SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ドッグフードの原材料を見てみよう アーガイルディッシュ1

2019-06-14 16:43:07 | ドッグフード原材料シリーズ
ドッグフード原材料シリーズ第15回目です。

今回はアーガイルディッシュ。
このフードもキアオラ やナチュラルハーベストのように日本法人が海外で作っているフードです。
メーカーであるナチュラルセレクトジャパンの公式HPはこちらです。



「たまには解説したフード、ニコにも食べさせて」

そうだね、また今度ね。ニコ、目が据わってるよ😅 


このフード、わざわざ『認定オーガニックドッグフード』と名乗っているのには理由があります。
この製品は単に「オーガニック(無農薬有機栽培)の原料を使用している」だけでなく、
添加物以外の原材料が全てオーガニックなので、出来上がった製品自体が
原産国であるオーストラリアのオーガニック認定を取得しているんですね。

肉だけ、野菜だけなど原材料の一部だけがオーガニックでは
製品自体はオーガニック認定されないんですよ。
でもなぜ日本ではなくオーストラリアの認定を受けているのか?と言いますと
日本のオーガニック認定に当たる農水省の有機JAS認定では
ペットフードは対象外だからなんだそうです。

※追記
その後、日本でも有機認定を取得しているようです。失礼しました。

この辺りはナチュラルセレクトジャパンさん、苦労して闘っていらっしゃるようで
上記にリンクを貼ったサイトに色々詳しいお話が書かれています。
原材料についての説明も詳しく書かれていて読み応えがあるのでお勧めです。

 
それでは、アダルト用の製品の原材料から見て参ります。

有機動物性タンパク質(ラム肉、牛肉) 

有機全粒シリアル(玄米、オーツ麦、白たかきび、ミレット、大麦)  

有機植物性タンパク質(ひまわり種子) 、オメガ3&6植物性オイル(フラキシードオイル) 

ブルーベリー抽出物、ユッカ、クロレラ、ビタミン&アミノ酸キレートミネラル(*1)
 
(*1) 
ビタミン(ビタミンA、ビタミンB1、B6、B12、リボフラビン、ビオチン、ナイアシン、
パントテン酸、塩化コリン、L-アスコルビン酸、ビタミンD3、葉酸)、β-カロテン、
アミノ酸亜鉛キレート、アミノ酸鉄キレート、アミノ酸マンガンキレート、
アミノ酸銅キレート、ヨウ素酸カルシウム、塩化カリウム、亜セレン酸ナトリウム、
アミノ酸類(アルギニン、トリプトファン、リジン、L-カルニチン)、タウリン、イオウ、クエン酸

一番最初に書かれているのが動物性タンパク質のラム肉と牛肉なのは頼もしいですね。
これらはもちろんどちらもオーガニックです。
無農薬有機栽培の飼料だけを与えられ、屋外での運動時間なども規定されている羊や牛の肉です。
アダルトではラムとビーフは5対5、シニアフードではラム6ビーフ4の割合だそうです。

そして次に穀物類の名がたくさん挙がっています。
有機と表記されている通り、これらは全てオーストラリア産のオーガニック穀物です。
玄米はデンプン質の他にビタミンミネラルなど多くの栄養を含みますが
不溶性食物繊維が多く、残念ながらあまり消化はよくありません。
オーツ麦は日本語ではえん麦。オートミールの元になっている穀物ですね。
麦と名が付きますが、小麦のようなグルテンを含まないため、小麦よりは犬にも消化しやすいようです。
ビタミン、ミネラルを豊富に含み、食物繊維も豊富です。
白たかきびはソルダムと言った方が馴染みがあるかもしれませんね。
食物繊維とミネラルを豊富に含み、グルテンを一切含まないためアレルギーがある場合の
小麦の代替としてよく使われます。
痩せた土地でもよく育つため、将来が有望視されているそうです。
ミレットはキビです。桃太郎のきび団子のキビね。
ビタミンB群やミネラル、食物繊維を多く含みます。
大麦、麦ごはんに使われる麦、あれが大麦です。食物繊維を多く含みます。
小麦にアレルギーがある場合、大麦にも反応することがあるのでご注意ください。

植物性タンパク質としてヒマワリ種子の名が挙がっていますが、なぜタンパク質なんだろう?
ヒマワリの種子は栄養豊富で、確かに植物性タンパク質が含まれていますが
メインはどちらかと言えば脂質です。
ビタミンEを始め、ビタミンA、Dやミネラルなども豊富に含みます。
脂質に含まれるのは主にオメガ6脂肪酸のリノール酸です。

そしてその次がフラキシードオイル、フラックスシード と呼ばれることが多いですね。
日本語では亜麻仁油です。
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸を多く含みますが、この製品では肉類やヒマワリ種子で
オメガ6は十分に摂取できるため「要らないんじゃないかな」という気はします。
植物性のオメガ3脂肪酸は犬には活用し難いため、オメガ3の摂取はあまり期待できません。
このフードを与える場合、フィッシュオイル などDHAやEPAのオメガ3をプラスしてください。

ブルーベリー抽出物というのは、多分ブルーベリーのアントシアニンを抽出したものかな。
アントシアニンは強力な抗酸化物質で老化防止、中でも目に良いとされています。
ブルーベリーもオーストラリア産のオーガニックだそうです。

ユッカは海老芋みたいな形の地下茎野菜です。
ビタミンB群、C、βカロチンやタンパク質、ミネラルを多く含みます。
ユッカに含まれるサポニンは抗炎症作用が強く、関節炎のサプリなどにも使われます。

クロレラ、健康食品のロングセラーですがドッグフードに使われているのは珍しいですね。
植物性のプランクトンで、タンパク質、脂質、炭水化物の他ミネラルやビタミンも豊富という
スーパーフードなのですが、固い殻のような細胞壁を持つため非常に消化し難いのが欠点。
巷の製品はいろいろな方法で細胞壁を砕く加工がされているそうですが
ここで使われているのはどうなのかなあ。その点がちょっと不明です。

ビタミンとミネラルの添加物は、一覧になっています。
この製品のミネラル類はアミノ酸とくっつける加工をすることで吸収されやすくなっています。
ちょっと「あれ?」と思ったのは、生のラム肉と牛肉を使っているわりにアミノ酸類の添加が多いこと。
アルギニン、トリプトファン、リジンは10種の必須アミノ酸の中の三つで、
ラムやビーフなど動物性タンパク質をしっかり食べていれば、普通に摂取できるものです。
Lカルニチンはラム肉に多く含まれる成分なのに、あえて添加する?という疑問も。
タウリンは必須アミノ酸のシステインとメチオニンから合成されるのですが
この製品は穀類などの食物繊維が非常に多いため、タウリンの吸収が邪魔されやすく
その点を考えるとタウリンについては納得です。

生のお肉を原材料としているので、加工後に水分が抜けた状態では動物性タンパク質の
割合は意外と低い数値になっているのかもしれないですね。
アミノ酸類の添加が多い理由の裏にはそういう可能性もあります。

それから酸化防止剤としてはクエン酸が使われているので、ぬるま湯でふやかすなど
水分をプラスして与えるのはできれば避けた方が良いかと思います。
統計では、クエン酸を含むフードに水分を加えると胃拡張の発生率が少し上がるという発表があるからです。

全体にとてもシンプルなレシピなので、愛犬の体調に合わせてトッピングやハーブ類などを
プラスするには使い勝手が良さそうな印象です。
ただ穀類の種類が多く、その全てが全粒穀物なので食物繊維がかなり多いと思います。
その分、便の量や回数が増えると推測されますし、アミノ酸やミネラルの吸収を邪魔する可能性もあります。

製品から連想されるイメージよりは、動物性タンパク質は多くない印象です。
もちろん必要な栄養素はきちんと満たされているし、良質なフードだとは思います。

同じアーガイルディッシュでアレルギーに配慮したというグレヴィレアという製品では
タンパク質源も、製品の方向性も全く違うので、ここで一旦切りますね。




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18 コメント

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Unknown (kuriko)
2019-06-15 10:19:54
アーガイルディッシュありがとうございます!

最近はこれとナチュラルハーベストのローテーション+手作りでお腹の調子が良いので、穀物多そうなのは気になるかな?と思いますが、これで様子見てます😊

それにモネは偏食なんですけどこのフードはカリカリ美味しそうに食べるんですよね。

フードの表面がベタベタじゃないのも気に入ってます。
返信する
kurikoさん、コメントありがとうございます。 (あが)
2019-06-16 14:16:56
モネ君のお腹の調子が安定しているなら何よりです。
それに美味しそうに喜んで食べてくれるのは一番嬉しいですよね。
そう言えばこの製品はチキンエキスとかタンパク加水分解物が使われていないですね。
kurikoさんが以前からフードの表面のベタベタが気になると仰っていた点は鋭い目の付け所ですよね。
返信する
Unknown (まほ)
2019-06-17 15:30:08
初コメントさせて頂きます!
現在この「グレヴィレア アダルト」をあげています。
というのも、グレインフリーかつ低脂肪なフードがこれしかないからです。
(他に候補がありましたらぜひ教えて下さい!)
グレインフリーは大抵高脂肪なのが悩みです・・・

不安というか気づいたことは
めずらしいオーストリア生産(&日本の会社が企画?)なので
生産体制や品質管理とかはどうなっているのかな?という事です。

いつも賞味期限が短め(現在手に入る物で2019年12月)なのですがこれは良い事なのでしょうか?他のフードはほとんど2020年期限です。

パッケージには「手作り食のベースフードとして」など手作り食に理解があるかんじで、会社の考え方には好感を持っています(^^)
返信する
まほさん、コメントありがとうございます (あが)
2019-06-18 17:36:28
初めまして。
グレヴィレアをご利用なさっているんですね。
ご愛犬の体に合っていて喜んで食べてくれるなら問題はないと思います。
グレインフリーと低脂肪を選んでいるのは何か理由がお有りでしょうか?
例えばグレインフリーがグルテンを避けるためなら
グルテンフリー(米などグルテンを含まない穀物は使っている)フードまで選択肢が広がりますし。
生産や品質管理などについては、気になる点があれば
問い合わせフォームで質問すると答えて下さるのではないかと思います。
賞味期限が短めなのは良いことだと思います。
メーカーも製造したものをすぐに出荷しなくてはいけないということですから
期限の長いものよりも新鮮である確率が高いです。
そういう点でも好感がもてる会社ですね。
返信する
Unknown (まほ)
2019-06-18 23:49:53
あがさん
ありがとうございます<(__)>
仰るとおりグルテンを避けるためにグレインフリーな高蛋白高脂肪食を何年も続けていましたが
「お年寄りワンコのお腹には高脂肪が負担らしく、低脂肪食を探しております

グレヴィレアの原材料にキヌア・タピオカ・ジャガイモなどもありますので
厳密な意味でグレインフリーではないかもしれません~(><)
もう穀物を許可して(?)幅広く良いフードを選んでいこうと思い直してます

賞味期限が短めなのは良いことなんですね
先程販売ページを見たら「賞味期限が始めから短くなっており、2ヶ月〜3ヶ月程度の賞味期限のものをお届けさせて頂く形」と書いてありますね
袋は窒素充填されてますし新鮮さを意識しているメーカーさん素敵かも・・・


あがさん本当に真剣にワンコの食を考えておられて勉強になります


※ちなみに↑最新賞味期限は2019年12月ではなくて2019年9月でした(><)
ホントに短いです~
返信する
まほさん、コメントありがとうございます (あが)
2019-06-19 17:28:39
なるほど、避けたいのはグルテンですね。
ちょっと他のフードも見てみると、nowフレッシュのグレインフリーシニア&ウェイトマネジメントは
グレインフリーの低脂肪(11%)ですね。
https://www.green-dog.com/shop/products/detail.php?product_cd=NOWINSW8-00

一般にグレインフリーというのは小麦、大麦、オーツ麦、米を使っていないのを指すメーカーが多いですね。
でもメーカーによって、小麦と大麦だけを対象にしてグレインフリーという場合もあるし
グレインフリーでもトウモロコシは使われている場合も多くてまちまちなんです。
そもそもグレインフリーというきちんとした定義も無いんですね。
ただグルテンは確かに犬には消化しにくいものですし
少なくとも小麦を避けるのは良いことだと思います。
アーガイルディッシュのメーカーさんは本当に真摯な姿勢で取り組んでいらっしゃると思います。
まほさんのおっしゃる通り、素敵ですよね。
返信する
Unknown (りん)
2019-08-19 13:45:43
うちは、アーガイルデッシュ シニアを与えています
8才で少々太り気味なので・・。今まではモグワンを食べさせていましたが、色々ネットを見るうちに変えてみたほうがいいのか?と思い
シニアは穀物が入っているので気にはなりますが
下痢等はしてはいません。少々便の量が増えます
それと、あならも増えました。
ちなみに、飼われている愛犬にはどのフードを食べさせていますか?教えてください
返信する
りんさん、コメントありがとうございます (あが)
2019-08-19 17:40:34
アーガイルディッシュに使われている穀物は小麦やコーンは含まれていないし
食物繊維が多い低GI値のものばかりですから心配はいらないと思います。
食物繊維が多い分、便は増えてしまいますが。
おならは無臭でしょうか?もし臭いニオイがあるなら消化不良なのでちょっと対策が必要かもしれません。

これだけフードの解説をしておいて何なのですが、うちは基本手作りです。
忙しい時など非常用に置いているのはオネストキッチンのフリーズドライフードと
缶詰ならキャスター&ポルックスのオーガニックスです。
返信する
Unknown (りん)
2019-08-20 09:52:30
あならは、無臭のようです。便をするまえに
散歩中ぷっ、ぷっとし便をします。
匂いも気がけてみようとおもいます

手作りですか、手作りが安心ですが、量などどのくらい与えていいか?またバランス等もきになって試せません
たまに馬肉を炊いてフードにかけてあげると大喜びです
返信する
りんさん、コメントありがとうございます (あが)
2019-08-21 17:18:20
無臭なら良かったです。
おならが出るということはガスが溜まらずに出ているので
消化不良でなければ良いことです。
手作りは何が入っているか安心なのは良いことですが
バランスは大丈夫だろうか?とやっぱり心配になります。
トッピングは良いアイデアですね!
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