ロックスターの栄光と挫折はもう定型でなにも珍しいものはないんだけど、
ミュージカルとしてエルトンジョンの歌をたっぷり楽しめるので、まあいい映画と思う。
最近だと「ボヘミアン・ラプソディ」や「アリー スター誕生」とかがありましたね。
しかし、人間の孤独と、愛されたい欲求というのは困ったものやね。
さらに、毒親の、お前は誰にも愛されないという呪いの深さよ。
それをわたしはとてもよく知ってる。
大人になってもどんなに年を取っても、成功して何もかも手に入れても解けない呪い。
その呪いで人生をダメにしてしまった人も多いだろう。
愛されたい、愛されない、それでもがいて、どんどん孤独を深める。
これは本当にかわいそうで、映画の中の、子供時代の彼を抱きしめてあげたい。
愛されたいのに孤独を深めるロックスターの、次の間違いが、
愛してくれる人を信じず、利用しようとする人について行ってしまうこと。
驕っていたり、心が弱かったりすると、甘い言葉や見せかけの優しさにすぐ騙される。
そう言うのを見るといつもシェイクスピアの「リア王」を思い浮かべます。
自分だけでなく、愛してくれる誠実な人を信じず傷つけ裏切るリア王のような人を、
馬鹿だなぁ愚かだなぁ自業自得だなぁと思い、とてもはがゆい。
この映画でも途中、やっぱり思いました、ああ、なんでわからないんだろうと。
ただ、いくつもある、若くして死んだ破滅型ロックスターの映画と違って
実際のエルトン・ジョンは今もちゃんと生きていて、
この映画で彼を演じたタロン・エガートンの「キングスマン2」にも
本人役でなんだか楽しそうに出演してたよね。
乗り越えた稀有な人なのだな。そう言う人もいることにほっとする。
ストーリーは定番だし、主役のタロン・エガートンが好きじゃないし、
途中重苦しくてはがゆいけど、見終わった後の後味はとてもいいです。
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