スウェーデンの地理と国民性を知るための古典的な文献は、意外にも児童文学であるラーゲルレーヴの『ニルスのふしぎな旅』(全訳は4巻、偕成社文庫)ではないか、と小澤先生から聞いて、早速入手し、今日、まず第1巻を読み終わりました。
子どもの頃、いろいろな児童文学を夢中になって読んだことを思い出しました。
これは、今読んでもすごくおもしろい! お勧めです。
もともとスウェーデンの子どもたちが国の地理や歴史をおもしろく学べるようにという依頼で書かれたものだそうですが、実によくできています。
これなら、子どもが乗せられて楽しんで学んでしまうでしょう。
そういう大人の側の思惑があることを知ってから読んでも、私も乗せられてしまうのですから。
続きが楽しみです。他にもいろいろやらなければならないこと、読まなければならないものがあって、これに集中できないのが残念ですが。
これから読もうと思っているのですが、村山朝子『『ニルス』に学ぶ地理教育――環境社会スウェーデンの原点』(ナカニシヤ書店)という本もあるようです。
それはともかく、話の筋とはややずれるのですが、ちょうど今の状況を言い当てているなと思う、とてもいい言葉があったので、ご紹介します。
子どもというものは、目の前のことしか考えないで、いちばん近くにあるものをすぐに欲しがる。そして、それをとるために、いったいどんな損なことになるか、よく考えない。
これは、まるで近代人が、経済的利益や便利さを求めるあまり、自分のいのちのベースである環境に関してどんな損をすることになるのか、よく考えていなかった…今もあまりよく考えていないことへの、実に的確な警告であるように感じられました。
目の前のことには賢いけれども、長い目で見るという意味ではまだ賢さが足りない近代人は、もっと大人になって自分を含む人類全体の長期にわたる安全や安心という利益を追求できるよう、もっと賢くなる必要があるのではないでしょうか。
そういう賢さの点では、スウェーデンは世界のいちばん上のお兄ちゃんであるようです。
日本もすなおな弟になれるといいですね。
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