しています!
日本のもったいない文化。
私は古物を販売しています。「もったいないから」というのが
根本にあって、それで始めたようなものですので
マータイさんの言葉は嬉しかった!
私はまだまだ勉強不足ですが、
それでも今から何か世界へ向けて始められる事を
探してみようと思っています。
勝手にダラダラと失礼しました!!
「空をみるひと」は素敵なBlogですね。
またお邪魔しようと思います。
コメントありがとうございました。
ワンガリ・マータイさんの「もったいない」再発見は、僕ら日本人にも、新たな希望をもたらしてくれましたね。
で、どうする?
そこを考えながら、一人一人の一歩を。
楽しくなるとイイですね!
『空をみるひと』、のんびり歩いてみて下さい。
これからも、どうぞヨロシク。