インターネットの憂鬱

仮想空間と現実の狭間で

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デジタルデバイドの悪徳

2012年04月22日 | 雑感

前回に書いた、顧客の話。
そこが契約するホームページ制作業者について聞いて来たわけだが、
開いた口が塞がらないとは、まさにこのことだろう。

そのホームページの構成はありきたりのもので、サイズも小さい。ページ数は約30ページほど。
内部リンクは多い。タイトルは社名で、アピールポイントになるワードはないし、テキストは
整理されていない。依頼主の作成した原稿が流し込まれているようだ。画像の多くは、いわゆる雰囲気写真。
要するに、パッと見ただけで「出来の悪い」ホームページの見本のようだと感じるものだ。

詳しい構造の解析はこれからだが、とあるワードで検索すると1位に表示されるので
何かしらの仕掛けはあるようだ。しかし、そのワードが頻繁に使用されるモノかというと、疑問だ。

この、契約内容がすごい。

2008年から5年間のリース契約。1ヶ月の支払いは、おおよそ4万円。
年間約50万円、5年で250万円の計算になる。今なら5つのホームページを立ち上げられるほどの金額だ。
しかも、内容更新など新たな作業を依頼するにはその都度、別料金がかかるという。

テンプレートを使えば、素人がそこそこのホームページを作成できる時代に、特別な内容や仕掛けも無く、
年間約50万円。更新を依頼すれば、さらに料金が発生するという。絵に描いたような「やらずぶったくり」だ。
何しろ、リース期間が終了すれば更新契約をしない限り、現在のホームページは配信停止になる。
途中で契約を解除しても、配信停止だ。契約によっては違約金の話も出てくるだろう。

要は人質を取られたのと同じで、ホームページの所有権は業者側にあるわけだから、
現在のホームページを使う限り、こちらからは何も出来ないし、何も文句は言えないのだ。
こんな条件で、大金を支払うメリットはまったくない。あるわけがない。
もっとも、潤沢な資金のある企業なら、大金を払い好きなように指示するだろうし、
こういう業者も喜んで全力で仕事をするかも知れないが…

しかもだ。さらに驚いたのは、その業者のホームページでは、何やら独自の優位性を持つとかいう
自社サーバー使用となっていたが、実際にこの顧客に提供されていたサーバーは
なんと、普通に知られているレンタルサーバーだったという事実だ。
契約書の内容を精査していないから、何とも言えないが、心情的にはほとんど詐欺行為だ。

もちろん、契約書を取り交わした以上、余程のことがない限り業者を糾弾することはできない。
何しろ、こういう相手は最初から法的に問題の生じないギリギリの範囲で、
最大限の収益を上げるためのロジックで武装している。だから、何を言っても“後の祭り”なのだ。

このようなケースは、何もインターネットの世界に限ったことではない。
契約当時の顧客にはインターネット関連の知識がほとんどなかったため、業者の言うままに
契約してしまったというのが実態だ。つまり知識がなく、疑念を持たなかったわけである。
そんな人を狙うビジネスは、この世の中に蔓延していると言っていいだろう。
歴史や経験がないから判断しづらい、そういう新しいモノほどやりやすいというわけだ。

業者の所在地は渋谷。派手なデザインのトップページ。やたらと威勢のいい言葉。
専門用語を織り交ぜたセールスポイントの数々。夢のような“花畑全開”の世界観。
会社概要にはご丁寧に顧問弁護士の名前まで並ぶが、システムや料金の説明は一切ない。
典型的なパターンだ。そこから漂うのは、無知につけこむ悪意と、金満IT社会の経文である。

幸いにして、顧客側からもホームページにアクセスでき、内容の更新くらいは行なえることが
唯一の救いだが、「高い授業料でした…」と悲痛な表情を浮かべる顧客の姿を見ると、
憤りよりも「なんとかできないものか」と思案してしまう。間もなくこのリース契約は終了する
はずなので、ホームページの再構築も含めて、コストパフォーマンスに優れた方法を考えて行こうと思う。

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