SNOWWORKS 詩-全開

前向き、エキサイティング、クリエイティブ、どんどん書いていきます!!

詩作と限界

2009年09月27日 | 
画面で飼われている鳩
空がない四方に壁だけ
貪欲な飼い主は
細い足に鎖を巻き付ける

羽ばたけば
両足は血にまみれ
骨が悲鳴を上げる

自由が奪われた
不幸な鳩たち
自由を恐れる
不幸な飼い主たち

この世界に何を生み残す
一体何が生まれる






MRI

2009年09月26日 | 
ベットが移動して
固定された身体が
筒を満たす

さあ用意はいい
MRIよ 
僕を分解してくれ
ガーガーガー
大音量を発して
僕の水素元素は
揺らされる
意識は腰髄に集中する
水素原子のスピンが一定方向を向く
向かされている

思考を分析してくれ
過去の記憶
ついた嘘
欲望の数々
全部暴きだしてくれ
脊髄伝いに
脳の中枢まで

減衰時間がフーリエ変換され
脊髄は256×256に二次元化
モニターに映る肉体
しかし「僕」は映ってはいない
骨、腰髄、靭帯、筋肉
ありきたりの
肉体

あまりに正直
デジタルなMRI
がっかりさせるなMRI






ヘルニアだった

2009年09月25日 | 日記
2週間前に電車に1時間座ったあとから腰痛があり、運動会の親子競技で悪化。
専門分野でありながら「なんでだろう」と思っていました。
やはり怖いのは悪性骨腫瘍の類。
本日勇気をもって腰椎MRIを撮ってみました。
するとどうでしょう。
第4/5腰椎椎間板が変性し、後方の硬膜を圧迫していました。
診断は「腰椎椎間板ヘルニア」です。
変性というのは、加齢による生理的(自然な)変化です(黄色い矢印の椎間板が真っ黒ですね)。
悪い病気はありませんでしたが、僕もそういう年齢になったのか、サッカーをやりまくっていたあの若い肉体はもう戻らないのか、一人鬱に浸ってしまいました。

死相

2009年09月24日 | 
鏡を見ると
10年前よりはやはり老けていて
色白だけど
どこか青みがかって
落ちた頬が
ずっと遠い場所を連想させる

死はどこにでも存在する

それは鏡の中でも同じだった
妻の顔でも
友人の顔でも
至るところに
部分的な無表情=死が隠されていて
一体どこを見てよいのやら

しかし
どうだろう
もう僕はもう慣れっこになった
世の中を知るほど
死は不可避であり
それだけに
親身であり
そっと手をさしのべる

銭湯の帰りに
手をつないで
スキップなら
できなくもない

とりあえずは
鏡に話しかけてみる
「こんにちは。これからもよろしく」






祝!ブログ開始100日目

2009年09月23日 | 日記
今日はブログ開始して100日目でした!

皆さん、訪問して頂きありがとうございました。

この100日間で気づいたことを挙げると


良かったこと

 ・意外に訪問者数が多かった(大体50~60人/日)。

 ・ネット上の友達ができた。

 ・ブログを始めるまえより詩の数が大幅にアップした(内容はともかくとして)。


悲しかったこと

 ・コメントをくれる人が少なかった。

 ・その日の出来事を詳細に書きたくなるのだが、自分と他人のプライバシーに関わってしまい、断念せざるを得ないことが多かった(仕事に関しても)。

 ・妻に隠し続けるのが辛い(夜中にネットやってると、勘違いされる)。

 
 いろいろありますが、続けていけそうです。

 これからも応援よろしくお願いします。

真夜中の下血

2009年09月22日 | 
存在感だけで

大威張り

静まった病床の真ん中を

傍若無人に駆け回る



胃カメラは

首を少し傾げる

怪物の胃袋に入り込んだところで

控えめに言う

「もうちょっと大人しくできないの?」






マラソン

2009年09月20日 | 
みんな静まり返って園児の帰りを待つ
張られるゴールテープ
立ち上がる観客

ビデオのフォーカスは園門
近所を1周した園児たちは
ここから入ってくる


第一走者だ

うちの娘

ヨロヨロと
今にも倒れそうで
見てられない
こんなに疲れきったの見たことない
熱中症になっちゃうよ
力んで
ビデオが揺れる

思いっきり叫ぶ
娘の名
ガンバレと
自分にはそれしかできない

すると娘は爆走を始める
どこにそんな体力あるの?
細長い四肢バタついて
もう疾走
園庭の中央に向かって
怒涛のゴールイン

娘を捉えたまま
ビデオは動かせない
指は微かに震える
ああ
という感じ

ああ
この前まで赤ん坊だったのに
ヨチヨチ歩きだったのに
今日はありがとう
君の父親でよかった
君がいてよかった





「ごまかし」

2009年09月18日 | 
今日も僕は
自分に嘘をついた

1番目にしたいことは
しなかった
できなかった

昨日もそうだった
その前もそうだった

2番目以降を
積み重ねて

「ごまかし」
そんな名の怪物が生まれる
人工色で上塗りされた
直視できない顔


怪物は飼育箱のなかで
餌を与えられ
モリモリ成長し
いつしか僕になりすまし
お父さんやら
夫やら
ごまかしながら演じ
老いていく



明日こそ我存在

2009年09月16日 | 
今日やったこと

朝起きて「おはよう」と妻に言い
納豆ごはん

午前:外来 
たくさんの人と話した
外来っていうのは
殆ど人生相談のようなもの
他人の人生に浸かり
僕はどこかへ行った

午後:手術
恐ろしいぐらい集中して腰椎手術
僕はどっかへ行った
自分の腰が痛い

夜:論文読み、リサーチ
ああ、締め切りに間に合わない

仕事終了
やっと自分の時間になる
だけどもうAM1時
一日中僕は不在だった
阪神が勝ち
誰かが爆弾で死に
ネットニュースはダラダラと今日を吐き出す

僕のいないところで、毎日が動いている
明日こそ中心になってやろう
なんて力んで
お休みなさい




夜明け

2009年09月13日 | 
夜が薄らぎ
雲に輪郭をあたえ
薄明は
闇が包んでいた不安をも
解きはじめる

太陽は待たなかった

次の言葉を待ちわびた
未完の詩は
眩しさに目を細め
一日の始まりに
声を失い続ける


東京駅で君をみた

2009年09月12日 | 
さっき君をみたよ
地下鉄にのりこみ
予備校の入学説明会
片手で吊革につかまり
パンフレットをめくる
固い決意をしているはず
今の君も意思が強いもの

発車して
他の乗客といっしょに
君もゆれる

君は特別だから
僕はじっと見ている
君は気づかない
その方がいい
ここで出会ったら
後から会えなくなるもの

あれから君は努力の日々
日曜日は休憩して
御茶ノ水、喫茶店、ケーキ
ガラス越しに応援する僕は
目を細め
それからまた自転車をこぎだす

応援は届いた
合格
卒業
就職
出会い
結婚
引越し
二人の子供
ちょっとした喧嘩
仲直り
誕生日ハッピーバースデー
また喧嘩
今度はうやむや
父親参観日
東京へ出張

今日君をみた
長いプラットフォームで
まだ一人きり

どんな君になるだろう
どんな僕が待つのだろう

マスク

2009年09月11日 | 
アルコールは
咽頭を通るとき
新生された上皮細胞を
洗いながす

今日
ぼくは大掃除した
心の中さっぱとり
消したいことを
叫びながら
アルコール漬けにして
これでもかってぐらい

だけどマスクがない
あした大手ふって歩くための
マスクがない


インターチェンジ

2009年09月09日 | 
遠ざかっていく
7号線は直線
夜道の逃亡には
最短距離

妻が遠ざかる
我が子が遠ざかる

僕は何から逃げたいのか
流れるラブホテル群から
静まる暗い森から

明るくなってインターチェンジ
ハンドル切って高速へ
アクセル踏み込んで
静かに興奮

時速100kmでの逃避行
だけど
頭の中心は
そう
やっぱり家のこと







雑的思考の巡回

2009年09月07日 | 
割りと定型的な雑的思考
例えば
「男性はサイズの話が大好きであり、車の排気量、バストサイズ、ミサイルの数とかに拘るのは男の悲しい性なんだよね」
なんていう思考
おそらく10年も前から僕の脳の片隅にいて気がつくとポーっそれを考えています

何がイヤかというと
ああ
ちょっと得意になってること
一角の知識人になったつもり
ああ知識人
この雑的思考を僕はなんとしても止めたい
自分が何も進歩してないし
現在未来進行形の自己嫌悪

だけど
すこし気分が晴れました
ここに書くと
もう巡ってこなくなるのなら
一石二鳥
調子に乗っちゃいましょう
さらにもう1つ
「相対性理論的には、僕の3分間は、他人から見た3分とは少し違うんだよね。やっぱりフワウワしてるや、僕の周りだけ」
ああ相対性理論
理解してないのに
何かこう得意気に
スキー滑走中に考えていて
やはりフワフワ

本屋大決戦

2009年09月06日 | 
怖いよ
文庫本コーナーは

これでもか
の果たし合い

彼ら
抑制を効かせた文で
抑制なし

主張と
正義の
大放出

あいうえお順
隣人蹴落とそうと
眉間の皺
僕はもう怖くて
背をむけて