271828の滑り台Log

271828は自然対数の底に由来。時々ギリシャ・ブラジル♪

『日本人は知らない「地震予知」の正体』(その3、ギリシャ)

2012-01-25 06:27:00 | ギリシャ
私のブログは「時々ギリシャ」なのですが最近はギリシャネタが書けません。アテネオリンピック以後は日本のメディアでギリシャが報じられることは希でしたが、最近は新聞の一面を飾ることが多くて、私も心配です。イソップの寓話を下敷きにして「キリギリシャ」と揶揄もされています。アテネ在住の方のブログや在日ギリシャ人のテレビ対談も拝見していますが、庶民はしたたかに生活しています。ユーロを離脱してドラクマに戻り、身の丈に合った生活に戻るのでしょうか?
見出しの画像は2004年12月31日に撮影したパルテノン神殿です。あっと言う間に今年はロンドン大会。もう8年が過ぎてしまいました。2004年の大晦日のアテネは時折小雨が降る寒い日でした。群馬と違って地中海性気候のギリシャでは冬はこんな天候です。

世界遺産パルテノン神殿は見ての通り廃墟で、8年前も盛んに改修工事が行われていました。

横から見た仮設の足場です。

資材を運び上げるリフトも撮影しました。8年経過して補修工事は進捗したのでしょうか?この神殿が今のようなみすぼらしい姿になってしまった歴史は以下の動画で大変良く分かります。


動画の中ほどからバイロンの「ミネルヴァの呪い、The Curse of Minerva」が朗読されます。バイロンは、理系の人には最初の女性プログラマ(エイダ・ラブレス)の父親として知られていますが、ギリシャ人にはドラクロアと並んで独立戦争の助っ人として記憶に残っています。



ゲラーさんの本でギリシャも日本と同様に地震大国であることを知りました。

マグニチュード5クラスの地震は平均で20日に1回、マグニチュード5.5クラスの地震は2ヶ月に1回の割合で起こる。(142ページ)

こんな地震多発地帯にあって、パルテノン神殿が2500年もの間倒壊せずにその姿を留めているのは耐震設計が優れていたのです。

このギリシャで提唱された地震予知法が「VAN法」でした。この方法は地表を流れる微弱な電流をを観測・分析して「地震を予知する」ものです。この方法がどの程度「予知した」かは以下の図で明らかです。

クリックすると拡大します。VAN法の提唱者(アテネ大学のバロツォス氏)が観測したのは単なる人工的なノイズだったのです。早い話が「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」でした。
先日、TVで「VAN法の亜流」を見てしまいました。日本では立ち木と地中の電流を観測していました!

以下にゲラーさんの本で示されていた資料を掲げます。

総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会
耐震・構造設計小委員会 地震・津波、地質・地盤
合同WG(第32回)議事録
日 時:平成21年6月24日(水)


総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会
耐震・構造設計小委員会 地震・津波、地質・地盤
合同WG(第33回)議事録
日 時:平成21年7月13日(月)


原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する
日本国政府の報告書
-東京電力福島原子力発電所の事故について-



  ↓ポチッと応援お願いします!
にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大寒の庭 | トップ | 1984年のパソコンの広告(週... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
パルテノンの柱の継ぎ方 (SUBAL)
2012-01-28 19:05:13
こんばんは

私がブログを始めたころの2006年に、パルテノンの柱の継ぎ方の話題から耐震性の話題になって盛り上がったのを思い出しました。あれは楽しかった。
20世紀はじめにドラムをつなぐ穴にスチールのダボを入れて、腐食による体積膨張によって柱を破壊し、それではというので、20世紀の終わりに日本製のチタニウムのダボを入れた、という話題から、ドラムを剛に繋ぐことが地震で倒れやすくなってしまったことが分かりました。結局昔の人が入れた木のダボが最良だったという落ちでした。その過程で行ったミニ実験、構造力学的な考察ずいぶんためになりました。その後、法隆寺や東京スカイツリーへの旅につながっているのですが、まだまとめるにいたっていません。今度の改修ではカリフォルニア大学とギリシャの大学の研究成果は生かされているのでしょうね。


http://subal-m45.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_fd1c.html
ギリシャの財政危機 (271828)
2012-01-29 04:55:08
SUBALさん おはよう

私もこの記事を書きながら2006年当時を思い出していました。今も改修工事は続行されていると想像していますが、ギリシャの財政危機で予算も潤沢ではないでしょう。
少し調べてみましょう。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ギリシャ」カテゴリの最新記事