七七ブログ

タダの詩人「七七」による人心体実験の記録 

「落とし天狗文の」番外編1

2007-11-21 23:49:45 | カットアップ
 ある学者。流行のファッションばかり追い求める無知な妻にあきれ果て言った。
「やめてクレー」
「あなたの大きなお腹の上を乗り越えると、ひと山超えたような気がして気持ちがいいの」
「わかっておる。わかっておる。早く注射してくれ」
「すごくリアルだったわよ」
「じゃあしばらく部屋でお待ちを」
「人間、こうなったらもう、おしまいね」
ぼくの眼はもう、泪でいっぱい。
「じゃあ、一曲やろうか」
「うっそー」
「両方の中間がいいな」
「あなたの送るテレパシーをいつも受け取っていますので、あなたのことはよく知っています」
「あはははは。嘘だあ」
「うん」
「……」
もう三十年以上昔の話になる。
「誰か、待ってるの」
「はい。マネージャーに電話下されば、連絡がつくようにしておきますので」
「何が始まるんですか」
「焼き肉しまひょか」
「妻を世話してもらいたい」
「まだ子供じゃないの」
「ドヒャー。すげえ別嬪。まるで女優か王女さま」
「なによ」
「ああ。綺麗だな」
「見ないで」
「最近の女の子は、モデル並みに綺麗になってきたね」
相手を見るなり、ふたりとも、わっと泣き出してしまった。
「ああ。やっと出て下さったのね」
「見たらいやになるで」
「かまいません、お待ちしますので」
「走りまんねん」
「どんな御用で」
「宇宙人がやってきて」
「茶色ですか」
「それを訊くなーっ」
「可哀想に。したかったのねえ」
「二十年ぶりで帰国したんだから無理ないけどね。でも、すぐに慣れるよ」
セックスしている間も彼女は、片目を強く閉じ、ニッカリ笑ったままであった。
「オーライ。オーライ」
「毎晩パックしてますから。パックしてますから」
「やれやれ。これでしばらく休憩できる」
「怖いよう」
「先に言わんか先に」
「アナタ、カワイソウネ」
「あたり前だろうが」
「バックします」
「そ、そんな危険な。や、やめろっ」
「どうしました。不調に終ったんですか」
「出ます」
こうなってくればもう、しめたものだ。見ていた編集長がよだれを垂らしながら感心して言う。
「ほらほらほら。例の。何が何した、それ例のあれ、あれあれあれあれ」
「もう言ったじゃないか」