雨にも負けず山歩き♪

青空を見上げながらも、しっかり足もとを見つめて歩く自然観察情報!

涸沢~穂高三山縦走(2日目後半)

2011年11月10日 | 百名山の山

北穂高岳 ( 一番ピークの山頂 ) と 槍ヶ岳


              2011/10/8(土)~10(月)  涸沢~穂高三山縦走             上高地より
 

上高地~涸沢ヒュッテ(1日目)
涸沢ヒュッテ~北穂高岳(2日目前半)
北穂高岳~涸沢岳~穂高山荘(2日目後半)
穂高山荘~奥穂高岳(3日目前半)
奥穂高岳~前穂高岳~上高地(3日目後半)
 

涸沢ヒュッテ(2309m)・・北穂高岳(3106m)・・涸沢岳(3110m)・・奥穂高岳(3190m)・・前穂高岳(3090m)


北穂高岳~涸沢岳は緊張の連続 ・・・


北穂高岳~穂高山荘までが一番の難所だと聞いてはいたが、結論から言うと、かなりの難所であった。
日が当らない個所は残雪で足場が滑ったり、私の足では届かない個所も多数、垂直の鎖場も多数!
細尾根の岩棚は何度か経験していたが、ひと山越えてまたひと山と、岩山越え連続、緊張の連続なのである。

地図上の歩行距離としては、3日間で一番短いのだが、強風で飛ばされそうになったりしながら必死で岩を掴み
時には腕の力で、時には体全体で体重を移動しながら、次の足場を確保して一歩づつ進むのである。
ロッククライミングとは言わないが、小柄の私には大きな動作が必要であり、
3日分を詰めたザックも重く、上半身のバランスを崩さないように、掴める岩は全部掴んでいた為か
気付いたら手袋の親指部分が擦り切れて、両手とも2cm程の大きな穴があいてしまった。

ところが、手袋に穴が開いたのはまだ良い方だったようで、これも後に聞いた話だが、
ベテランの方の指導で、岩は直接伝わる感覚として、素手で掴んだ方が滑らずに安全だと言われたそうで
直接素手で岩を掴んでいた人、指先の出た手袋だった人、2人とも指先が軽い凍傷になったようである。
10月初旬でも標高3000mは侮れない、この日は気温が低く、日陰の部分には残雪もあった。
稜線付近は冷風も吹いており、冷たい岩を何時間も必死で掴んでいたのだから、
全く予想はしていなかったが、この話を聞いて、条件により指先の凍傷も十分にあり得る事だと思った。

涸沢ヒュッテから見上げていた涸沢カールは、まるで垂直の壁に見えていたが、
その壁の先端から眼下を見ても、やはり垂直の壁、お椀の中(底)にヒュッテがあると言うイメージだ!
落ちたら死ぬ・・・と、言いながら追い越して行った若者がいたが、全くその通りである。

2番目を歩いていた私が危険個所を何度もクリアできたのは、先頭と後ろから見守って頂いたお陰である。
この梯子を登れば岩棚は最後、と言う涸沢岳手前辺りでは、登り終えてから思わず3人で握手を交わした (^^ゞ
まだまだ気を抜けない岩の登山道だったが、今までに比べたら、後は穂高山荘まで楽勝に見えたのである。
そして到着した涸沢岳山頂では、穂高小屋の赤い屋根が眼下に大きく見え、ホッとしてまたまた3人で喜ぶ ♪

流石に3000m、風が冷たくて涸沢岳にも長居は出来ず下りようとしたら、私の携帯が鳴った・・・
ザイテングラードを登り、先に到着していた彼が、カメラの望遠で私達3人を見つけたとのこと!
涸沢偵察ヘリが2基飛んでいたのを見て、何か事故でもあったのかと、彼なりに心配していたようだった。
無事の到着を見守ってくれていたようで、小屋で再会できたことを、今度は4人で喜んだ ♪

涸沢では一度は経験してみたい憧れのテント泊と言えるが、簡単には良いスペースが取れない。
メンバー4人中1人はテント泊だったので、穂高山荘ではスペースが狭い事を心配したのだが
 早く到着した彼が先に確保してくれていたので、最高の場所を確保できて一安心だった。

夕食は3交代の一番最後、6時半頃からとなったが、穂高山荘前広場は意外と広く、
寛げるテーブルが内外に沢山あり、食事前の宴会やコーヒータイム、5時半頃には夕日鑑賞などで過ごした。
残念ながら夕方は雲が多く、ジャンダルムに赤い日差しは届かなかったが、雲海に白山の姿が確認できた。

 明日はいよいよ、3日間の最大の目標である奥穂高岳登頂だ!

山荘前広場からは、奥穂高岳(山頂は見えない)が目の前にドーンと聳えており、かなりの迫力だった。
今日の岩棚を歩いたのだから、この先怖いもの無し (^^ゞ …人間心理とは不思議なものである。
ここ穂高山荘でも、お布団一枚に2人宣告はあったものの、昨夜に比べたらこの条件も楽勝に思えた。


山頂で ロッククライマーを見つける!



左のマルは北穂高岳、本当の山頂、右のマルは岩壁に取り付く2人のクライマーの姿だ!(11:45)
この後、北穂分岐に戻り、登山道が右に巻いていたので、再びこのロッククライマーの姿を目撃した。


  
  (12:10)25分後、一人が遥か上に ・・・            (12:25)最初の位置から45分後 ・・・

涸沢岳に向かって移動中2回、岩の切れ目のタイミングで、このクライマーたちの挑戦を目撃した。
垂直の岩壁であるが、技術、根気、勇気、体力、精神力、運…全てを持ち合わせていないと出来ない技である。
普通に歩いていても、ここでは十分にクライマー気分だけど、彼らにはあの岩壁が普通なんだろうか?
人間の持つ力の凄さを目の当たりにして、かなりの勇気を分けて頂き、その後の岩稜に挑んだ (^.^)v


北穂を後にして、涸沢岳に向かう!


 
(左画像)下山方向、まだまだ北穂に向かって登山者の列が見えていた。
中央は北穂のテン場であるが、北穂高山荘とはかなり離れている為か、撤収したのか?4張りのみ確認。
(右画像)北穂の山頂と槍ヶ岳を振り返る! ( 看板のある山頂は隠れている )



一旦下って、ロッククライマーの岩を登る。


 
 岩の中腹辺りを通過して更に上へ             振り向くと、山頂に向かうらしき登山者



小さく人が見えている辺りが山頂と思われる。



クライマーの岩を越えると、涸沢岳、奥穂高岳への稜線が一望できて、
ここで一息ついたのだったが、更に過酷な試練が ・・・


 
(左画像)ジャンダルムの手前に見えていた丸いピークが涸沢岳のようで、山頂に立つ人達が見えていた。
(右画像)前穂高岳の山頂を望遠で ・・・明日はあの山頂にも登る予定だ!


 
(左画像)O と × と → が頼り ・・・この大岩を右に巻いて、一旦急下りとなる。
(右画像)人が4人いる辺りは、これから一旦西側に下って再度登る場所であり、上の三角が涸沢槍だ!
日陰でもありコンデジの限界でもあるが画像が平坦、下から見上げた槍のイメージとは全く違う。



一旦下った鎖場、足場を手探り(足探りかな?)しながら、安全の為後ろ向きで下る!


見晴らしのよい場所で、後ろを振り返る!



アップダウンを繰り返したので、何処をどう通って来たのか分からない程複雑だった。


 
(左画像)眼下には更に岩棚の山を越えている人が見えていて、まだまだ先は長そうだった。
(右画像)下りて見ると、そこには丸い看板があり、どうやらここが 「 最低のコル 」 のようだった。
ここで久しぶりに、土 「つち 」 と言う物を踏んだ! やっぱり土は足に優しい
中央に見えるのが、左画像の岩棚であり、逆光で白くなったが、その先に見えているのが涸沢槍。



看板が低いので、低いアングルで構えたら、見た目の立体感がゼロになってしまった!
これでは涸沢ヒュッテからここまで、一直線で楽勝に歩いて来られそうな画像だな (*_*;


涸沢槍に登る!



相変わらずの岩棚 … 涸沢槍だと言う実感は全くなし!


 
(左)足場が見つけ辛いようで停滞…この間に後ろを振り返ると、越えて来た岩稜と槍ヶ岳、そして涸沢槍の影。
(右画像)鎖とハシゴをクリアして、登山道の一番ピークから見上げた涸沢槍の山頂である。
涸沢ヒュッテでご一緒した、地元の登山グループの方の話によると、涸沢槍への登山道はないが、
50m程登れば山頂にタッチ出来るとの事だったが、ここでは3人とも冒険心ゼロだった (^^ゞ



涸沢槍を振り返る!・・・う~ん、涸沢槍は下から見るに限るね


更に頑固な岩棚が ・・・


 
ここに来て進行方向はかなりガスってきて、しばらく大きな雲の中に突入だった。
容赦なく続くので、もう岩棚は飽きて来たよ~ (>_<) と言いつつ、先に進むしかない。
そして右画像の人がいるてっぺん辺り、ここに辿り着いて最後の鎖を登ると、景色が一変した!


涸沢岳まであと一歩。。。



最後の垂直だった鎖場を登りきって、真下を撮る!
ここを登りきって山頂制覇よりも感動ものだったかも? 岩登りが終わってやっと両手が自由になったのだ!
自由になった両手で握手を交わす・・・\(^o^)/\(^^♪/\(◎o◎)/


 
   登りきって右手側                        登りきって後ろは北穂高



涸沢岳は3110m、ここから北穂 (手前のピークと奥の看板のあるピーク) が同じ目線に見えている。



登りきって左手側には、涸沢岳山頂が見えた! (中央の人がいる辺り)



涸沢岳山頂 と 奥穂高岳 ( ピークが3つに見えるが、一番左が祠のある山頂 )


涸沢岳(3110m)に着いた!


 
山頂で看板と写真を撮る人達 と、一番ピークに立つ 山頂看板



涸沢岳からは奥穂高岳、前穂高岳…そして何より嬉しかったのは、穂高山荘がすぐ眼下に見えていた事だ。



ガスが晴れてから、奥穂高の山頂を望遠で撮ってみた。 ( 祠も見えている )


寒くて長居できずに下山 。。。



下山途中のテン場と山荘とヘリポート (ここまで来ると、奥穂の山頂は、ほぼ隠れてしまった)



奥穂から山荘へ下山する人(登る人?)の列で、明日の登山道の確認ができたかも (^_-)v


 
山荘前は結構広い、奥穂は余りにも近くて、下から見上げるとソフトクリームに変身だ。


 
      山荘から 涸沢岳                   山荘広場にやって来た 「 イワヒバリ 」





穂高山荘~奥穂高岳(3日目前半)




コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 涸沢~穂高三山縦走(2日目... | トップ | 涸沢~穂高三山縦走(3日目... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (cfpilot)
2011-11-12 15:22:18
かなり難しく厳しそうな行程ですね。
長い岩場続きの中での土の優しい感触が良く分かります。
返信する
cfpilot さんへ (snoopy)
2011-11-13 02:50:00
パイロットさんコメントありがとうございます。

写真は全て、足場が安定している場所に立ってから撮ったので、表現するのは難しいのですが
一番怖かったのは、3日ほど前に降った、岩間に残る雪で足が滑る事でした。
返信する
お疲れ様でした! (ざわちゃん)
2011-11-20 12:55:29
岩場登り、お疲れ様でした!!

私も岩登り大好きなので来年はこのコースの一部を登りたいと思っております。
写真からコースの概要と緊張感、達成感が伝わってきますね^^。 とても良いリポートだと思いますので参考にさせていただきます。

岩登りスキルを高めるためにボルタリング始めようかと思っております

では、お互いに安全に山登り続けましょう!
返信する
ざわちゃんへ (snoopy)
2011-11-22 23:39:35
コメントありがとうございます。

私の場合はのんびり登山ですが、参考にして頂けて嬉しいです。
ざわちゃんのいつもの日帰り記録は凄過ぎるので、穂高をどんな風に歩いて帰ってくるのか?
まだ先の事ですが、2012年の目標としているジャンダルムの報告を楽しみにしています ♪

11月20日(日)に、県連の事故対処講習会に参加したのですが、そこで初めてボルダリングを知りました (^^ゞ
なる程、そんな日頃からの努力精神が健脚に繋がるのですね! 見習わなくちゃ (^^ゞ

はい、安全登山 … これが大事ですね!
危険は増すけど、私の大好きな白い山の季節がやって来ました (^.^)v
返信する

コメントを投稿

百名山の山」カテゴリの最新記事