いじめと自殺:学生の提言

2012年08月04日 | いのちの大切さ

 ここのところずっと膨大なレポートの採点に忙殺されています。ようやく3分の2くらいこなしたところです。

 その中で、大津のいじめと自殺の事件にふれて、学生が次のような感想―提言をしてくれたものがありましたので、ご紹介したいと思います。



 H大社会政策学科1年男子

 この本(テキスト『コスモロジーの心理学』―筆者注)を読み、授業を受けたことで「宇宙とのつながり」に気づけ、意識できたことは自分にとって大きな収穫だったと思います。

 自分はあま悩みの多いタイプではないですが、この本の力を必要としている人が日本にはたくさんいると思います。

 近ごろは若年層の自殺も増えています。

 先日の大津の話もそうですが、まだ僕より幼い子が一人悩み、死を選んだ心境を想像するとものすごく胸が痛みます。

 もし、彼が、先生、せめて『コスモロジーの心理学』に出会っていたならば、死ななくて済んだのではないかという思いもあります。

 自分は一人ではない、みんなつながっている仲間だと思えたら…。これは加害少年側にも言えると思います。

 彼らがつながりを意識し、やさしい心をもっていれば、死に追いやることはなかったと思います。

 いじめられている側の救いにもなって欲しいですが、いじめている側の救いにもなって下さい。

 また、こうしてつながっている仲間たちが亡くなったわけですから非常に悲しいです。

 震災もそうですが、「つながっている仲間」が亡くなった、いなくなったということを意識するだけで大きくかわっていくように思います。



 H大社会政策学科1年女子

 先生の講義を受けて、コスモロジーやエゴイズム、ニヒリズムなど、今までなんとなく聞いたことのあるような言葉の意味が徐々にわかるようになってきました。

 世間の人々はニヒリズムの人ばかりなのではないかと思います。

 今、ニュースになっている中学生のいじめ問題も、自分が宇宙の一部だとか人類はみな親せきだとかいった考え方をもっていたら、孤独じゃないと思えて、自殺なんて絶対にしなかったと思います。

 いじめられた方だけではありません。いじめた側も、現代科学的な考えを持っていたら、いじめることはできなかったはずだし、ニヒリズムに染まってしまっていて、本当にかわいそうだなと思います。

 中学生には難しい話かもしれないけれど、宇宙と自分の一体性を人類全員がわかっていたら、いじめはもちろん、紛争や戦争だって起こらない、平和な世の中になると思います。

 自分は宇宙の一部だと知ったときの驚きと感動と、そのときに生まれる心の余裕をもっと多くの人に知ってもらえたらいいのになと思います。



 筆者は、中学や高校で講演をしたことはありますが、日々の教育実践に関わったことはありませんので、断定はできませんが、コスモロジー教育には、いじめや自殺の防止に大きな効果を期待できると確信しています。

 現代科学のコスモロジー(宇宙論)を教えたくらいで、自殺を防止することができるのか、という疑いをもたられる読者のために、以下の学生の報告を掲載しておきます。7月23日の記事と合わせて読んで参考にしてください(掲載に関し、学生たちには、予め了承をとってあります)。



 H大社会政策学科1年男子

 私は今回かなりのワクワクと共にこのレポート課題をやっていた。

 すべての授業に出席するにつれ、自分の考えと改めて対峙することができたと感じている。

 このように宇宙というような極めてスケールの大きいものでも、元をたどれば、私たちと常に関係しているのだ。

 宇宙のどこかに地球が存在し、その中に私たちが暮らしている。考えてみれば、かなりの身近な存在であったのだ。

 私は正直驚きをかくせない。先生のこの授業を受けていることによって、ここまで私自身の考えが変わっていっているなんて。

 前のレポートにも書いたが、私は人生のドン底ではないかというくらい沈み、うつになり、死にたいと思っていた。

 が、今、人とのつながり、宇宙とのつながりを感じることにより、自分は一人ではないのだと実感できているのだ。

 先生には感謝してもしたりないくらい私を変えてくれた。

 後期もぜひ、全授業に出席をしたい。

コメント (2)
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