里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

フジウツギ 紫の花房

2017-03-03 | 日記
石巻市雄勝町の、半島部の林道を海岸へ向って下っていると、山側法面下部に
紫色の花房を付けた低木が点々と見られます。
枝を伸ばすような樹形ではなく、大型の草本が枝垂れ気味に茂っているような姿で、
木か草か迷ってしまうほどです。
はて、何と言う名前だったか・・頭にフジと付いたような ?
7~8年前に、岩手県南の東山町松川地区の道路沿いで見た記憶があります。

花の盛りは過ぎたようで、多くの花房が花を散らしていたり、既に結実したような
房もたくさんありました。幸い日当たりの悪いところの株では、まだ花が残っていまし
たから、そんな花を探して撮影しました。




                             二枚とも2016.7.31撮影

樹木図鑑や山野草図鑑を何冊かめくって、ようやく見つけることができました。
「フジウツギ」という落葉低木です。ただ、同属の外来種から多くの園芸種が作り出さ
れているようですから、岩手県南で見たのは園芸種かも知れませんね。

枝葉は有毒で、これを砕いて川水に投げ入れると、魚が中毒して浮き上がるので
「酔魚草」という別名があるようです。これはサポニンの一種を含むためで、人が
誤って摂取すると、腹痛、麻痺をおこすと言われています。


                                2016.7.31撮影

フジウツギ科フジウツギ属の落葉広葉樹で、樹高1~1.5mの低木。
本州の太平洋側~四国に分布し、山地の崩落地や渓流沿いなどに自生する。
日本海側では、絶滅危惧種にしている県が多い。
幹は四角でひれ状の翼があり、よく分枝して横に開張する。葉は対生し、葉身は
長楕円形で短い柄があり、長さは8~20cm、幅2~5cm。先端は細長く尖り、
縁には低い鋸歯がある。下面は淡緑色で、まばらに淡褐色の星状毛が生える。
花期は7~9月で、枝先に長さ10~30cmの穂状花序を出し、淡紫色の花を多数
付ける。花は花序の基部から上部へ順次咲いていき、同時に咲く花の数は少ない。
花冠は筒形で長さ1.5~1.8cm、外面に星状の綿毛が密生 し、先端は4裂する。
雄しべ4個は花筒の内壁中央より下に付く。
果実は長卵形の蒴果で、直径1cmほど。熟すと2~4裂する。


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