赤穂御崎にて 2024.4.10
Caitlin Tarver & Max Mross - Say Something (Cello/Piano Cover)
大石内蔵助が船で赤穂を離れる際に見納めたとの逸話にちなんで御崎の海岸遊歩道沿いに植えられている「大石名残の松」です。
万葉岬が見える
ライオン岩の先は万葉集で謳われた山部赤人の碑がある万葉岬
赤穂御崎にて 2024.4.10
Caitlin Tarver & Max Mross - Say Something (Cello/Piano Cover)
大石内蔵助が船で赤穂を離れる際に見納めたとの逸話にちなんで御崎の海岸遊歩道沿いに植えられている「大石名残の松」です。
万葉岬が見える
ライオン岩の先は万葉集で謳われた山部赤人の碑がある万葉岬
2020
種田山頭火
円通寺 2013.08.08
大正・昭和の俳人。季語や五・七・五という俳句の約束事を無視し、自身のリズム感を重んじる「自由律俳句」を詠んだ。本名は正一。山口県防府の大地主の家に生まれる。
父は村の助役を務めたが、妾を持ち芸者遊びに夢中になり、これに苦しんだ母は山頭火が10歳の時に、自宅の井戸に身を投げた。
井戸に集まった人々は「猫が落ちた、子供らはあっちへ行け」と山頭火を追い払ったが、彼は大人たちの足の間から母の遺体を目撃し、心に深い傷を残す。
現・防府高校を首席で卒業した後、早稲田に入学。しかし22歳で神経症の為に中退して帰郷する。
この頃、生家は相場取り引きに失敗して没落しており、立て直しの為に先祖代々の家屋敷を売り、彼は父と酒造業を開始する(24歳)。27歳で結婚、子を持つ。
10代中頃から俳句に親しんでいた山頭火は、28歳から“山頭火”を名乗って、翻訳、評論など文芸活動を開始。31歳、俳句を本格的に学び始め、俳句誌に掲載されるようになる。
34歳、実力が認められて俳句誌の選者の一人になるが、翌月に「種田酒造場」が倒産(酒蔵の酒が腐敗するなど2年続きで酒造りに失敗した)。
父は家出し、兄弟は離散する。山頭火も夜逃げ同然で妻子を連れ九州に渡った。翌月、古書店(後に額縁店)を熊本市内に開業するがこれも失敗。
36歳、弟が借金に耐え切れずに自殺。37歳、行き詰った山頭火は職を求めて単身上京し、図書館で勤務するようになる。38歳、熊本にいる妻から離婚状が届き判を捺した。
40歳、神経症の為に図書館を退職。翌1923年に関東大震災で焼け出され、熊本の元妻のもとで居候となる。
42歳、熊本市内で泥酔した山頭火は市電の前に立ちはだかって急停車させる事件を起こす(生活苦による自殺未遂と言われている)。
市電の中で転倒した乗客たちは怒って彼を取り囲んだが、現場に居合わせた新聞記者が彼を救い禅寺(曹洞宗報恩寺)に放り込んだ。
翌年これが縁で山頭火は出家して耕畝(こうほ)と改名、郊外の味取(みとり)観音堂の堂守となった(43歳)。生きる為に托鉢(たくはつ)を続けて1年余が経った1926年(44歳)、4月に漂泊の俳人尾崎放哉が41歳の若さで死去。
山頭火は3歳年下の放哉の作品世界に共感し、句作への思いが高まり、法衣と笠をまとうと鉄鉢を持って熊本から西日本各地へと旅立った。
この行乞(ぎょうこつ、食べ物の施しを受ける行)の旅は7年間も続くことになり、その中で多くの歌が生まれていく。
最初に向かったのは宮崎、大分。九州山地を進む山頭火は旅始めの興奮をこう詠んだ--
「分け入っても分け入っても青い山」。
続いて中国地方を行乞し、46歳で四国八十八ヶ所を巡礼。小豆島では憧れの放哉の墓を訪れた。1930年(48歳)、思うところがあり過去の日記を全て燃やす--
「焼き捨てて日記の灰のこれだけか」「こころ疲れて山が海が美しすぎる」。
1932年、50歳を迎えた山頭火は、肉体的に行乞の旅が困難となり、句友の援助を受けて山口県小郡の小さな草庵に入り「其中庵(ごちゅうあん)」と命名する。
湯田温泉にも近く、ここに7年間落ち着くことになる。
深酒は相変わらずで、当初は近隣の人々から不審な旅僧と見られていたが、高名な俳人が山頭火を讃えたこと、其中庵での句会に多数の句友が集まったことから、次第に彼への接し方が温かくなっていった。
※山頭火の酒豪ぶりはハンパじゃなかった。本人曰く泥酔への過程は「まず、ほろほろ、それから、ふらふら、そして、ぐでぐで、ごろごろ、ぼろぼろ、どろどろ」であり、最初の「ほろほろ」の時点で既に3合だった。
酒と俳句については「肉体に酒、心に句、酒は肉体の句で、句は心の酒だ」と語っている。
そしてこの年、出家からこれまでの作品をまとめた第一句集『鉢の子』が刊行される。九州、四国、中国地方を歩き続けた日々、山頭火の魂の遍歴がここに刻まれた。
岩のよろしさも良寛さまのおもいで
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