北九州市議会の井上しんごです。 令和3年12月10日
私は議案第134号・北九州市教育施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について、反対の立場で討論を行います。
この議案は公立幼稚園4園を来年度の園児募集を最後とし、令和7年に閉園にするというものです。
これに対し、八幡東幼稚園の保護者や保護者代表の方から陳情4件が提出されています。そのどれも存続や継続を願うものです。
八幡東幼稚園は園児にとっても、保護者にとっても大きな魅力があり、立地的にもよい場所にあるという点。
先生方は経験や知識が豊富で本当に素晴らしく、安心して子どもを預けることができること。
そして、お迎えに行った時の子どもの顔を見ると、毎日楽しく過ごしていることがすぐにわかると述べてあり、保護者や子ども達、先生方の、ほほえましい姿が目に浮かぶようです。
公立幼稚園は午後2時までの受け入れと、他の私立幼稚園と比べて預かり保育をしていないため、夕方までの延長保育が当たり前の昨今において、決して利便性がいい訳ではありませんが、それでも、これだけの保護者の方が、八幡東幼稚園を信頼し、愛しているのは紛れもない事実です。
それを、保護者が必要だと言っている公立幼稚園を、行政の一方的な判断で、公立4園存続を、突然ひっくり返し、全廃する判断には疑問を感じます。
せめて1園だけでも残してというのは、それこそ切実な保護者の声ではないでしょうか。
市は市内の幼児教育をリードし、より良くするために、幼児教育センターを設置するとしています。しかし、市自体が幼児教育の現場を持っていなくて、どのような指導的な立場を発揮できるのでしょうか。市内のそれぞれの幼稚園には、子ども達と向き合ってきた、かなりの歴史があり、教育に対する思いや、経験があります。
そうした民間幼稚園に対し、これがいい、あれがいいと、指導してみても、どこまでその役割を果たせるのか。
設置する以上は、民間幼稚園にとっても、保護者にとっても、本市の子ども達の教育に責任を持てるものになる必要があります。
公立幼稚園はこれまで、支援が必要な子ども達の最後の砦という枠割もありました。民間幼稚園でも、市のサポート制度を活用して、支援が必要な子ども達の受け入れを積極的にされています。これからも行き場のない子ども達がでないような仕組みが必要です。
民間幼稚園の経営者や、先生方、保護者の相談にのれる、現場を知る専門家の配置とともに、まさに、民間幼稚園がそれはいいと思えるような実践、研究を行い、市内の子ども達が、陳情にあるように、毎日楽しく過ごせる幼稚園になるような、名実ともに、実効性のあるセンターになることを求めるものです。
そのためにも、幼児教育センターの設置に当たっては、保護者、市民が相談しやすい立地、また小学校との連携などを勘案した場合、高見小学校がすぐそばにある八幡東幼稚園に設置することが、保護者の思いに一部応えることになります。またこれだけ公立幼稚園を愛している方が多い地域でもあることから、今後様々な形で協力を得られることは想像に難くありません。
最後に繰り返しになりますが、市が直営の現場を持つことが、民間幼稚園に対して、より説得力のある実践や、提案など、指導的役割を発揮できることにつながります。八幡東幼稚園の地で、子ども園をはじめ、何らかの形で子ども達と直接かかわれる環境を求めて、討論を終わります。