Ⅳ 演習が終わったら
①採点
その日の予定教科が終了したら、休憩を挟んですぐに採点です。採点は、お家の人にお願いしましょう。採点は厳しく行います。あいまいな数字や文字は×とし、算数は計算ミスのみ半分加点、式・解き方を要求するところで、式・解き方がない場合は大幅減点とします。記述問題で正誤の判断がつかないものは、教科担当の先生に採点をお願いしましょう。配点が分からない場合は、正答率(正答数÷設問数)を算出し、科目の点数にその割合をかけて計算します。
受験生の学力は、これから過去問の直しによってぐんぐん伸びます。よって、過去問を解く時期を考慮して、学校の発表している合格最低点との比較をします。2月までに合格最低点に到達できれば良いので、おおよその目安は以下のようになります。あくまで合格最低点を意識して取り組みましょう。
<合格最低点に対する目標点の割合>
|
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
算数と社会 |
70% |
80% |
90% |
100% |
理科 |
80% |
90% |
100% |
100% |
国語 |
90% |
100% |
100% |
100% |
全体 |
80% |
90% |
95% |
100% |
合格最低点に対しての割合です。たとえば400点満点で、合格最低点が250点の学校の場合、10月の段階でその80%、つまり250×0.8=200の200点が目標点となります。
② 誤答問題の確認
なぜ間違えたのか、自分なりに原因を探ってみましょう。計算ミスなのか、難問過ぎたのか、時間が足りなかったのか、単に忘れていたのか、などを振り返りましょう。市販の問題集には簡単な解説も付記されています。
各教科ごとの細かいポイントは、次の③を参考にしてください。
③ 各科目のポイント
<算数>
間違い直し(2回目)の時のポイント
(ア) ミスの原因をチェックする。
不注意によるもの・・・計算ミス、単位のミス、要求されたものと違うものを求めている等。
解くときの心がけが悪いためのもの・・・表、図、文字式など最低限必要な整理を行っていない。
(イ) 出題頻度の高い分野や、自分の弱点補強についての対策をたてる。
<国語>
①以下のチェック項目に従って、まず必ず答えあわせをする。
・記述式解答・・・説明の不十分さ、誤字・脱字、文末ミスなどはないか。設問に呼応した解答になっているか。記述については、直したものをできるだけ第三者(家・塾)に見てもらう。
・書き抜き解答・・・誤字・脱字、句読点の打ち忘れなどはないか。書き抜き条件
の違反はないか。
・漢字・・・トメ、ハネ、ハライは正確か。送りがなに間違いはないか。
②次に、間違えたところはその原因を分析し、対策をたてる。
・読解問題の誤り・・・解説を読んだり、質問するなどして自分がどのようなポイントを見落としたのかをつかむ。
・解答条件の誤り・・・ミスの原因は容易にわかるはずなので、設問の条件の個所にラインを引く。
・知識の誤り・・・ 知識不足なのだから、知識を補充する。漢字は徹底的に。
③出題傾向をつかむ
・なぜそのような問題を出すのか、余裕があれば考えてみよう。
読解問題なら、文脈把握なのか、心情把握なのか、テーマ把握なのか。
漢字の問題なら、同音異義語なのか、二字熟語なのか、四字熟語なのか。
<理科>
①分野・主題形式ごとに、次の要領に従って、まず間違えたところを直す。
・知識に関する問題でのミスは、今までのテキストを利用してできるだけ自分で調べ、単語カード、間違いノートを作り書き込む。
・記号選択問題では、国語の問題の時のように迷うことが多い。ここでのミスを直すときは、解答を見て中途半端にわかった気にならないことが大切。正解が選ばれる理由をしっかり説明できるようにする。
・計算問題でのミスは、解説を読んで理解し納得するだけでなく、必ず白紙の状態に戻して計算し直す。特に、単位・何を求めることを要求されているのかに注意する。
・記述・作図でのミスは、直したものをできるだけ第三者(家・塾)に見てもらう。特に記述では、理科の内容としてはもちろんのこと、国語としても好ましい文であることを常に心がける。
②わからないもの、納得いかないものをチェックする。
・このとき、どの分野のどの項目が弱点であるのかを、できるだけ細かく把握する。ある分野がわからないというような考え方ではなく、一つ一つの項目を着実にできるようにする。質問をするときも、自分にとって何がわからないのかを絞って質問するほうが効果的。
<社会>
どのような問題が出題され、どのような対策を取ればよいかをチェックする。
①過去問全体を通して
(ア)地理、歴史、公民はどのような割合で出題されているかをチェックする。
(イ)記号選択か、語句記入形式か、漢字指定はあるか、論述はあるかなどの、出題形式をチェックする。
②問題を解いてみて
(ア)今まで学習した知識を活用して解答が可能な問題か、自分にとっての難易度を見極める。
(イ)ケアレスミスなのか、忘れている(覚えていない)のか、出来ていないところの原因をチェックする。弱点分野をチェックする。
③弱点分野がわかり次第
(ア)自分の弱点項目がのっている今までのテキストに再度トライする。このとき、地図帳・統計資料(日本のすがたか日本国勢図会)・歴史資料などを活用する。
(イ)覚えるべきものは、単語カード、間違いノートを作り書き込む。サブノートに書き込んでもよい。
(ウ)(イ)は大きなテストの前に、必ず見直し、活用していく。
注:古い年度のものは、出題されているグラフ・表などの数値も当然古いので注意。
④ 誤答問題チェック
間違えた問題は、原本の問題番号に蛍光ペンでチェックをつけておきましょう。次回解き直しの際にとてもとても楽です。
⑤ シート記入
「過去問点数記入シート」なるものを作成し、必要事項を記入しましょう。学校ごとや教科ごとによる、自分の弱点を客観的に把握しましょう。
⑥ ファイル管理
1校ごとにファイルを用意し、問題用紙や解答用紙のコピーを収納しておきましょう。
この「マニュアル」「カレンダー」「シート」「問題と解答」を全て同一のファイルに入れておくと管理がしやすいですね。
⑦ 授業時に提出
先生に必ず提出し、取り組み方の内容をチェックしてもらいましょう。個別に復習などの指示が出た場合は、それに従いましょう。
⑧ 最後に
過去問は年度をさかのぼればたくさんあります。量に振り回されないように欲張らずに計画的に取り組みます。くれぐれも注意してほしいことは、解いて終わりにしないことです。また、算数は解けなくてもすぐに解説をみないで、再度挑戦します。何回か考えても解けない場合は、聞くのではなく、解説を読んで自力で考えましょう。この姿勢が実力を大きくアップさせるのです。志望校に対してたやすく白旗宣言をしないことが、合格へと導くのです。