読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「キューバ危機」

2015年07月10日 | 日記
ドン・マントン&デイヴィッド・ウエルチ(中央公論新社)

今更ながらだが、「キューバ・ミサイル危機」は冷戦史、核戦略、危機管理に関する重要な教訓に満ちている。

本書の構成や分析は、大学の政治学の講義になっている。実際に僧のように使われているような気がする。
見事な分析で、世界の政治家にとって、冷静に情勢判断をしつつ、相手への共感がいかに重要なのかを説く。
だから首脳会談を重ねて相手をしることがいかに大事かがわかる。

読売新聞の書評から引用する。
『・・・グレアム・アリソンの『決定の本質』は名著だが、いささか古すぎる(原著は1971年の刊行)。『13デイズ』(2000年)のような映画は面白いが、不正確である。そこに本書が登場した。200ページほどの分量に、キューバ危機の経緯が見事に分析されている。しかも、事件を「危機の13日間」に限定するのではなく、その前史と後への影響を含めて俯瞰ふかんしている。この危機では米ソ両大国に注目が集まるが、本書はキューバのフィデル・カストロにも十分に注意を払っている。また、国際連合も存外重要な役割を果たしたという。
 当初は、ケネディ、フルシチョフ、そしてカストロも、相手に自分の思い込みを重ねて、共感に欠けていた。だが、危機が募るにつれて、ケネディとフルシチョフは互いに共感を膨らませていく。「共感が決定的に重要である」、「もし敵対する者同士がお互いを理解できず、相手の立場を想像してみる努力もしなければ、誤認したり、相手に自分の姿を投影したり(ミラー・イメージング)、希望的観測にふけったりするといった問題に陥るだろう」と、著者たちは指摘している。
 キューバ危機は「よい結果を生んだ悪い事件」に終わった。それでも、米ソ両国は大国同士のことしか気にかけず、弱者(キューバ)への配慮に欠けた。また、共感を育んだはずのケネディとフルシチョフはほどなく、国際政治の舞台から退場した。その後、二人の後継者たちは同様の共感を抱かず、ベトナムやアフガニスタンといった小国への軍事介入に陥る。こなれた訳文で、資料案内も充実し、政治分析と歴史の教訓が味わい深くブレンドされている。田所昌幸、林晟一訳』

講義録を読んでいるような気分にさせられたが、政治学の学者や学生には必読の書になると思われる。
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