271828の滑り台Log

271828は自然対数の底に由来。時々ギリシャ・ブラジル♪

遊具における失敗学(その2)

2008-10-26 11:24:28 | 遊具
昨年の秋から「スプリングとリンク」と題してスプリング遊具の問題点についてシリーズで記事を書きました。最初の記事は「スプリングとリンク(その1)2007-10-30」です。当時は開発中の案件でもあったのでリンク機構の詳細について触れることが出来ず「奥歯に物が挟まった言い方」しか出来なかったのです。ようやく出願も数ヶ月前に完了し、機構のチューニングも済んで私が自信を持って市場に投入できる製品が出来上がりました。残すは生産ラインを構築するだけとなりました。
まず私が書きたいのはリンク機構を使った揺動遊具の私の会社におけるルーツです。前掲の記事にも書いたようにそれは私の亡父が70年代の初頭、会社創業間もない頃に出かけたヨーロッパへの遊び場視察でした。そこで見たのがローラー滑り台とリンク機構を使った木馬だったのです。

今見ても職人技が光る良い仕事だと思います。

それを当時の工場で作れるようにアレンジして製造に着手したのです。どのような困難があったのか今では知る由もありませんが、少しずつマイナーチェンジを繰り返して生き残っています。

先日もこの木馬が動作する様子をビデオに撮影しました。孫と遊んでいたおじいさんに聞くと故障が少ないと好評でした。同じ公園にスプリング遊具3基が設置されていますが、2基はスプリングとベースの連結金具が緩んで使い物にならないまま放置されています。


この木馬を3人乗りとして、鋼板と木材で作られたボディをFRP製にしたPuppy(犬っころ)は見かけた人も多いでしょう。

ビデオだけでは分かり難い木馬の座面中央の点の軌跡をPCで描くと以下の様になります。


両側の片持ちの柱が固定節で、これに同じ長さ(180mm)の揺動節が両側からぶら下がっています。この先端にはベアリング(#6304)を介して連結節(コネクティングロッド)で結び、ここにボディが乗っているのです。滑らかな動作を決定するのはリンクの設計ですが、当時は手書きの図面と模型を使って実験したのでしょう。この木馬の動きが滑らかな理由は揺動節がすり抜けることが可能だからです。

ここで私が技術のルーツを明らかにしたのは、学者の世界で「出典を明示する」ことと同じです。40年も経過しているので特許がどうこうということはありませんが、先行する技術に対して最大の敬意を払い、そこに何がしかの進歩を付け加えたいと考えました。
技術の歴史を見れば模倣それ自体は悪いことではありません。何をモデルとするかを選択する時に独創性が現れるのです。英国もフランドルから羊毛の加工技術を学び、それを大陸の人は「英国は真似ばかりしている」と非難した歴史もあります。ドイツ製品も19世紀には「安かろう悪かろう」の代名詞でした。模倣が剽窃と呼ばれるのは独創を装う時です。

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