読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「昭和解体」

2017年06月23日 | 日記
牧 久(講談社)

 国鉄の分割民営化の話なのだが、確かにこれによって、国鉄の組合特に国労を解体し総評も連動して力を失い、さらには社会党が崩壊した。その意味で55年体制が終わった契機になったのだろう。戦後の政治情勢の清算でもあったのだ。時の自民党、政府は中曽根総理の時代。
 この裏表の動きを丹念に追いかけてノンフィクションとして出色だ。

内容紹介は(出版社のそれから引用です)
『本書は国鉄が崩壊、消滅に向けて突き進んだ二十年余の歴史に再検証を試みたものである。昭和が平成に変わる直前の二十年余という歳月は、薩長の下級武士たちが決起、さまざまな歴史上の人物を巻き込んで徳川幕藩体制を崩壊に追い込んだあの「明治維新」にも似た昭和の時代の「国鉄維新」であったのかもしれない。少なくとも「分割・民営化」は、百年以上も続いた日本国有鉄道の「解体」であり、それはまた、敗戦そして占領から始まった「戦後」という時間と空間である「昭和」の解体をも意味していた。

目次
序章 日本の鉄道でいちばん長い日
第一章 田中角栄と細井宗一
第二章 磯崎総裁の「マル生運動」と国労の反撃
第三章 政府・自民党VS.国鉄労使
第四章 走り始めた国鉄解体
第五章 運輸族・三塚博の秘密事務局員
第六章 中曽根康弘「風見鶏内閣」誕生
第七章 国体護持派と改革派の暗闘
第八章 改革派、絶体絶命
第九章 最後の主戦場
第十章 「猛き者ついに滅びぬ」
終章 国鉄落城――新時代への出発

著者紹介
著:牧久(マキヒサシ)
ジャーナリスト。昭和16年(1941)、大分県生まれ。昭和39年(1964)早稲田大学第一政治経済学部政治学科卒業。同年、日本経済新聞社入社、東京本社編集局社会部に所属。サイゴン・シンガポール特派員、平成元年(1989)、東京・社会部長。その後代表取締役副社長を経て、テレビ大阪会長。著書に『サイゴンの火焔樹――もうひとつのベトナム戦争』、『「安南王国」の夢――ベトナム独立を支援した日本人』、『不屈の春雷――十河信二とその時代(上、下)』』

・・・三人組のお一人を知っており、興味深く読んだ。この流れの途中の一部の時代、海外勤務があって知らない部分があったので、「歴史」を補完できたかなとも思います。こういう現代史の一部ですが歴史好きにお勧めです。
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