Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

跨年!台湾・環島鉄路之旅【3日目】観光列車で太魯閣峡谷へ

2014年01月09日 | ■旅と鉄道
 旅の3日目・12月30日は、ちょっと足を伸ばして、太魯閣峡谷を目指しました。


 4日間の根城「EASY STAY 台北」は、台北駅前のビル「五鉄秋葉原」にあります。電子製品の店が多いことからこんな名前になったようですが、秋葉原は「AKIBA」と読ませてるあたり、いいセンスしてます。
 すっかり慣れたドアをくぐって、今日も1日の始まりです。


 今日は、ezTravelの観光列車利用ツアー「【秋の軽い旅行】花蓮太魯閣國家公園一日遊」へ参加します。ツアータイトルのうち「秋の軽い旅行」だけ日本語なのが、興味深いところです。参加費は1,999NT(7,400円)。
 ツアーの予約にあたっては、ホームページの中国語を頑張って解読し、ネットで申し込み、クレジットで決済。参加券は一昨日、高鉄台北駅にあるこのカウンターで受領しておきました。


 8時11分発の観光列車、「環島之星」に乗り、太魯閣峡谷の玄関口・花蓮まで向かいます。環島之星は台湾を一周する観光列車で、時計回り・反時計回りでそれぞれ毎日1本の運行。列車利用のさまざまなツアーは、このダイヤを駆使して組まれています。
 「ななつ星」が話題の九州ですが、環島之星式の観光列車というのもアリかも。


 環島之星は、日本のグリーン車を超えるゆとりがある3列シートで、贅沢な気分になります。ご覧のように、ほぼ無人の車両もありました。
 なお台北~花蓮間以外では急行「莒光」扱いの普通車も連結され、一般の乗客も乗ることができます。


 日帰りツアーながら3食付きなのは嬉しく、さっそく朝食のパックが配られました。野菜とサンドの洋風ブレックファーストは、なかなかおいしかったです。飲み物も配られます。
 ただ環島之星には食堂車があると聞いており、そこでの食事を楽しみにもしていたのですが、残念ながら連結されていませんでした。帰路の列車にはあるかもしれないので、楽しみにしておきましょう。


 台湾では主要都市は西海岸に連なっており、東海岸を結ぶ東部幹線は九州に例えるなら日豊本線的なポジション。ただ西部幹線のように、別会社の高速鉄道が並行していないため、台鉄にとって台北~花蓮間は稼ぎ頭でもあります。
 振り子式の特急電車も頻繁に行き交っており、列車種別上では急行的なポジションの環島之星は、特急に追い抜かれてしまいました。

 側溝から湯気が上がっていたのでオヤと思っていたら、最初の停車駅、礁渓に着きました。温泉地とのことで、別府の姿と重なります。ますます日豊本線っぽい!


 先頭車にはカウンターバーがあり、礁渓を発車した頃から営業開始です。各種ドリンクがフリーで、何杯でも頂けます。
 ただし、列車の旅に欠かせないアルコール類はなし。この先、他の列車でも車内販売でアルコール類を見らず、車内で飲んでいる人も見かけませんでした。公共の場で飲まないのが、台湾のマナーなのかもしれません。


 カウンターバーの奥には、こんなに楽しい施設が!車内カラオケボックスです。こちらも無料で楽しめます。
 ご家族連れが盛り上がっていましたが、僕が来るとサッと曲目リストを渡してくれました。日本の曲もあるようだけど、一人で歌うのも寂しく、今回はパス。いつか車内で歌ってみたいものです。


 ぐずついた天気が続いていた台北でしたが、花蓮まで下ると晴れ間が見えてきました。青く透き通った海に、南国へ来た実感がようやく沸いてきます。
 海の青さは違うけど、ここでも日出から別府にかけての日豊本線を思い出しました。


 約2時間半で、花蓮に到着。隣に並ぶのは、日本製傾斜式列車のプユマ号。どこまでも日豊本線みたいです。それにしても暑い!台北とは気温が全然違いました。
 駅前に待っていたEzTravelのおじさんに、参加の受付をしてもらいました。おじさんは日本語OKでしたが、ガイドさんは英語までとのこと。中国語はできないからよろしくと、引き継いでもらいました。




 心地よく冷房の効いた、ハイデッカーのバスに乗り込みます。ガイドさんはずっとしゃべりっ放しですが、車窓案内のようです。言葉が分かれば、もっと楽しめるんだろうな。


 まずは最初の見学地、景勝地の七星潭へ。石ころの海岸には、曇り空にも関わらず青い海が広がります。これだけでも、来てよかったと思える風景でした。
 お正月のニュースでは初日の出の様子も流されており、日の出の名所でもあるようです。


 昼食は、市内のパークビューホテルにて。海岸にリゾートホテルができるまでは、花蓮でもトップクラスのホテルだったとか。
 テーブルには、日本人グループ(&案内役の台湾のご友人)に、現地のご夫婦が同席しました。


 台湾に来て以来、ご飯は簡単にしか食べてこなかったので、初めての豪華なご飯に感動!さすがは一流ホテル、どれも よか味がします。
 モリモリご飯を食べてたら、ご夫婦がウェーターさんに ご飯のお代わりを頼んでくれました。台湾の方は親切だなぁと思ってたら、ご夫婦は上海からの参加なのだとか。変な先入観はいけませんね。


 満腹のお腹を抱えてバスに戻り、いざ本日のハイライト・太魯閣峡谷へ!
 市内から40分、台湾の東西を結ぶ標高3,000mの隘路「東西横貫公路」入口の門をくぐれば、いよいよ渓谷です。


 切り立った崖に、「大地の裂け目」という比喩がしっくりきます。


 幹線道路でもあり、狭い道で頻繁に対向車と行き違います。崖側の車が譲るというルールはないようで、谷側を走るバスがバックするシーンもしばしば。落ちれば深い谷底へまっさかさまで、手に汗を握るシーンが連続します。
 運転士の腕は確かですが、何もこんなでかいバスを乗り入れさせなくてもとも思います。


 景勝地、燕子口の前で下車。バスは先の駐車場へと走り去り、散策タイムのスタートです。
 安全のために、無料レンタルのヘルメットを着用。ヘルメット自体は工事現場でかぶり慣れていますが、ちょっと汗臭くて萎えます。


 下を見れば深い谷、上を見上げればどこまでも高い崖。写真1枚には収まりきれないスケールの景色です。


 人間の小ささを実感する風景ですが、しかしここに道を切り拓いたのも、また人です。


 壮絶な工事を想起させる造形に、先人たちの苦労が忍ばれました。


 花蓮の街に戻る頃には、夕方の下校の時間に。道には、楽しそうに家路に着く学生の姿が目立ちました。台湾の通学服、なかなかラフな感じです。
 パークビューホテルに戻り、お土産タイムか何かと思ったら、宿泊付きコースの人はここに泊まるのだとか。一晩ゆっくりして、明日の環島之星でさらに南へ下るようです。つられて降りなくてよかった!


 16時40分に花蓮駅へ。17時発の台北行き「環島之星」まで、いい頃合いです。
 花蓮駅では、急行「莒光」扱いの普通車の切り離しと、「環島之星」用客車の連結が行われます。一時的に電源車が切り離されるため、残された車両の車内は真っ暗になっていました。


 残念ながら、帰路の「環島之星」にも食堂車の連結はありませんでした。台湾唯一の車内での食事も楽しみだったし、台鉄の萌えキャラがラッピングされた「痛車」状態の外観も見てみたかった!
 代わりの夕食は駅弁。米どころとして有名な池上米を使った、「池上弁当」でした。食堂車に乗れなかったのは残念だけど、初めての台湾の駅弁、おいしかったです。


 さらに台湾らしいなと思ったのは、デザートがボリュームたっぷりのフルーツ盛り合わせだったこと。これだけでも、お腹いっぱいになりそうでした。
 ホテルで食べたスイカも甘くておいしかったし、さすがは南国、果物には恵まれています。


 20時前、台北駅に到着してツアーは終了。鉄道旅行も楽しめる、充実したツアーでした。


 でもまだまだ1日は終わりません。荷物を置いて、夜の街並み散策に出かけてみました。
 総統府は日本時代の建物で、今は台湾の中枢。威厳を感じられる建物ですが、立ち並ぶ亜熱帯植物が南国の雰囲気も醸し出します。


 そのまま歩いて西門町へ。若者の集まる繁華街で、平日の夜にも関わらず真昼のような賑わいでした。
 レンガ造りの西門紅楼の周りはオープンカフェ風になっていて、お洒落にお酒も楽しめます。外で堂々と飲んでいる光景は、台湾3日目にして初めて目にしましたが、大声で騒ぐ人もおらず大人な雰囲気です。


 歩行者天国は明るく、昼間のよう。夜中の繁華街なのに危なっかしい感じはなく、店もほとんどが開いていて買い物も楽しめます。


 何やら行列のできている店を発見。店の周りでは、大勢の人が立ち食いで麺をすすっています。ちょうど小腹も空いてきていたし、寒い体を温めたい!というわけで、列に続くことに。
 10人以上並んでいましたが、列はどんどん進んで、5分も待ちませんでした。


 最初は「小」(45NT)を頼むつもりでしたが、あまりにおいしそうなので「大」(60NT=220円)に。ホルモンの入った麺は独特の風味はありますが、つるりと入りおいしかったです。
 後から知ったのですが、阿宗麺線はなかなかの有名店のようですね。たまたま出会えて良かった!

 部屋に戻ると、またメンバーが何人か入れ替わっていました。
 しかしそこは男の一人旅同士で、すぐに意気投合。また夜更かししてしまったのでした。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (うえしょう)
2014-04-19 23:43:08
はじめまして。
「環島之星 予約」で検索してきました。

私も2年前の秋に環島之星で太魯閣観光をしてきたのですが、同じような旅行をされたみたいですね。
(ひょっとしたら私のサイトも見られたのかな?)

私の乗ったときは平日でお客さんが少なく、もっと小さいマイクロバスで太魯閣に行きました。あと、大理石のお店にも寄りました。

本題とは変わりますが、私は韓国によく旅行しておりまして、貴サイトは以前に韓国関連で検索したときに発見し、留学記を興味深く読ませていただきました。
お返事遅くなりました! (ちゃん(管理者))
2014-05-10 09:20:54
うえしょう様、はじめまして!
お返事遅くなり、申し訳ありません。

台湾旅行前にはかなりのサイトを研究しましたので、おそらく貴blogの足跡も踏んでいるのではないかと思います。おかげさまで楽しい旅行になりました。

留学記は、今自分で読み返してみても、10年一昔といったところです。時代の記録として楽しんで頂けたらと思います。
念願の・・・ (tanzu)
2014-11-16 17:36:08
いつかは台鉄で花蓮に・・・あしかけ3年の願いがかないそうです。

沢山のブログから見つけた時は希望の光がさした程です。
環島之星について詳しいブログが見つからなかったので
少々不安に思っていたところでした。

無事に予約をとることができ来年の2月、花蓮太魯を
満喫してきます。

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