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   Farsideの過去ログ。

バイオハザード ディジェネレーション

2009-01-01 | 映画の感想 は行
◆ラクーンシティの惨劇から7年。かつてのアンブレラ社に取って代わった巨大製薬企業、ウィルファーマ社のお膝元で全米医薬品会議が開かれることになった。危険なバイオテクノロジーの使用を監視するNGO、テラセーブ(Terra-Save)のメンバーたちは、デイビス上院議員を待ちかまえていた。ウィルファーマ社の特別顧問も務めるデイビス上院議員は、ウィルファーマ社への抗議と情報開示を求めるデモに苦り切っていた。時を同じくして、ハーバードヴィル空港に降り立ったのは、ラクーンシティの生存者の一人、クレア・レッドフィールド。テラセーブで活動しているクレアは、FDAに提出するレポートを携えていた。混雑する空港に、存在しないはずのT-ウィルス感染者、ゾンビが現れる。パニックに襲われた空港ターミナルに、着陸に失敗したジャンボジェットが突入し、あたりは一瞬で瓦礫の山と化す。その機内もまた、生ける屍の群れで一杯だった。


 政府は事態をバイオテロと認定し、空港全域を封鎖。だが、空港内部に閉じこめられたクレアたちの救援要請を受けながら、警察は空港を隔離しただけで状況を静観、待機するのみ。この種の救出任務の先鋒となるのは人質救出などの訓練を受けた警察のSRT(Special Response Team)だが、SRTからの出動要請は却下されてしまう。現場が事態を掌握しきれないままに、事態は地方警察や州警察のレベルを超え、国家レベルの危機管理に変わっていた。現場指揮を執るため、ホワイトハウスから事態に精通したエージェントが派遣されることになり、SRTはその到着を待って行動を開始する。派遣されたエージェントはレオン・S・ケネディ、ラクーンシティのもう一人の生存者だった。空港に突入する救援部隊は、レオンと、SRTのアンジェラ・ミラー、グレッグ・グレンのわずか三名。クレアたち生存者たちと合流し、何とか空港からの脱出には成功したが、事態はまだ、始まったばかりだった。今回の感染事件を起こしたテロリストは、政府に対して「ラクーンシティで起こったことの全てを公表するように」と要求を突きつけていた。もし要求に応えなければ、全米各地でT-ウィルスがバラまかれる。タイムリミットは、あと4時間。


◆モーションキャプチャーによるフルCG映画。監督は『ホワイトアウト』の神谷誠。CGの進歩はかなりのもので、ゲームのムービーを見慣れている眼には違和感はない。日本語吹き替えだと感じが出ないので、英語音声に日本語字幕で楽しむのが吉。


 映画そのものの出来だが、私は大いに気に入った。ただし、純粋な映画としてではなく、バイオハザードの熱烈なマニアとしてだ。ゲームのムービーが96分続く満足感はかなりのもの。この映画は、GC・PS2版「バイオハザード4」の後の物語になる。ラクーンシティの二人の邂逅以外にも、ゲームのファンならピンと来る「あんなこと」や「こんなこと」の数々。SMGは点射じゃないと弾丸の無駄遣いなのが気になったが、歴戦のゾンビハンターならニヤニヤしながら楽しめるだろう。ほとんどの人がそうだろうが、私も劇場ではなくDVDで本作を鑑賞している。このDVDには、7.39GBのディスク容量のうち3.23GBを占める大量の特典映像がついていて、ムービーだけでは得られない満足感がある。ギャグ映像集も秀逸。バイオハザード・シリーズのコアなファンなら、一度は観ておくべきだろう。私はDVDを買ったが、レンタルなどがあるようなら、ぜひそちらでお試しあれ。


 本作のキャラクターは、レオン、アンジェラ、クレアの三人がメイン。レオンは、直近のGC・PS2版「バイオハザード4」のキャラクターとほぼ同じなので違和感はないし、アンジェラは本作のオリジナルキャラ。違和感を感じるとすれば、PS版「バイオハザード2」とPS2版「コードベロニカ」でしか見ていないクレアだろう。これについては純粋に好みの問題なのだが、私のイメージとは大分違っていた。まぁ、PS版「バイオハザード2」では19才、今回は26才だから、雰囲気も違って当然なのだろうが.....。役柄的にも戦う側から守る側に移行しているので、お転婆ではなくなっているし、髪の色とか瞳の色とか、私の中で育っていたイメージとは合わなかったようだ。
 さて、バイオハザード・シリーズの中で私がいちばん好きなキャラクターはエイダ・ウォン。今回は出番がなかったが、次回はぜひエイダを主役で、ジルとレベッカも登場する物語にして欲しいところだ。


 余談だが、ミラ・ヨヴォヴィッチ(タイプミスではありません)がアリスを演じたシリーズの続編は、おそらく作られることはないだろう。映画版『バイオハザード3』ではゲームの世界観を大きく逸脱してしまったし、あの路線での継続は難しい。『バイオハザード』シリーズの監督・制作・脚本で深く関わってきたポール・アンダーソンの子供をが妊娠・出産したこともあり、ミラは一時期ぷにぷに体型になっていた。体型の方は戻ると思うが、年齢的なことも考え合わせると『バイオハザード』や『ウルトラヴァイオレット』のような厳しいアクションは、そろそろ卒業だろう。

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