
この『物理の散歩道』は独立した話題から出来ているので、目次を眺めてその日の気分・やる気によって自由に選択して楽しむことが出来ます。本書では最初にゲストを交えた対談で、ロゲルギストの月例会の雰囲気を伝えています。次は「量の感覚的表現」です。
三鷹の船舶技術研究所(現 独立行政法人海上技術安全研究所)で世界最大級の長さ400m、幅18m、水深8mの曳航水槽を見せてもらった時に、案内した部長から「地球が丸いために、長さ400m水槽の真ん中では水面が両端よりどれ位高くなっていますか?」と質問されたのです。地球の大きさに比べて400mは極僅かなので多くて1mmであろう、と予想したのですが、「3mm高い」と言われて皆びっくりします。「計算してみると、確かにその通りであった。」それで私も計算することにしました。
まず冒頭のようなイラストを描いて方針を決めます。地球の中心をOとして、円弧ABの長さは400mです。半径rと扇形の∠AOBが分かれば、高さh=CDが
h=r(1-cos(θ/2))
で求めることが出来ます。
しかし地球の半径の値は忘れてしまった、というか覚えようとしたことが無いので知らない。でもWikipediaなど見ないで概算することにしました。「北極から赤道までの円弧の長さの1,000万分の1 」を1mとしたことは微かに覚えていたので、1万キロをπ/2(90度)で割って、6366kmを得ます。地球半径≒6400kmと覚えることにしました。
∠AOB=400/6400000(ラジアン)
と求まります。このような計算では角度(deg)よりラジアン(rad)の方がが圧倒的に便利ですね。これを使って電卓で計算するとh=3.125mm≒3mmになるのです。
また地球は丸いので遠くの山も見た目で2割ほど低く見える、という話もありました。今は前橋市に合併された旧富士見村から見える富士山は随分小さく見えます。それも条件が良くないと見えません。それで関西から来た人に浅間山を指差して「ほら、富士山ですよ」と教えると、大抵は信じてしまいます。このイタズラは浅間が雪を被った冬に限られます。ぐんまケンミンなら試してみてはどうでしょうか?
さて、人間はいつから大地が丸いことを知ったのでしょうか?今は閉鎖された近藤司朗さんの 『古典ギリシア語事始』という名サイトに以下のような抜書きがありました。
「地球の反対側(対蹠地)をギリシア語で antipous といい,その住民を antipodes と云うが,この語原は anti (opposite) + pous (foot) である。この発想は地球を球形と考えないと出てこない。(プラトン『ティマイオス』63a, ストラボン『地理書』1.1.13 他)」
-350年頃の地中海世界において、少なくともインテリの間では大地が丸いということは常識だったのです。我がみずほの国では弥生時代に当たります。一般庶民が地球説を受け入れたのは明治維新以後で、2200年以上の時間が経過しました。
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(09/05/22 追記)アルキメデス(-287~-212)の論文「浮体について」には以下のような図が掲げられています。

そして「命題2」には「不動のままの状態にある任意の液体の表面は、大地と同じ中心をもつ球形になるであろう。」と書かれています。
三鷹の船舶技術研究所(現 独立行政法人海上技術安全研究所)で世界最大級の長さ400m、幅18m、水深8mの曳航水槽を見せてもらった時に、案内した部長から「地球が丸いために、長さ400m水槽の真ん中では水面が両端よりどれ位高くなっていますか?」と質問されたのです。地球の大きさに比べて400mは極僅かなので多くて1mmであろう、と予想したのですが、「3mm高い」と言われて皆びっくりします。「計算してみると、確かにその通りであった。」それで私も計算することにしました。
まず冒頭のようなイラストを描いて方針を決めます。地球の中心をOとして、円弧ABの長さは400mです。半径rと扇形の∠AOBが分かれば、高さh=CDが
h=r(1-cos(θ/2))
で求めることが出来ます。
しかし地球の半径の値は忘れてしまった、というか覚えようとしたことが無いので知らない。でもWikipediaなど見ないで概算することにしました。「北極から赤道までの円弧の長さの1,000万分の1 」を1mとしたことは微かに覚えていたので、1万キロをπ/2(90度)で割って、6366kmを得ます。地球半径≒6400kmと覚えることにしました。
∠AOB=400/6400000(ラジアン)
と求まります。このような計算では角度(deg)よりラジアン(rad)の方がが圧倒的に便利ですね。これを使って電卓で計算するとh=3.125mm≒3mmになるのです。
また地球は丸いので遠くの山も見た目で2割ほど低く見える、という話もありました。今は前橋市に合併された旧富士見村から見える富士山は随分小さく見えます。それも条件が良くないと見えません。それで関西から来た人に浅間山を指差して「ほら、富士山ですよ」と教えると、大抵は信じてしまいます。このイタズラは浅間が雪を被った冬に限られます。ぐんまケンミンなら試してみてはどうでしょうか?
さて、人間はいつから大地が丸いことを知ったのでしょうか?今は閉鎖された近藤司朗さんの 『古典ギリシア語事始』という名サイトに以下のような抜書きがありました。
「地球の反対側(対蹠地)をギリシア語で antipous といい,その住民を antipodes と云うが,この語原は anti (opposite) + pous (foot) である。この発想は地球を球形と考えないと出てこない。(プラトン『ティマイオス』63a, ストラボン『地理書』1.1.13 他)」
-350年頃の地中海世界において、少なくともインテリの間では大地が丸いということは常識だったのです。我がみずほの国では弥生時代に当たります。一般庶民が地球説を受け入れたのは明治維新以後で、2200年以上の時間が経過しました。
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(09/05/22 追記)アルキメデス(-287~-212)の論文「浮体について」には以下のような図が掲げられています。

そして「命題2」には「不動のままの状態にある任意の液体の表面は、大地と同じ中心をもつ球形になるであろう。」と書かれています。







