Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

筑後・吉井のブックカフェと、おひなさまめぐり

2017年02月18日 | □久留米発えことりっぷ
 久留米市の隣町、うきは市・吉井。白壁の土蔵が連なる歴史ある街並みは、毎年2月から3月にかけ、「おひなさま巡り」で賑わいます。
 今年は25周年という、節目の年。ちょっと気になっていたお店もあったので、土曜日の午後、ふらりと吉井へ出かけてみました。


 通町の我が家から久大本線に乗るなら、わざわざJR久留米駅にまで行くより、久大本線の駅まで直接出た方が便利。JR南久留米駅まで、自転車を漕いで10分です。
 南久留米駅の平屋建ての木造駅舎は、背後の巨大マンションに飲み込まれそうです。


 SUGOCAに対応しているのは、旧久留米市内の善道寺までなので、きっぷを購入。
 駅事務室に詰める駅員さんの姿があり、ほっとします。若松線ですら無人化計画がある中、いつまで健在か心許なくはありますが。


 筑後平野を思いのほか飛ばす普通列車に揺られ、約30分、筑後吉井着。駅前は静かだけど、こちらも有人駅です。特急も停まります。


 国道210号に出れば、車通りが多くて、これはこれで落ち着かない感じ。
 中心部に進むにつれ、歩道が広くなってきてました。通りに飾られた生花に、なごみます。


 街中まで出てくると、ひなまつりの雰囲気が出てきました。市の施設だけでなく、個人のお店も協賛して、ショーウインドウが華やかに飾られています。


 今日の目的地の一つ、MINOU BOOKS CAFEへ。書店が成り立ちにくい地方の街にあって、カフェと暮らしに根付いた選書で定着を目指す、新しい「町の本屋さん」です。
 建物は、古びていながらもいい味を出している、タイル張りのRC2階建。もとは魚屋さんだったそうです。


 建物の中も、古い鉄骨やガラスはそのままです。手の入れらた範囲は最小限だけど、それが古臭さにならないセンスが素晴らしい。
 本屋のスペースは小さなもの。でも見たことのない本や雑誌も多くて、楽しく書棚を巡りました。どんな本でもネットで買える今だからこそ、手に取らねば良さが分からない本がある本屋さんは、大切です。それも身近なところに。


 ブックカフェとはいっても、会計前の本をカフェに持ち込むのはNG。雑誌を買い求め、サンドイッチを食べました。新鮮野菜がシャキシャキ鳴って、うまいです。
 カフェコーナーにある、自由に読んでいい本のラインナップも充実していて、ゆっくりくつろげました。


 2階に入っているのは、生活購買店reed。普段使いできる良質な雑貨が揃っていて、MINOU BOOKS CAFEに近いコンセプトを感じます。
 おしゃれにラッピングしてもらえるみたいなので、知人・友人への贈り物選びにもいいかも。






 ひさびさに歩いて巡る、吉井の白壁の街。身近な街なのに、もう10年以上ぶりです。カフェやらギャラリーやら、ずいぶん増えたような気がします。


 鏡田屋敷へ。築100年を超える、官舎住宅です。
 公式な開館時間は16時30分までですが、時間が過ぎてても入れてくれました。おひなさま巡りの時間が17時までなので、合わせてくれたようです。感謝。




 豪華なひな壇飾り。一つだけでなくいくつも並び、かざり方の様式や人形の表情は、個性豊かです。
 管理が難しくなってきた人形の寄贈を、市内のあちこちから受けているそうで、年々数は増えているとか。多くの人目に触れられて、おひな様も喜んでいるのでは。


 2階へ上がる階段には、曲線の意匠が。やさしく、優美な印象を与えます。


 屋敷の2階は、楼閣のような造りに。風通しがよくて、夏場は気持ちよさそうです。
 今でこそ家が建て込んでいる周囲ですが、建築当初は耳納連山を見渡せたんじゃないかなと思います。


 鏡田屋敷の西側の路地を下ると、水路の立体交差に出会いました。
 たびかさなる干ばつに見舞われた末、筑後川の導水で豊かな土地となっていったという吉井。立体交差水路も、灌漑の工夫の跡なんでしょうか。


 身近な街にも旅がある。なんだか得した気分で、帰路の列車に揺られました。