
『ナッちゃん』第1巻(オルダム継手)の追記で、大阪経済大学の西山豊さんがオルダム継手について書いた記事が存在することを書きました。色々調べて京都の現代数学社が発行している数学雑誌『理系への数学』2006年3月号第39巻3号通巻471号に掲載されている「数学を楽しむ/オルダム継手からエアコンまで 西山 豊」であることが分かったので、出版社に注文しました。二日経って待ちかねた雑誌を手に取ることが出来ました。

西山さんは京大総合博物館で見たオルダム継手に魅せられて、この運動を幾何学的に理解したいと考察を展開します。
「ここに紹介するオルダム継手は、極めて数学的で、その数学も高等な数学ではなく中学生程度の幾何学の知識があれば理解することができるので是非とも読者に紹介しておきたい。」
そしてついにはDIYの店で材料を買い揃えて木製の模型まで手作りしてしまいます。これを雑誌『数学セミナー』に発表すると読者からこの機構がエアコンのスクロール圧縮機に応用されていることが知らされます。

関西在住の西山さんは大阪のダイキンの博物館まで出かけてスクロール圧縮機の模型の動作を「これは面白い!」とデジカメでMPEGに記録します。好奇心旺盛なこの先生の授業はきっと楽しいに違いありません。
手先が不器用な私はPC上でオルダム継手を定義して回してみました。ブログにこの動画を埋め込む方法がまだ分からないので、以下のCGでオルダム継手を説明したいと思います。

まずAを中心とする半径10の円を描きます。次にAから4だけ離れた点Bを中心とし、同じく半径10の円を描きます。座標の目盛りは2.5刻みになっています。
中心Aを通る線分aを引き、円周との交点をCとします。円の中心Bから線分aに垂線bを下ろし、線分aとの交点をDとします。Dを中心として同様に半径10の円を描きます。これらの3個の円は濃いブルーの線で表示しました。
線分aのCと対称の位置ある円周上の点をF、線分bと円Bとの交点をそれぞれGとH、Dを中心と円と線分bとの交点をE・Kとします。線分aとbとがそれぞれの溝に相当するのです。
ここで点Cを反時計方向に一定速度で回転させると、点Dは∠ADB=直角という条件で運動を開始します。中学の数学で習ったように円周角が一定なのでDはABを直径とする円周上を動きます。動画で見ても分かりますが、西山さんも指摘しているように、Cが1周する間にDは2回転します。
そしてDを中心とする円の周上の点E及びKの軌跡を描いてみると楕円運動をしていることが分かりました。黒い線で示しました。面白いですね。
一方のBを中心とする円周上の点G及びHはCと同じ角速度で動くことが分かります。ユニバーサルジョイントは等速で運動を伝えられないのに比較してここがオルダム継手の優れた点です。
これらの軌跡を描くまでの時間は5分程度でした。西山さんの論文には軌跡が描かれていないのが残念でしたが、以下のような「なお溝の直交性は必要条件ではない。角度をもたせておくことだけが必要で、そうすれば二つの軸間に回転運動を正確に伝えることが出来る」という指摘が新鮮でした。早速これを試しましたが、その結果は次の記事に書きます。
西山さんのこの論文は『数学を楽しむ』に収録されていますので、これを購入されることをお勧めします。
↓ポチッと応援お願いします!


西山さんは京大総合博物館で見たオルダム継手に魅せられて、この運動を幾何学的に理解したいと考察を展開します。
「ここに紹介するオルダム継手は、極めて数学的で、その数学も高等な数学ではなく中学生程度の幾何学の知識があれば理解することができるので是非とも読者に紹介しておきたい。」
そしてついにはDIYの店で材料を買い揃えて木製の模型まで手作りしてしまいます。これを雑誌『数学セミナー』に発表すると読者からこの機構がエアコンのスクロール圧縮機に応用されていることが知らされます。

関西在住の西山さんは大阪のダイキンの博物館まで出かけてスクロール圧縮機の模型の動作を「これは面白い!」とデジカメでMPEGに記録します。好奇心旺盛なこの先生の授業はきっと楽しいに違いありません。
手先が不器用な私はPC上でオルダム継手を定義して回してみました。ブログにこの動画を埋め込む方法がまだ分からないので、以下のCGでオルダム継手を説明したいと思います。

まずAを中心とする半径10の円を描きます。次にAから4だけ離れた点Bを中心とし、同じく半径10の円を描きます。座標の目盛りは2.5刻みになっています。
中心Aを通る線分aを引き、円周との交点をCとします。円の中心Bから線分aに垂線bを下ろし、線分aとの交点をDとします。Dを中心として同様に半径10の円を描きます。これらの3個の円は濃いブルーの線で表示しました。
線分aのCと対称の位置ある円周上の点をF、線分bと円Bとの交点をそれぞれGとH、Dを中心と円と線分bとの交点をE・Kとします。線分aとbとがそれぞれの溝に相当するのです。
ここで点Cを反時計方向に一定速度で回転させると、点Dは∠ADB=直角という条件で運動を開始します。中学の数学で習ったように円周角が一定なのでDはABを直径とする円周上を動きます。動画で見ても分かりますが、西山さんも指摘しているように、Cが1周する間にDは2回転します。
そしてDを中心とする円の周上の点E及びKの軌跡を描いてみると楕円運動をしていることが分かりました。黒い線で示しました。面白いですね。
一方のBを中心とする円周上の点G及びHはCと同じ角速度で動くことが分かります。ユニバーサルジョイントは等速で運動を伝えられないのに比較してここがオルダム継手の優れた点です。
これらの軌跡を描くまでの時間は5分程度でした。西山さんの論文には軌跡が描かれていないのが残念でしたが、以下のような「なお溝の直交性は必要条件ではない。角度をもたせておくことだけが必要で、そうすれば二つの軸間に回転運動を正確に伝えることが出来る」という指摘が新鮮でした。早速これを試しましたが、その結果は次の記事に書きます。
西山さんのこの論文は『数学を楽しむ』に収録されていますので、これを購入されることをお勧めします。
↓ポチッと応援お願いします!








京大総合博物館を説明付きで見学されたとは羨ましい。私も早く機会を見つけて見学したいものです。
去年から知り合いになったここ
http://blog.livedoor.jp/porupeppo/
に出かけて、木製の模型を作ってくれるよう頼みに行くつもりです。ここなら近いのでいつでも遊べますね。