メランコリア

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『シンデレラ・コンプレックス』(三笠書房)

2016-12-30 12:18:38 | 
『シンデレラ・コンプレックス』(三笠書房)
原題 THE CINDERELLA COMPLEX
コレット・ダウリング/著 木村治美/訳

※1994.5~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。

(著者などのメモがないけど、私が読んだのはたぶんこの赤い表紙だったと思う 2016


【内容抜粋メモ】

女の自立

'60~'70 アメリカでおこった「フェミニスト運動」
女性にも選択権を! 男女均等雇用を! そして自由を!
女性は男性と平等の人間として、個人として生きる権利を欲した

しかし、その裏には、あまりに根強い「依存」という落とし穴があった

結婚して何年も経ち、突然「解任主婦」(夫が死ぬか、離婚した女性)となり、
生活から何からどうしたらいいのか分からないというパニックになった女性

20歳の時に抱いていたエネルギッシュな夢、「良き学生」「良き娘」として溌剌と過ごしたが
いざ就職となると、繰り返しの連続、興味も失い、その状況に埋もれるうちに無力感にハマりこんで

「自分は、どうしてこんなに孤独で、無能力なのか?」

その疑問の答えは見つからない



幼児期から育てられる女の子の「依存心」

依存心は、幼児期の伝統的な女の子の育てられ方に原因がある

男の子はもともと新しいことに立ち向かう力、
危険や困難に向かう特別な能力を持っているわけではなく
小さい頃から、そう育てられていく 経験の積み重ね

「頼れる者は、自分しかいない」

「成功は、自分で掴み取るものであり、成功すれば、その成果(名声、その他の褒章)もまた自分のものである」


一方、依存していくこと自体「女らしい」と思われているのは、昔も今も変わらず、
過度に両親らに守られ、危険や不安から遠ざけられながら育つ女の子は、
成人してからも、新しいこと、危険や不安に対処する術を持たず、
よって過度に怖れをなして尻込みし、立ち向かわずに誰かに頼ろうとする



シンデレラ・コンプレックス

童話のシンデレラのように「いつか誰かが救ってくれる」ことを待つのみ
自分から努力したり、自発的に動いたりしない心理症状



ジェンダー・パニック

仕事をバリバリこなし、成功することは「女らしくない」と思い、
その場にとどまってもいたくないが、一歩踏み出すことも怖れる、その葛藤をいう

葛藤は、それ自体、女性のエネルギーを消耗させ、ついには停滞させる

停滞状態は、刺激もないかわり、安全地帯でもあり、
多くの才知ある女性も低レヴェルに自己評価し、
進歩のない低賃金、保障もない職に長年踏みとどまらせている



結婚、家庭は避難のための巣

個人のキャリアをもち、自活していた女性も、結婚すると同時に依存しはじめる
社会に出る困難に比べれば、家事のほうが安全だからだ

盲目的に夫や子どもに尽くす妻、一般には「良き妻」と思われるが
実は、自分の物を何も持たず、相手と融合、共有することによって
個々のアイデンティティを失くした女性の姿である

「私がいなければ家事ひとつ出来ない」という言葉の裏には
「だから私を見捨てないで」という怖れの心理が隠れている


********


さて、日本でも話題になった女性の心理を新しい角度でえぐりだした本書を読んでみた
読まなければよかった、という思いが読後の正直な感想

というのも、あまりに「これは、私のことを言っている」と思える深層心理の話であり、
できれば知らないままにしておき、早めに忘れ去りたい根強い心の問題を鋭く描き出していたからだ

私はハンパにフェミニズムを齧って、共感していただけになおのこと
自分の依存心、恐怖心を見せつけられて、とても混乱している


その上、本書は6章までが「依存」について
具体例をふんだんに入れて、その正体を暴いていきながら
その解決法や、理想の愛、しあわせの形は、最終章でも曖昧で、夢分析などのみ
詳しくは語られていない


扱うのが深層心理だけに、慎重で、結局、自立するためには
「自分自身を内面から解放するのは、それぞれの方法を自分で見つけるのが一番だ」と言っているのかもしれない


それにしても、周囲の環境は、本書が出た後も、ほとんど変化していないのが現状だ

いまだに「母親は強く、美しい」「女性は裏で支える」的イメージを
メディアでもさかんに支持している

自分を変えようとするには、あまりに前例がなさすぎ、環境とズレがある
しかし、それも周囲のせいにして、自分の力不足を怖れる防衛にすぎない、と言われるかもしれない
心理学をちょっと齧っただけで、自分や他人をカウンセリングするなんてことは、危険すぎて出来ない


しかし、私自身も自立(自活)して、自分の面倒は、自分でみれるというメッセージを発してきて
実は経済的にも、心理的にも、両親や周囲の人に頼ってきた、という事実を発見したことには変わりない

実際、社会人になってからも、引越し、資格取得、自費出版にしても
自分ひとりで方法を探し出すことが出来たはずなのに、金銭の援助を受けたし、
いまだに世の中の仕組みを知ろうとすることにとても抵抗を感じ
自分の未来のための貯蓄も準備も十分ではない


「女性は自立すべき」と常々思い、周囲にもそう言いながら、
いつかはこんな生活をやめて、一生お金に困らない安定した環境が
「どこか向こう」からやって来るのでは、と信じている
情けなくなるくらい、このシンデレラ・コンプレックスにハマっているではないか


しかも著者は、現代でも一般化している考えをことごとく否定している

例えば、家庭を守ることも依存で、子どもや家事にかかりきりになることも
一見、自立しているように見える女性の勇気あるテキパキさも
逆に恐怖症の表れだというし・・・

こうして、すべての言動が「恐怖」を過度に「防御」する心理症状だとしたら、
一体何を信じればいいのか、サッパリ分からなくなってくる


もともと人間は皆、無意識に自分の不安を除こう、隠そう、忘れ去ろうとする防衛反応が
自然と働く仕組みになっているのだから、わざわざ自分で自分の怖れを暴いて
立ち向かおうとするのは無理のような気がする

それに、人は、不安定と安定なら、安定に流れ、困難よりも怠惰に流れがちだ


しかし、著者は、そして私たちも、単なる「守られて安全」には留まっていたくはなかった
うすら孤独で、自分は無力で、虐げられていると思い続けたくはなかった

原因不明(原因が自分自身の中にあるという事実から避けるため)の恐怖や不安から
神経症にかかったり、過度に他人に恨みを抱いたりしたくはない


そこで、本書は、その原因が「依存心」にあることを私たちに教え、
それを克服することによって、真の自立、自分を信じ、「自分に頼れる」という安心感、
他者からの恵みを待つばかりではなく、自分で自分に恵みをもたらす
つまり、「自分が王子さまになる」ことで、自分で成功をつかみ、
失敗の責任もとり、成長してゆくことをうながす

もし、これら全部が可能なら、今から始めるのが懸命だ
中には、40、50歳になって、やっと気づく人もいて、
その頃には、絶大なる「諦め」が支配し、変えることが出来なくなる場合もある


私も今までの自分の人生には、決して満足していない
低賃金のバイトで毎日明け暮れて、慢性疲労と、無力感で、この歳にして
もう人生を諦め、なかば死んでいるも同じ

特別、目的もなく、貯蓄もない(これはお金だけの問題かしら?)
人生は、はかり知れない運命の力によって動かされていると思い込んで、
自分のせいだとは思っていない

確かに、成功を怖れ、自己を卑下し、原因を追究するより
「私は可哀相だ」と思いつづけ、この場にとどまっているほうがはるかに楽なんだ


でも、本当の幸せってなんだろう?
著者の言う通り、現実に目覚め、毎日の仕事に精を出し、自分で安定を作り出すこと?

本当に依存ではない愛の形とは?
その理想形が分かれば、それを目標に出来るのに

これもまた逃避の一種かしら?


どのみち、この問題を正面から考えると憂鬱になってくる

私は毎日、毎日の単調さにウンザリしていると思っていたけど、
実はその同じリズムの中に紛れていることこそ安全で、安定していると思っていたんだよね

ああ、これで単なる虚勢でしかなかった私のスタイルも暴かれたってワケ
他人にじゃなく、私自身に


で、これからどーすればいいのかしら?

ジャニスに代表される「Women Is Losers(女は負け犬)」の考えが一気に崩れ去ったんだもの
今後見るもの、聞くものすべて違ってきちゃう
私の信念なんて全部どこかの借り物だもの


でも、こうして卑下しているばかりじゃ先に進めない
私は、私を守るための高い防御バリアの建設に、今までを費やしてきたの?
私の理想像とは?

「けっして、何があっても傷つかない
 自分の面倒を自分でちゃんとみれる人間」

これが思い上がりとするなら、生きていくには誰かの助けが必要ってことでしょ
この本の中には、そんな矛盾がいっぱい詰まっている
一体、著者は、女性にどんな姿を求めているのかしら?


それにしても、学生の時の、あの「何でも出来るんだ」っていう気力は
どこへいっちゃったのかしら?

私が目指した職業が、本書で使っている「女性が選ぶ女性的な仕事」の統計の
半分も当てはまっているのにはビックリ

ジャーナリズム(編集)、文学、図書館学、それに今度は事務系で探してるんだから!




(今、このメモを読んでも、まったく変わっていないと気づいた
 変わったとすれば、ありのままでいいんだ、と自分を受け入れることも大切だということ
 こんな昔に書かれた本から、女性を取り巻く環境はほとんど変わっていないことも確かだし

 この時の自分が予感していた通り、「諦めて」「無気力」だとも言えるし、
 相当頑張ったんだから、今は内観する時間で、やっと今の自分が本当の自分なんだと気づいたとも言える

 日本はまだマシだとも言える
 もっと手を差し伸べなければならない深刻な事態に置かれている女性が世界中にごまんといるのだから 2016


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