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E問題(第2回)シリーズ~木を見て森を見ずにあらず310解答・解説~

2020-05-16 18:17:03 | 中学受験

 なかなか終息しない新型コロナウイルスですが、みなさんどのような生活を送られていますか? 私は連休明けから少しずつ少人数(クラスを分化して)で受験学年対象に教室で授業を始めました。オンライン授業も自宅からと教室からと2通りで行っております。

 この間ブログへの投稿が止まり、お待たせしておりました。と言っても今回投稿する解説は、ずいぶんと荒っぽい内容になったと反省しております。前回のヒントだけよりはお役に立てるのではと思います。落ち着きましたら新しく次なるE問題を紹介したいと思います。

 

3番

<解答・解説>
答え:(1)五角形 25:72 (2 ) 台形 37:144
<解説>
次の3つの手順によって切り口を作図します。
① 同一平面上にある2点を直線で結ぶ。
 QRを直線で結びます。手順①では引けるのはこの1本だけです。

② 向かい合う面に同じ傾きの切り口の線を引く。
 QRに対しての向かい合う面は面DHGCです。頂点Cを通るようにQRと同じ傾きで直線を引きます。この際面DHGCの内部には引けないので、面を広げるようになり、手順③に移行していきます。

③ 面と線を延長し、①②にもどる。
 図1のように面ABHDと面EFGHも広げて、 頂点Cを通るQRと同じ傾きで直線との交点をI,Kとします。面ABHDを広げた同一面上のIからQを通る直線が引けます。面EFGHを広げた面との交点をJとします。JとKは同一面上にあるので直線で結びます。すると全体が大きな三角錐となります。


傾きが同じ線により相似な三角形がたくさんできます。まず、最初に描いたQRにより三角形QERは直角二等辺三角形ですから三角形IDCも三角形CGKも直角二等辺三角形とわかり、IDとGKの長さはもとの立方体の1辺と同じ長さになります。また広げた大きな三角錐はJCを軸として対称形をなしています。ここで立方体の1辺の長さを12としてそれぞれの長さを調べていきます。新たに引いた直線と立方体との交点を図1のように、L,Mとします。三角形ILDと三角形QLAの相似比はID:QA=12:6=2:1です。よってALは12÷3×1=4、対象の位置にあるFMも4になり、AL=JE=FM=4です。ここからは計算です。求め方は体積比を利用する計算の工夫や直接体積を求める立式、図1、2の2通りの求積解法があります。また発想の違う解法としては、図3のように立方体の面AEFBに手前4(EJ)の高さ分直方体をくっつけると、切り口の面は新しくできた直方体の頂点JとCを含む平行四辺形JMCLとなり、この直方体を2等分していることになります。
● 三角錐をもとにする解法
ここでは図2の発想で求めてみましょう。切り口の面の上の部分が分かれた小さい方です。その体積は大きい三角錐から外にある2つの合同な三角錐を引きます。18×18÷2×12÷3-6×6÷2×4÷3×2=50×12です。(比で答えるために計算は最後まで行いません)また。元の立方体の体積は12×12×12です。よって、50×12:12×12×12=25:72となります。

● 直方体の2等分をもとにする解法
 図3の面AEFBに手前4(EJ)の高さ分の直方体から三角錐J-QERを除いた部分を求めます。12×12×4-6×6÷2×4÷3=12×46です。新しくできた直方体の2等分から12×46を除いた部部が切り口の面の上の部分になるので、12×12×16÷2-12×46=50×12です。よって、50×12:12×12×12=25:72となります。

(2)も(1)同様に考えます。
次の3つの手順によって切り口を作図します。
① 同一平面上にある2点を直線で結ぶ。
 PSとSFに直線を引きます。PSと向かいある面BFGCに頂点Fを通る直線を引けます。あとは手順に従い、相似形を利用して各長さを求めていきます。切り口の面によって分かれる小さい方の立体は図4のように大きい三角錐の一部になります。三角錐をもとにして求める解法と(1)のように直方体をくっつけて大きい直方体の2等分を利用する図5の解法の2通りあります。

 

● 三角錐をもとにする解法
ここでも立方体の1辺の長さを12とします。図4のように三角形SEFと三角形SAOは相似形で、相似比SE:SA=1:3よりAOの長さは12×3=36になります。大きい三角錐と立方体の外にある三角錐の相似比は(36+12):36=4:3より、体積比は4×4×4:3×3×3=64:27となり、切り口の面によって分かれる小さい方の立体の比は64-27=37です。切り口の面によって分かれる小さい方の立体の体積は6×9÷2×36÷3÷27×37=12×37です。よって12×37:12×12×12=37:144となります。

● 直方体の2等分を利用する解法
図4のBNの長さは相似形(三角形PASと三角形NBF)の利用より、12÷3×2=8です。図5のように立方体の面AEFBに手前2(6÷3×1)の高さ分直方体をくっつけると、切り口の面は新しくできた直方体(面AEFBを底面として高さが8+2=10)を2等分していることになります。図4の手前に出ている三角錐の体積は12×3÷2×2÷3=12となり、切り口の面によって分かれる小さい方の立体の体積は12×2×10÷2-(12×12×2-12)=12×37です。よって12×37:12×12×12=37:144となります。

 

4番
<解答・解説>
答:798
<解説>
●1周期書き出す解法
13と19のLCMが1周期となります。実際の数は13×19=247となり、247までに書き出した整数の個数は13+19-1=31(個)です。100÷31=3あまり7より3周期からあと7個書き出した数と分かります。1周期内の7番目までは書き出すと、13、19、26、38、39、52、57となり、求める100番目の数は247×3+57=798となります。

●歩数と歩幅の関係を利用した解法
 同じ距離を進む時、歩数と歩幅は反比例の関係にあります。歩幅を13と19に置き換えると同じ地点まで進む歩数の比は19:13となります。13から始まって目指す100番目までに、13+19-1=31の31個目ごとに13と19の公倍数に当たります。よって100÷31=3あまり7よりそれぞれのべの個数の合計だと3個重複しているので100+3=103個目となります。そこまで行きつくまでのそれぞれの個数は19:13より、13の倍数の個数は103÷(19+13)×19=61.1・・・、19の倍数の個数は103÷(19+13)×13=41.8・・・となり、103個目に近いのは19の倍数の42番目となります。よって19×42=798となります。


 

 

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