271828の滑り台Log

271828は自然対数の底に由来。時々ギリシャ・ブラジル♪

安中市松井田商工会館(帝冠様式)

2016-08-11 10:30:19 | 安中
大学時代の古い友人が秋田から愛知県を経由して我が家に遊びに来ました。乗り物はKAWASAKIの250ccバイクです。到着した日(8/4)はゆっくりして、翌日は安中の超レア観光案内。彼のブログには「白井晟一の作品を秋田県湯沢市で観る。」という記事もあるのでまず旧松井田町役場をお見せすることにしました。彼をハスラーに乗せて現地に到着すると以前には無かった張り紙がありました。

本建物は耐震強度不足により、内部の見学はできません。
ご理解とご協力ほどよろしくお願いいたします。

せっかく遠方から来られたのにまことに残念です。この建物は建築関係者にはつとに有名でバスを仕立て学生さんも来るらしい。創建当時の外観を維持しつつ公開してほしいと思っています。白井晟一の作品は群馬県ではここだけになってしまったのですから。「畑の中のパルテノン(乙女)」と言われていますがギリシャ風建築は公共的な建築ではポピュラーで、アメリカの州会議事堂の45/50がそうなっています。
入館出来ないので近くにある歴史的建造物を見学に行きました。旧松井田警察署(現在の安中市松井田商工会館)です。この建物が帝冠様式と呼ばれることはへりおすさんのサイト「日本すきま漫遊記」で知りました。旧松井田町役場から車で5分もかかりません。和洋折衷の建物は前橋にもあって「勢多会館」と呼ばれていた記憶がありますが現勢多会館は別の場所に移転(新築)したようです。
今回は折角ですから勇気を出して、この会館に入ってこの建物の由来をお聞きしました。係の方がPCからドキュメントを出力してくれました。感謝です。以下そうの概要です。

<<建物mの歴史>>
1938年 松井田警察庁舎(現在の商工会館)上棟
1939年 庁舎完成・移転
1967年 警察署を取り壊し、移転する旨が警察本部長から町に伝えられる。町内有志の方々が建物を保存し商工会館として使用すべく県より払い下げて、代替地を提供する案が起こる。
1968年 松井田商工会館として利用開始。警察署は1.2kmに移転。
<<建の物概要>>
群馬県の技師が設計した。当初は洋式で建設する予定であったが国粋主義的な思想の高まり受け洋式一辺倒はまずいとの配慮から屋根に装飾用の千鳥破風を付けるなど和風を取り入れた和洋折衷様式になっている。
木造二階建、床面積は約380㎡、外装はタイル張り、大きめに取った窓は鉄枠の上げ下げ窓で天井高は3.4m~3.5m、開放感があり夏は涼しい。
柱や家具はインド産のフタバガキ科の高木、ラワン材を使用している。
商工会購入後、内装は変えたが外壁や柱などは当時のまま。
<<棟札>>(むなふだ、建築関係者のみを記す)
設計 井上正雄 監督 高玉眞雄 工事請負人 富田幸太郎 代人 伊藤朝次郎 棟梁 横山佐太郎 副棟梁 横山御法之助 鳶頭 鳴海常吉 左官 林林之助 土方 土屋槇 瓦職 中島亀太郎 建具工 鈴木重吉 外装 石田石材株式会社 石工 永井数恵 飾工 川名孝三郎


警察署の再利用とのことでしたので、留置場のことが気になったので聞いてみると、建物の裏にあったそうですが、すでに取り壊されたそうです。
帝冠様式もすでに絶滅危惧種です。取り壊される前に私たちの記憶に留めておきましょう。安中市も保存に頑張って下さい。

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