「なに! おおふり なんて読んでるの?」
書斎兼寝室兼オタク部屋兼仕事部屋に入ってきた息子その2が声をかけてきた。
「は? おおふり?」
息子その2が指さす先はコミック本『おおきく振りかぶって』(ひぐちアサ)であった。
「ああ、それか…」
(ったく、なんでも縮めればよいというものでもないだろうに)
「しかも8巻だし…、親父のような歳でこれを読んでいるのは珍しいと思うよ」
「悪かったなぁ、それよりお前が来るなら、のだめを頼めばよかった」
「…自分で買え」
まんず、憎たらしいやつだ。
実のところ、「のだめカンタービレ」を書店で買うのは勇気が要るのだ。
マイルス・デイビスのレコードに隠して、LP『寒水魚』をレジへ持っていった時の心境に近いな。
それが今では、新曲の予約も「中島みゆきの……を」と堂々としたものである。
嬉しい反面、寂しさも少々…
書斎兼寝室兼オタク部屋兼仕事部屋に入ってきた息子その2が声をかけてきた。
「は? おおふり?」
息子その2が指さす先はコミック本『おおきく振りかぶって』(ひぐちアサ)であった。
「ああ、それか…」
(ったく、なんでも縮めればよいというものでもないだろうに)
「しかも8巻だし…、親父のような歳でこれを読んでいるのは珍しいと思うよ」
「悪かったなぁ、それよりお前が来るなら、のだめを頼めばよかった」
「…自分で買え」
まんず、憎たらしいやつだ。
実のところ、「のだめカンタービレ」を書店で買うのは勇気が要るのだ。
マイルス・デイビスのレコードに隠して、LP『寒水魚』をレジへ持っていった時の心境に近いな。
それが今では、新曲の予約も「中島みゆきの……を」と堂々としたものである。
嬉しい反面、寂しさも少々…