Snowtree わたしの頭蓋骨の下 *鑑賞記録*

舞台は生もの、賞賛も不満もその日の出来次第、観客側のその日の気分次第。感想というものは単なる個人の私感でしかありません。

『新口村』でなぜ笑うのか?

2005年08月01日 | Memo
NHK『芸術劇場』で6月上演された『恋飛脚大和往来』の『新口村』がさっそく放映。
早すぎない?要望が多かったのかな?はて?

で、観てて思ったんだけどこの録画日では笑いが聞こえなかったのでホッとしたのだが「覚悟極めて名乗つて出い」で思わず忠兵衛が戸口から出てきてしまい、「今じゃない、今ではない」という孫右衛門の切ない台詞のシーンで一部ではあったけど客席から笑いがこぼれて気になっていた。なぜ笑えるの?どこが笑えたのか知りたいよ。

浄瑠璃のこの↓シーンです。歌舞伎もほぼこれにならってます。これ読んでも笑えるのかなあ?

「懐しい子の顔を、見ぬやうに、見ぬやうにと、雑行ながら神たゝきも、不便さからでござるはい不便さからでござるはいの。アヽとは云ふものゝ、若死するも人の一生。義理ある親を牢へ入れ、おめ/\と逃げ隠れは、末世末代不孝の悪名。所詮逃れぬ命なら、一日なりと妙閑殿を、早ふ牢から出すのが孝行。サヽヽヽヽヽ覚悟極めて名乗つて出い/\アヽ今じやない/\。今の事ではないはいやい。シタガそれもどうぞ親の目にかゝらぬところで、縄かゝつてくれヨ」