入学して間もない大学1年生を中心に数学的素養がどの程度身に付いているか調べた結果、4人に1人が「平均」の意味を正しく理解していないことが24日、日本数学会の「大学生数学基本調査」で分かった。
調査対象は、学校週5日制が導入され、学習指導要領で学ぶ内容が減らされた「ゆとり世代」の学生。同会は「科学技術立国を目指す国として由々しきことだ」と懸念している。
昨年4~7月、国公私立48大学の1年生を中心とした5934人を対象に、統計や論理など5分野の基礎的数学力を調査。偏差値ごとに国立3、私立4の計7グループに分けて正答率を比較したほか、偏差値は関係なく学部別でも分析した。
その結果、身長を題材に平均の定義とそこから導かれる結論を求めた設問の全体の正答率は76.0%だった。東京大など最難関国立大グループの正答率は94.8%と高かったが、偏差値50以下の私立大グループは51.2%。理工系学生でも82.0%にとどまった。
文章を読ませて確実に言えることは何か、と論理力を問う問題の全体の正答率は64.5%。最難関国立グループは86.5%だったが、偏差値50とそれ以下の私大2グループは50%を切った。